こんにちは、ばしです。
ここ最近、具体的にはこの3週間ほど。
休日も含めて毎日プレーントゥばかり履いています。理由は「PTB-WEEKS」中だから。「今週は◎◎WEEK」なんて風にテーマを決めて日替わりで靴を履くことで、出番の少ないやつにも登板の機会を与えているわけです。まあ、手持ちの靴が百足を越えた状態では「出番の多いやつ」なんていないんですけどね。
で、3週間も毎日プレーントゥばかり履いてますと、どうせなら4週間履きたい、となるわけです。手持ちのプレーントゥは4週間分にギリギリ足りるか足らんか。うーむ、最悪、4週目は金曜までの5日間で手を打つとしよう。
そんな風に思い始めた矢先のことです。
ふらりと立ち寄ったセカストの雑多な靴コーナーで出会ってしまったのは、これまたプレーントゥなやつなのでありました。以前から何度も遭遇しながらもサイズが合わずに買いそびれていたやつ。今回はマイサイズであります。
Marbot
ソックシートには落書きが。その上にやや薄れてはいますが「Marbot」と書いてある。そう、「マルボー」。フランスの正規のオフィサーシューズであります。
「オフィサーシューズ」「サービスシューズ」。呼び名は違いますが要は同じです。サービスシューズは軍隊だけでなく警官や郵便局員など、公務員全般に支給される「官給品」です。
Marbotは百年超の歴史を誇るフランスを代表する老舗シューズメイカーで、今回のものとほぼ同じモデルの新品がネットで買えます。16000円前後が多いみたい。今も続く現役のシューメイカー、と思ってたのですが、2000年代に入ってブランドはクローズとなったらしい。その後、近年になってシューズデザイナー・竹ヶ原敏之介氏のもと新たなブランドとして再始動しているそうな。
ということは、
今回のは「旧マルボー」ということですかね。ユーズドのこいつは二千円でお釣り、新品の十分の一の値段でありました。で、安いからと言って特段不具合があるわけでもない。ラバーのソールもヒールも減りは僅かだし、アッパーにキズやダメージがあるわけでもない。
アウトソールの落書きの所為でマルボーだとわからなかったこと、そして、大半の人がマルボーなんて知らないこともあり、アンノウン扱いとなり安い値札が貼られた、と言うことかと思います。
サイズ表記は「41」。
EU41=UK7.5=US8.0=JP26.0サイズと思われます。ほかの数字はよくワカラナイ。製造年を示すものがあるとするならば「76」=1976年製か、そんな旧いか、どうだろう?と思ったらやはり違うみたい。
なんと右足には「77」と異なる数字が。まあね、左足が1976年12月で右足が1977年1月と年をまたぐようなことがひょっとしたらあるかも、ないかも。
内側。爪先までまだら模様が。恐らく、追加のインソールの跡ではないかと思われます。US8.0の僕にはインソールは不要でしょう。
前々から履いてみたかったんですよね。
3アイレットですっきりしたデザインがカッコよいかと。なので以前から気になってたんですよね。ラバーソールだし、雨の日用のペアとしては最適かもしれない。今後ずっと履くもよし、転がすもよし。メルカリで同等品のユーズドは7千円前後で取引されてるみたいだし、儲からなくとも損はしないでしょう。
早々に履き下ろすべくさくっとメンテしました。
いつも通りまずは左足から。
LEXOL
アッパーもコバ周りもすっきりさせよう。
ワックスが塗り込まれているっぽい。
RenoMat リムーバー
そんなときは強力リムーバーの力を借りる。
べったり、ではないけれど、それなりに。
リッチデリケートクリーム
保湿&栄養補給。
まずまず浸みた。
TAPIR レダーオイル
油分補給。
といいながら、ここでもワックスが結構落ちたようです。TAPIRのこのオイルは汚れ落としにも効果が絶大なのです。ギトギトには塗り込まず、油分補給は別建ててもうワンステップ。
プロペト
石油由来の白ワセリンで再度の油分補給。
潤うことで色が濃くなる。ワックス入れずとも黒くなる。黒くなれ。
と言いますか、乾燥気味だと白っぽくなるんですよね。これだけ黒くなればワックスは要らんでしょう。
右足も同じ手順でプロペトまで入れてみる。
向かって右、先に手入れした左足のプロペトはすでに浸透し始めたよう。このまま丸一日置いても良いのですが、この日は日曜日で午後から作業中。で、こいつは翌日の月曜に履き下ろすと決めております。20~30分ほど、このまま放置して様子をみよう。
その間に右上の赤茶をメンテです。
25分後。
赤茶にTAPIR投入したところ。こいつもこのまましばし放置が必要ですので、作業はMarbotに戻しましょう。赤茶については次回の記事でご紹介します。
さて、どんな塩梅かな?
