こんにちは、ばしです。
一昨日の日曜日。
朝早く、靴が1足売れました。早速荷造りしてチャリンコでコンビニへ。近所のヤマト運輸の営業所が他の店に統合されてしまったので、最近発送はもっぱらセブンイレブンからです。その後、いつもお世話になっている関西資本のスーパー「ライフ」へ。昼ご飯を物色です。
と、その前に、折角なんで、ライフの斜め向かいのセカストをパトロールです。
日曜の大阪は朝から抜けるような青空でした。
店内には残念ながら目新しいモノは無かったのですが、替わりと言ってはなんですが、大変良い写真が撮れました・・・なぁんていいますと、手ぶらで帰ったように思われるかもしれませんが、そうではない。
こんなの拾ってきました。
チロリアンシューズ
ぼろそうに見えますがダメージはなし。で、こいつ、数か月前からずっと気になってたやつです。
300円+tax。そんな安いならとっとと持ち帰ればよかったのですがずっと様子見してました。そうこうしているあいだに夏が終わります。このままずっと売れないまま秋を、そして冬を迎えるのは不憫に思えてきました。
今日は午後から、9月の1足目をメンテの予定です。こいつも一緒に手を入れてやろう。ブログのネタも減ってきたことですし、持ち帰るにはちょうどいいタイミングかもしれません。
手を入れたら結構蘇りそうな予感です。そんな私好みなペアをなぜ、これまで持ち帰るのを躊躇していたかと言いますと、
じゃーん。読めますでしょうか。内側の印字、「22」とあります。そう、このペア、サイズが22センチなのです。こいつ、レディスのコーナーに鎮座していたのでした。私にはもちろん小さい。娘にも恐らく小さい。家内ならひょっとしたら履けるかも。
で、あらためて眺めてみて思いますに、こいつ、結構本格的なつくりなんですよね。
ギザギザのストームウエルト=ノッチドウエルトです。埃が溜まってますが、コバの糸は2本です。ノルウィージャン製法、なのでしょうか。モカ縫いの切れ端も波波な形状でとてもグッドです。
踵周り。履き口はダブルステッチです。
ラバーなソールも本格派っぽい造形です。ディテールは異なるみたいですが、ぱっと見の本格派っぽいスタイルはまるでパラブーツ・ミカエルのようです。
こいつ、一体何者かといいますと・・・、
MIKI HOUSE COLLECTION
そう、子供服メーカーの「ミキハウス」のペアなのです。22センチ、ということなのですが、これはキッズ向けのペアなのでしょうか。あるいは大人向け?
余談ですが、
ミキハウスの本社は私の住まう地元、大阪府八尾市にあります。スポーツ支援などにも積極的で、八尾市内にスポーツクラブや施設もあり、特に卓球は全国から若い人が集まって、全国、世界を目指して頑張ってるみたいです(同社ホームページ)。
で、ホームページの沿革によりますと、
「ミキハウスコレクション」というのは1987年にスタートしたブランドラインらしい。今も続いているのか否か、まったく不明です。我が家の子供たちはすっかり大人になりました。孫はまだいません。なので、最近の子供服のことはヨクワカラナイ。なのですが、今回のペア、子供靴とすればあまりに手が込んでいるとの感想です。
こいつ、一体いつ頃の時代の品なのでしょう。1987年以降なわけですが、「1987年」といえばバブル景気真っ只中です。景気が良かったあの時代のモノのようにも思えますが、どうなんでしょう。
あらためて内側の印字。「9255」「9」「キ22」その後ろは読めません。子供靴にこんな印字なんて普通ないですよね。で、そもそも、子供靴にレザーライナーなんてのもあまり聞いたことありません。
爪先までレザーライナー。で、甲部分は一枚革でアンラインド。ソールですが、、、あれれ、縫い目が見えます。マッケイ?
