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メルカリ☆パトロール(その2)

こんにちは、ばしです。

 

今回は新企画の第2弾です。

あ、2回目なのでもう「新企画」とは言わないかもね。「準新企画」でしょうか。まあ、どうでもいいわけですが。どんな内容かおさらいしときますと、

 

『メルカリの出品物の中で』
『私自身が気になる古靴を』
『その理由と共に紹介する』

 

というものです(「新企画予告編」参照)。

「広告」「提灯記事」はありません。「私が純粋に気になったもの」のご紹介です。で、あくまでも「私が」ですので皆さんにとってどうかは分かりません。「そんなのキョーミ無いね」ということも多々あろうかと思いますが、中には「おお、そんなやつもありかもね」といった具合に新しい扉を開くきっかけになるかもしれない。

今回の第2弾は、私がこのビンテージ靴の世界に足を踏み入れるきっかけとなったこちらのブランドから。

 

 

「Allen Edmonds アレンエドモンズ」

アメリカ大統領の靴ともいわれるアレンエドモンズ。1922年創業で、フローシャイムなどの著名なビン靴メイカーと比べると歴史は比較的新しいのですが、多くの米国靴メイカーが廃業や統廃合等の憂き目に会う中で、令和の今の時代も現役で本格靴を作り続ける米国メイカーです。

「米国製に拘ったメイカー」と書きたいところですが、・・・書けない。2016年12月、多くの靴ブランドを擁する「CALERES カレレス」に買収されたアレン。今もなお米国製の靴は作り続けてはいますが、最近は「インド製のアレンの靴」なんてものも流通し始めたようです。

インド製が悪いわけではないし、米国製以外はダメなわけでもないのですが、ビンテージ靴フリークとしては米国製に拘りたい。特に、資本関係の変更後は仕入れ先の集約などによりパーツの仕様が変更となり、(良くも悪くも)品質が従前とは異なっていくこともあるようです。

ということで、写真の「Seneca」と同じ「縦文字ロゴスタイル」以前、すなわち、2013年以前に製造された米国製アレンを日夜物色しております。そんな中から気になってるやつを3足ご紹介です。

 

 

 

【1足目】

https://jp.mercari.com/item/m11669457162

1足目は【MacGregor マクレガー】
米国ビン靴好きな人であれば誰もが一度は欲しいと思ったことがあるであろう靴の一つではないかな。かく言う私もずっと探し続けているモデルです。

セラーさん曰く「1960年代から1970年代に生産されたペアだと思います」とのこと。ちょうど半世紀前。私と同年代です。この時代のビンテージ靴はそれ以降と比べると品質は頭一つ上と言われてます。

かつ、スタイルもサイコーにカッコいい。

ゴジラみたいなシボ革。フローシャイムのブックバインダーコヴェントリーカーフと似てます(参考記事「Florsheim The Kenmoor 31131」)。

7アイレット。これぞまさに王道ビンテージといえるでしょう。国内・海外問わず常々ウォッチしておりますが、値段はどれもみな高い。その上、マイサイズはほとんど見かけない。

この個体は「9C」。この頃のペアはサイズ表記より少し小さめなことも多い。8.5Cくらいのサイズ感であれば、8.0Dの私の足にもそれなりにフィットするのではないか。ただ、アレンの靴は大きいものでも8.5までしか履いたことないんですよね。うーむ、どうしたものか。

しばし悩もう。

 

 

【2足目】

https://jp.mercari.com/item/m46477591320

気になるアレン2足目は、またまた旧めの時代のやつ。アレンに関しては新しめの年代である縦文字ロゴのペアでも十分にハイクオリティですので、特に旧さにこだわっているわけではありません。2足目のこのペアが旧めなのはたまたまです。

斜体ロゴ期。1981年以前、ということのようです。

写真写りがあまりよくなくてディテールがよくワカラナイのですが、文字はなんとか読めます。品番は0274。サイズは9B。またまた微妙な感じです。サイズとウィズの関係で言いますと、私の足にフィットするのは、

【7.5E】
【8.0D】☜  ジャストマイサイズ
【8.5C】
【9.0B】☜ 今回のこのペア
【9.5A】

ということになる。なので、9.0Bだと少し爪先に余裕は出来るかもしれませんが、幅はちょうどで許容範囲、かもしれない。そうでないかもしれない。ただ、そもそもなんでまたこの靴が気になったかと言いますと、

 

https://jp.mercari.com/item/m46005831624

すでにSOLDとなってしまったこいつ、今回と同じ品番0274です。【BALTIC バルチック】というモデル名なのだそうです。これがまたいつもとは一味違うアレンでカッコいいんです。特徴は2つ。ひとつは上の写真のとおり、爪先の紋章のようなメダリオン。もうひとつは、

とても個性的なサイドビュー。羽根周りの特徴的なメダリオンと、ロングウイングぽいけどロングウイングではないスタイルのこいつの踵付近は、

数学の「ルート記号」みたいな形状で跳ね上がってます。1960sのLWBとは異なる直線的かつ鋭角な跳ね上がり方です。SOLDのこのペアで見知って以来、ずっと気になっているアレンのモデル。ということもあり、

