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LYTTON’S

こんにちは、ばしです。

 

最近、eBayやらETSYやら、海外のサイトをちょくちょく覗いてます。

別に買わなくてもいい。
見ているだけで楽しい。
相場観も分かるし。

そんな気分でいるときに限って、お買い得な素敵なやつに出くわすわけです。

 

浮世絵が知らぬ間に評価されて海外に渡ったように、地元の良品は意外と外の世界に出て行って、眠ってたりするのかも。

古靴についていえば、米国ビンテージのいけてるやつを地元アメリカの愛好家から買おうとすると、健全なる愛国心も付加されてお値段も高くなることもやむを得ない。

当たり前で、しょうがないことです。

価値を共有し合う者同士での、そこからの交渉がどうなるか、ということですが、常識的で良識の範囲のモノになるんだと思います。

 

では、同じ靴を米国以外の人から買ったらどうなるか。
同じように高いか、極端なくらいお買い得か、の、どちらかではないでしょうか。
じいさんが価値を認めて海外から取り寄せたレアモノ。孫の代には単なる古靴でしかなくて、本来の価値は無知ゆえに無視されたりすることもあるのかも。

そんなのが狙い目なのは、国内でも海外でもきっと同じはず。

 

私は、価格交渉が苦手です。
というか、基本、あんまりしない。仕事でも、プライベートでも。
仕事でも、値引き交渉をされるのがとても嫌な性質なので、私自身はよほどのことがない限りやらない、やりたくない。

そんな私が価格交渉をせずにいいものをお安く手に入れようとすると、アンノウン扱いのものに出くわすか、需給ギャップというか、本来のあるべき場所にいないせいで売れなくて、どんどん値下がりしたやつをコツコツと探していくか、しかありません。

なので、私の主戦場は、ビンテージショップではなくリユースショップなわけです。まあ、ビンテージショップで価格交渉する人なんてそもそもそんなにいないでしょうけどね。

今回のebay案件の場合はどうなのか知りませんが、まあ、おそらく、「当たり」の部類なんだと思います。

すみません、そんなつもりはなかったのに、前置き長くなっちゃいました。

こいつ。

 

 

LYTTON’S 

 

 

 

ebayで購入。

1足でも2足でも送料は同じ、ということで、フローシャイムを買ったついでにもう1足買っとけ、ということ購入したやつです。

本命はフローシャイム。

古そうなスワンネックの7アイレット。まだメンテしてませんで、紹介これからになります。で、届いてみたら本命は小さめで、おまけがマイサイズ、という、いつものパターンです笑。

おまけで買ったはずなのに、転がすつもりでついで買いしたはずなのに、なかなかに良いわけです。

これもいつものパターン。
で、パターン違いなのは、セラーさんがドイツであること。
ドイツから、USメイドを2足。

いやはや、グローバルな世の中になったもんです。

 

で、こいつ。氏素性は曖昧ですが、とりあえずこんな感じ。

 

「Lytton’s」というのはアメリカのデパートの名称らしいです。

【Henry C. Lytton & Co 】が正式名称。

1887年にイリノイ州のシカゴでオープンしたストアでしたが、残念ながら、1986年になくなってしまったそう(古着屋ガレージセールさんのブログより)。

どんなに新しくとも30年以上も前のペアです。

で、たぶんもっと古そう。

グッドイヤー製のトップリフト。

釘穴あり、で、「WINGFOOT」の文字が。

フローシャイムのトップリフトなら、釘穴あり=1960s~early70s、ですが、こいつの場合はどうなんでしょう。まあ、全体の雰囲気からも、おんなじ時期のような印象です。

 

サイズ表記は290。US9.0のBウイズ、です。が、古いペアにありがちな通り、最近のUS9Bより小さい。8.5Cくらいのサイズ感で、中敷きなしでもなんとか行けそうかな。

アッパーもソールも、美しい。

素敵です。

とりあえず、早速手入れです。

まずは左から。

 

ステインリムーバーで汚れ落とし

ダメージもクラックもなし。

見たまんま。素晴らしそうなやつです。

ドキドキ。

次いで、

 

 

リッチデリケートクリームで保湿

特段、乾燥もしてません。

もっちりしてます。

プレーントゥは革の面積が大きいのでごまかしが効きません。

それを踏まえても、かなり良さげです。

 

コロニル1909

素晴らしい艶です。

いうことありません。

 

右も仕上げてビフォーアフター。

 

 

最近は3穴ブラッチャーがマイブームです。

最近、パレードグロス買いました。折角なんで、ソールに塗り込んでみました。Lytton’sのロゴが引き立って綺麗です。

グッドイヤーのヒールトップも削れは僅か。年代の割に、なかなかのグッドコンディションかと。

思わずキスしたい衝動に駆られますが、この手の感情は私だけではないですよね?

 

あらためて、内側はこんな感じ。クジラの尻尾みたいなソックシートの端の形状。古そうです。ファクトリーナンバーなどは見当たりません。

 

羽根の付け根はジャケットのD管留めみたいな補強のステッチが。アッパーとの接合部の切り返し部分も素敵です。あんまり見たことない処理です。

パーフォレーションも控えめですが、しっかりと効いてます。丁寧な作り込み。

 

再度、全景。

若干ヴァンプが短めです。あんまり短いのは苦手ですが、こいつはギリギリセーフかな。

US9ということで、大きいかも、と危惧しましたが、サイズ感も問題なしでした。

履いてみました。

 

Bウィズもややタイト目ですが問題なし。
ヴァンプが若干短い分だけ、履き口はやや広め。
なので、するっ、と脱げてしまいそうで、対策として長めの平紐に交換しました。

3穴目を2回通してしっかりきっちりと結びましたところ、いい感じに落ち着きました。朝足を入れた時よりも、夕方の方がフィット感が増して、かなり良い感じです。

恐らく、半世紀ほど前のペアかと思いますが、なかなかに素晴らしいクオリティです。このくらい古いペアなら、いつもなら避けて通る大きめで細めのサイズのモノもストライクゾーンに入ってくるようです。

どこのシューメイカーのモノかはいまだ不明。ですが、同じような靴探してもきっと見つからない。そんなやつです。

なので、結局、こいつは売りません。
素敵で、無敵です。
足元に置いておこう。

転売目的のつもりで買ったやつに限って、素敵なやつが巡ってくる。
今回も、よくあるいつものパターンです。
嗚呼、世の中、なかなかにうまくいかないものですね。

まあ、この手のうまくいかない、は、歓迎です。

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