先ほどの写真再掲。
やはりコバにちゃんと縫い目が2本あります。仮に、2本のうち1本、ノッチドウエルトのほうはイミテーションだとしても、もう1本、出し縫い糸はちゃんとあります。
このペア、ブレイクラピッド製法なのでしょうか。子供靴にそんなの聞いたことないですし、やはりこれは子供服ブランドの大人向けラインのペアなのでしょうか。あるいは、しっかり手を掛けた子供向けアッパーライン(笑)の品なのでしょうか。もう、なんだかヨクワカラナイ。
ブランドは明らかなのですが、それ以外はワカラナイことだらけなもんで、「アンノウン~」なんてタイトルにしてみました。
まあ、分からなくてもいいや。日曜午後の遊び相手にと拾ってきたペアです。詳しいしいことは後回し、まずはメンテです。
いつもどおり、まずは左から。
ステインリムーバー
ボトルが映ってませんが、左をステインリムーバーしました。
色落ちしてますし、埃っぽいですが、ワックスの類はほぼ皆無。
LEXOL
コバ周りのホコリを歯ブラシでしっかり除去。
モカの縫い目も同様に掻き出す。
おお、だいぶスッキリしました。
写真の印象どおり、アッパーの革質は結構肉厚です。ただ、硬くはない。結構柔らかいです。
リッチモイスチャー
乾燥した感じは皆無だったので、デリケートクリームは割愛しました。
お、なんかいい感じです。
TAPIR レダーオイル
オイル入れました。
うん、いい感じではないでしょうか。15分ほど時間を置いたら。
コロニル1909(黒)
モカ部分が色抜け気味ですので、黒のクリームもいれましょう。
カカトのウエルトもこんな感じで表面が削れてます。ここにも黒を入れます。
爪先のコバ周りも同様に。モカの白いステッチは白のままで。
右も同様にメンテして作業完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
おお、すっきりしました。おんぼろい靴は好きです。自分が腕利きのシューケアマイスターのような気分にさせてくれます。
モカとウエルト周りがとてもチャーミングです。
【BEFORE】
【AFTER】
うん、この靴の本来の素敵さ加減が蘇ったような。
コバのステッチは2本です。こいつ、ノルウィージャンなのでしょうか。そもそも、ノルウィージャン製法って内側にマッケイみたいな縫い目って存在しうるのでしょうか?あるいは「なんちゃって」なのでしょうか。あんまり詳しくないんですよね。気になる。
ソールも綺麗にしました。使用感ありますが、8割方残ってる印象です。
甲の革、分厚いです。で、内側、中敷きもしっかり除菌を施しました。いつでも登板OKです。
まあ、小さくて登板はかなわないんですけどね。どうせならマイサイズならいうことなかったのすが、履けないものはしょうがない。娘の足元にどうかと思うのですが、サイズ合うのでしょうか。彼女のヘビーローテーションであるマーチン(UK4サイズ)と比べてみよう。
あ。ダメですねこれは。娘には無理っぽい。
よし、これならどうだ。
娘には小さく、家内はオーケーだったフィン・コンフォート(EU36=23m)。全長は同じくらいですが、やはり左の方が大きいです。
家内ならなんとか履けるかも。と足を入れてもらったのですが・・・。
だめでした。
素足でもややタイトとのこと。やはり表記通りの「22㎝」。マーチンなら「UK3」くらいのサイズ感のようです。ああ、残念。
そんな、今回のチロリアンシューズ。
調べてみましたところ、ミカエルはコバの縫い目が白でモカ部分は黒のようです。今回のペアは逆です。まあ、日本で企画されるチロリアンシューズはミカエルを意識したものになるんでしょうね。
22センチと小さめサイズのものとは思えないディテールです。分厚く柔らかなアッパー、革質も悪くない。
おおー、グッドです!この角度からのキミが一番素敵です!
あ、いや、「キミ」ではなく「ミキ」なんですけどね。ともあれ、適度にデコラティブな印象で、ミカエルにも負けないくらい素敵です。
さてさて、こいつ、どういう靴なのでしょうね。
年代、製法、メイカー、何も分かりません。転がすつもりなのですが、レディス/キッズ向けの中古ですので、売れたとしてもせいぜい2000円くらいでしょうね。ただ、このまま手放すにはわからぬことが多すぎる。喉に小骨が刺さったままみたいで気持ち悪いです。ミキハウスさんに問い合わせてみようか。何かわかるでしょうか。
メンズも作ってなかったか、ついでに訊いてみよう。
(おしまい)