写真のアップで羽根周りを確認することで、ピンボケではありますがバルチックのそれであることを確認した次第です。

状態さえ悪くなければ、気に入った1万円以下のアレンは基本的に「買い」だと思ってます。今回のペアは8800円とお値段的には非常に魅力的なのですが、サイズと状態に未知な点があることでなかなか思いきれない。どこかで9Bのアレンを試着してサイズ感を確認した上で判断するのがいいのでしょうね。さてさて、それまで売れずにいてくれるのか否か。

まあそれは、運しだい、縁しだい。

 

さて、最後にもう一足。

 

 

【3足目】

https://jp.mercari.com/item/m94938923163

3足目のアレンは【Hillcrest ヒルクレスト】。かなり以前からウオッチしておりますが、コメント欄への書き込み等なく無風状態が続いているようです。

ソックシートの縦文字ロゴも綺麗に残ってます。1990s~2000s頃の比較的新しい年代のもので、それほど履きこまれてもいないと思われます。

サイズはUS7.5D。概ね25.5~26.0センチ相当です。サイズ感から言っても、探している人も少なくないはずなのにね。なぜそんな動きがないのでしょうね。なあんて白々しいことを書いてしまいました。

動かない理由はこれでしょう。

甲の両サイドに走る2本のステッチ。
そうです、こいつ「スワールトゥ」のアレンなのです。皆さんご存知でしょうか、スワールトゥ。よろしければ試し一度ググってみて下さい。

「お勧めしません」だとか「ダサい」だとか、どちらかと言えば否定的な記事が大変多いです。なぜそうなのかといいますと、今の日本におけるスワールトゥとは「ロングノーズが流行った時代の遺物」であり、「安物の靴に多く採用されたデザインであった」ことがその理由のようです。

このあたりのことは、私の最近のお気に入りの靴ブログ「まめの身づくろい」さんの記事に詳しいです。

実際にこのデザインがダサいかどうかはさておき、世の中の大半の評価がそうである中でこの靴を履くことはそれなりに勇気のいることでもある。なのに、なぜこの靴が気になるのか、なぜこの靴を買うか買うまいか悩んでいるのか。

それは、

このペアの存在です。

アレンのDickson ディクソン

ロゴもサイズもヒルクレスト同じこいつ。私をこの古靴の世界に招き入れた張本人です。ちなみに、普段はアレンも含めUS8.0Dがジャストサイズですが、こいつは爪先側が広めな木型のせいか、7.5Dでジャストです。

センターシームか、
あるいはツーシームか。

1本か2本かの違いは大きいわけですが、まあ、変わり種という意味ではどちらも同じと言えば同じ。どちらの顔もサイズも、私向けであるといえることは間違いない。並べて写真を撮りたくもある。

あと、もう一つ理由が。この靴を履いて宣う「靴川柳」をすでに一句、準備しております。どんな句かと言いますと、それは、、、まあ、それはその時が来たらそのときに。

 

 

☆★☆

 

 

【まとめ】

 

今回の記事を書くにあたりまして、

現時点でメルカリで販売中のアレンのペアを一通り眺めてみました。感想としましては、高価なものから手頃なものまで、数も種類もサイズもとても豊富なことに少しばかり驚きました。で、そうであるにも関わらず、日本では少し影が薄い、アレン人気は今一つな印象です。

 

理由は何か。

思いますに、ビン靴フリークにとっては、今も続くブランドということでビンテージらしさが足りない、とかかな。特に縦文字ロゴ期の後、2014以降から最近にかけてのモデルは人気薄な印象です。

新品を購入される高級革靴フリークの方の場合は、現行の新品を買うならアレンよりも断然オールデンがいい、というか、アレンはそもそも選択肢にすら入っていない、そんな人の方が多そうです。

オールデンを持っている、持ってないけど知っている、という人でも、アレンはそうではないという人が断然多い。であるのに、ユーズドでこんなに球数が豊富なのは、現行品とビンテージの両方が多く流通していることと、前提として企業規模が大きいゆえのことでしょう。

要は、会社がデカくて、今も昔も供給量が圧倒的に多い。あまり知られてませんが、同じ米国靴メイカーでもオールデンとは比べ物にならない企業規模を誇るのがアレンです。

で、旧いものが沢山残っているということは、それはすなわちクオリティが高いことの証左でもある。釘を一本も使わない頑丈な造りなのに柔らかな履き心地は一度履くときっとまた欲しくなる。リピートしがちなのがアレンかと思うのですが、昨今の海外ブランドと同様に新品は相当に高価になってます。

品質は折り紙付きなアレンですので、まだ一度も試したことのない方にはまずは手軽にユーズドのマイサイズをぜひ一度試して欲しいな。そんな風に常々思っているかなりのアレン・ファンの私であります。

 

なお、余談ですが最後に、

初回で取りげたカナダ製フローシャイム。

マクヘイル製ではないかと睨んでいたこいつですが、記事で紹介した翌日に売れてしまいました。タイミングがたまたま揃ったのか、あるいは拙ブログがきっかけなのか。定かではありませんが、秋頃には購入を目論んでおりましたこともあり、なんと言いますか、嬉しいような、悲しいような。まあね、きっといいことなのでしょう、そう思う次第です。なぜなら、

 

靴は履いてなんぼですから。

 

(おまいう)

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