こんにちは、ばしです。
6月の終わり頃だったかと思うのですが、
たまに足を運ぶリユースショップの雑多な靴コーナーに古ぼけたビンテージ靴を発見しました。見た目にかなり酷い状態ということもあり、税別1980円と価格的にもいい感じ。ただ、私には少し小さめサイズなことと、その後の7月にはもろもろ買い過ぎたこともあり、「8月になったら保護する」と決めておりました。
で、1ヵ月後。
ぼろさもあり、誰も手を出さないままで案の定売れ残っておりました。今回はそんな8月の1足目です。お盆休みの終盤から弄りはじめたのですが、あまりにも状態が酷くてもいつも以上に時間がかかりました。ということで、今回から3回続けてメンテの記録です。
こいつ。
Breather Wright
ロゴ、見えますでしょうか。うっすらとだけ残っております。こいつ、Wrightの「Breather(ブレザー)」ラインのペアです。最近あまり見かけなくなったな。
ちなみに、元はこんなロゴ・印字です。
大昔に拾ってきてとっくに転がしたペアのソックシートの写真です。この写真の記事でも書きましたが、ライト社の靴にはこの【Breather】のほかに【Cordwainer】【Whippet】そして単なる【wright arch preserver shoes】といった具合に様々なラインがあります。また、今現在も【E.T.WRIGHT】名義の比較的廉価な靴を製造しているらしい。
今回のおんぼろブレザー・ライト、サイズ表記は7.5C。25-25.5センチ相当でしょうか。私には少し小さいので「転がす専用」のつもりで拾ってきました。キレイにして、マーケットに戻そう。ただ、今回はどこまで綺麗になるか、少し不安です。なぜなら、
いやあ、ほんとにもう、
ひどい有様です。
ソールもトップリフトもオリジナルのままのようですので、それほど無茶な履き方をされたわけではないと推察されますが、
なんでこうなった??
この斑模様のアッパーを見る限り、
濃い茶部分は厚く塗られたワックスもしくはクリームの層で、明るい部分はワックスが無いがゆえに乾燥して白っぽくなってしまった、と、推察されます。
履き口パイピングにほころびがありますが破けはしていない。
中敷きの中央の「バンプ」と呼ばれる盛り上がりがライト社の靴の特徴なわけですが、マウンドの高さはかなり低くなっている。
ソールのへたりもそれほどではない。
その割に見た目の状態は酷い。思いますに、「足が小さい→小柄な方が多い→体重がそれほど重くない」ことが多い。レディス靴の傷みがメンズのそれより軽微なのは相対的に体重が軽いことが理由と思うのですが、その理屈を当て嵌めますと、このペアは状態はさほど悪くはないけれども、小柄な方にそれなりに履きこまれた靴、なのかもしれない。
どこまで綺麗に蘇るのか。
長丁場の作業のスタートです。
いつも通りまずは左から。で、
今回は左のペアの作業の途中までの記録です。
ステインリムーバー
アッパーは柔らかではありましたが、かなり乾いていたみたい。ぐんぐん吸い込んでしまい、汚れが落ちる以前の問題です。
薄い部分が濃くなって斑模様は改善されましたが、
旧いワックスはあまり落ちませんでした。
かなり手強そうな印象。
LEXOL
いつもの手順でレクソル投入。
アッパーの状態はあまり変わらず。といいますのも、ウエスはほんのり茶色くなる程度です。ただ、コバ周りはそれなりに汚れが落ちました。旧いワックスはこいつで撃退しよう。
RenoMatリムーバー
先程の写真とそんなに変わらないように思われるかもしれませんが、
これです。えぐいです。
まあ、見た目にこれですので、手強いことは覚悟の上とはいえ、
この写真↑が20:22分時点のものなのですが、
この写真↑は20:54のものです。30分も格闘してますがウエスの汚れはまだなくならない。
落ちた部分と残ってる部分、なんとなく手触りが異なります。
結局、40分近くこの作業を続けました。7月に買ったばかりのレノマット。開封はしていたもののほぼ新品状態だったボトルの中身も、この通り、かなり消費してしまった。
まあ、おかげでそれなりには落ちたような、
落ちたような、
落ちたような気もするのですが、
ほんとに落ちたのかな。アッパーが湿った状態なのでなんとも判断がつきません。右足も同様の作業となるわけですがその前に、乾いた時点での左足の状態を確認しておきたい。今日はここまで。
続きはまた明日。
(つづく)