先に作業を始めた左足はかなり浸透したみたいです。
右足は表面にまだかなり残っているっぽい。
左足はいい感じ。
もう、こんなもんで十分でしょう。浸透しきってない箇所もありそうですので、LEXOLで軽く全体の拭った上で仕上げました。
コロニル1909(ムショク)
いつもの万能クリーム投入。
まあ、こんなもんでよろしいのではないでしょうか。
右足も同じ手順で仕上げたらメンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
新品の平紐(55センチ)に交換しました。
【BEFORE】
【AFTER】
コロン、と丸っこい印象がチャーミングです。
なんだけれども、
とてもグラマラスなヒールカップ。ドッグテールとそこから合わせ目の両サイドを踵まで続くステッチが美しい。本格的な造りです。
とても実用的で「道具」であることに徹したペア。装飾は一切ないけれどそれでいて素敵な佇まい。靴に限らず「プロ仕様の本格ギア」もしくはそれに類するものには「機能美」と言えるものが備わっていて我々を魅了してくれる。ミルスペックのアイテムはそれも大きな魅力のひとつですね。
片足入れてみた。
おお、シンプルな羽根周り。かつ、羽根は閉じ気味が好みです。といいながらも、少し閉じすぎか。ていうか、ウイズ、結構大きいね。などと思いながら、
翌日月曜日。
早速履き下ろしてみた。このところずっとクルマ通勤でしたが、せっかくなんで電車で、かつ、駅まで15分歩いてみよう。
いつもより早く目が覚めて、いつもより早く家を出たら、外はまだ薄暗くてびっくり。青山通りを北上し青山町交差点を左折。西の空高くに月が輝いている。
さらに進んで振り返ってみれば、大阪の朝六時半の東の空にはまだ太陽は登っていない。昨日12/8(月)の日の出時刻は6:52とのこと。道理で。余談ですが、先ほどの中華料理屋のある青山町交差点からセカンドストリートまでの東西の道は試験的に「電線の地中化」が進められており、とてもすっきりした景色です。
セカストから5分歩けば近鉄八尾駅。
ホームへの上り下りではエスカレータを使わない主義です。あ、すみません、電車乗るの久しぶりです💦。なもんで、この時期の通勤で皆がどんな格好してるかわからなくて、とりあえずラヴェンハム羽織ってみた。
電車通勤といえば数年前、
古靴や駅のホームに便定時(びんていじ)
なんてダジャレ川柳もとい靴川柳を詠んだな(参考「靴川柳」記事一覧)。あの時の足元はSTUART HOLMES CUSTOM CRAFTED。がちなビンテージなやつでした。その点、今日の足元はどうなんだろう。
少し羽根が閉じすぎかな。
で、いつ頃の品でしょう?
ビンテージって言えるほど旧いのかそうでないのか。
左足が1976年12月製で右足が1977年1月製なんです、といったら、まあだれも疑わんですかね。ただ、あまりウソはつきたくはないので、
ネクタイはビンテージなやつにしといた。
まあ、こいつはそんな旧くないのかもね。ですが、旧そうだから拾ってきたわけではない。3穴のVフロントのサービスシューズ、と言うスタイルが気に入ったのでした。そういえば、以前1足仏軍もののサービスシューズを持ってたのですが、それも3穴だったな。
シューメイカー不詳の白いホワイトバックス(過去記事こちら)。こいつのタン裏には「ARMEE」との文字がありましたのでこれも仏軍モノと思われるのですが、「フランスのサービスシューズは3穴」という決まりなんですかね。まあ、カッケーんでそれでよろしいかと思うわけですが、
戻りまして、こいつのレビューです。
丸1日履いての印象はやはりウイズが大きめのようです。元からそうなのか履かれて伸びたのかは分かりませんが、フットプリントの感じからして恐らく当初の持ち主の足サイズは【US7.5E】もしくは【US7.5EE】あたりと推察されます。
次回は薄手の中敷き1枚足して様子を見てみようと思う。羽根周りの雰囲気も変わって見た目にさらに良くなるかも。とはいえ、困ったことに我が家は靴だらけ、履かないといけないやつらだらけです。次回の登板はいつになるやら。
なんだけれども、3穴のPTBってどんな格好にも合わせやすいし、ラバーソールなのがさらに気軽&気楽でよい。ここ数年の相棒である「ナナハンマーチン」と同等の扱いで良いかもしれない。休日にカジュアルな感じて履いてみる、スーパーに買い物行く時用の「スーパーシューズ」にするとかありかも。
赤茶も同じ運命を辿るのか。
まあ、それは僕次第。
(おしまい)
















































