ネイビーのセミブローグ

こんにちは、ばしです。

 

季節は春。

入学式。入社式。人事異動に引っ越しと何かと動きのある季節なわけですが、我が家も同様です。つい先日、独り暮らしをしていた娘が戻ってきました。昨年秋から彼女の部屋を靴メンテの作業場として拝借しておりましたが早々に返すことに。

そう、季節は春。

このところ日差しも暖かくなってきて、私の古靴弄りも屋外に場所を戻すにはちょうど良いタイミングです。折角なので、春らしい色目の靴をメンテナンスしよう。

 

日曜日午後の遊び相手はこいつ。

ネイビーのセミブローグ。

またの名をパンチドキャップトゥ。前者が英国式な呼び方で後者は米国式、と、認識しておりますが間違ってないですよね。「思い込み」なんてことがたまにあったりして、時折不安になる。

こいつはセミブローグ。
英国式に呼ぶ理由はこれ。

TOSHINOSUKETAKEGAHARA

とあります。そう、竹ヶ原敏之介。「foot the coacher」「FOOTSTOCK」「SPECTUS」でお馴染みの同氏の名を関したラインの品です。竹ヶ原氏はTricker’sの工房で職人として働いた経歴をお持ちだそうなので英国式にセミブローグと呼ぶことにしよう。

値札には「nano uiniverse」。

ナノユニバース向けのペアなわけですが、竹ヶ原氏関連の本格靴としては値段はかなり安かった。3月に北摂・三島エリアを巡った際に拾ってきたのですが、北摂が他エリアより物価が安いわけではない。別に、ちゃんとした理由があります。

コバ周りが汚いから、ではなく、

ハーフラバー済だから、でもなくて、

そのハーフラバーに広範囲にダメージがあるから。であります。

ソールにダメージはないのですが、見た目にはよろしくないですよね。だから安い。そんなやつはお買い得です。サイズもUK8Eとまあなんとかなりそうなんでゲットして参りました。

このペアが素晴らしいことは実感済です。
といいますのは、以前別名義の同じスタイルのペアを持ってました。

こいつは「FOOTSTOCK ORIGINALS」名義でした。ええ、過去形です。だいぶ前に手放しましたが、兎にも角にも格好良いスタイルであります。黒のこいつは息子用にと購入しましたが、

ネイビーのこいつは自分で履く用です。

実はこの春から息子も社会人デビューしたのですが、メーカー勤務で本人は技術屋ですので普段はユニフォーム(作業着)らしく、レザーソールの、かつ、ネイビーの革靴の必要性はかなり低いみたい。まあね、要るというなら、履きたいというなら譲る。ハナからつもりなわけですが、恐らく当面は要らなさそう。

であれば、なので、このフレッシュな4月に私が履き下ろそう。
なんだけれども、

青のトーンが明る過ぎるかな。

いくらドレスコードの緩い職場(実は私ひとり好き勝手してるだけ)とはいえ、もう少し濃いネイビーの方が嬉しいかな。明るい色目が憚られるという訳ではない。このままの色目だとジャケパンにネクタイのチョイスが難しい。ということで、少し暗めなネイビーに色替えをすることにしました。

いつも通りまずは左から。

 

 

LEXOL

汚れ落とし。

水分が染みて少し色濃くなった。

 

 

デリケートクリーム

スタンダードプロダクツのデリクリを投入。

しっとり艶やかでとてもいい感じです。

 

 

コロニル1909(黒)

やや明るい青に黒を塗り込んでみる。

ブラシで均一に、一度に沢山ではなく、

、薄く何度も押し込むように塗り込む。

コバ回りの色剥げ部分にも黒のクリーム。

しっかり塗り込んだら、

5分ほど放置。

なんとなく浸透したらウエスで磨き余分なクリームを拭き取る。

おお、ウエス、思ったよりも黒くなりました。

拭き取り後。

まあまあ黒くなった。
さて、最後にもうワンステップ。

 

 

サフィール・ビーズワックス(黒)

爪先にだけビーズワックス。

ネイビーがナスビーになった。

元の色目が分かるようタン部分は黒は入れないでおこう。

右も同様の手順で黒を入れたらアッパーの手入れは完了です。

 

さて、最後に、

剥がれて元のレザーソールがむき出しになったハーフラバー。なぜ、どうすればこんな風になったのかは分かりませんが、見た目にもみすぼらしいので応急手当しておこう。

以前買った黒い接着剤の残りを使います。

剥がれた面にたっぷりと垂らして、

刷毛で均一に、全面を覆う。凸凹があっても別に構わない。底ですので見えませんし、盛の濃淡があっても歩いてるうちに削れてなだらかになるでしょう。

完全に乾くには丸一日ほどかかるかも。ですが、2時間ほどで表面は固まりました。紐を通したらメンテ完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお、かなり黒っぽくなりました。
茄子の浅漬けが古漬けになった感じ。

 

 

【BEFORE】

【AFTER】

紐も少し細めのきれいめな奴に交換しました。

ネイビーからナスビーに。

これだけ黒っぽければ仕事でも履きやすい。誰も私の足元がネイビーだとは気づかないでしょう。

試してみよう。

 

 

昨日早速履き下ろしてみた。

UK8Eと思しきサイズは私の足にはややゆとりあり。ですが、中敷きを足すほどでもありません。爪先側にゆとりがあるつくりなのですが踵側は比較的コンパクトなつくりで、「US8.5E/C」のコンビネーションラスト、といった印象です。

いや、そうであればこいつの「8E」というのは「US」表記なのでしょうか。であるなら「パンチドキャップトゥ」と呼ぶべきか。うーむ。どっちでもいいや。

 

色目はといいますと、

どうでしょう?

当初の明るめの青の色目ならパンツは黒を合わせるのですが、この日はグレーにしてみた。このペアは「黒い靴」として扱うことにしました。この距離であればそうと明かさない限り皆黒い靴だと認識しそうです。

ただまあ、近くで見れば真っ黒ではない。
なんだけれど、そんな微妙な色目が好みです。靴下は黒ではなくパンツと同色のほうがよかったかも。次はそうしよう。

この日のネクタイはウサギ柄。ちびっこの受けを狙おう、との趣旨ではありません。手持ちのネイビーのネクタイの中でこいつが靴に一番色目が近かったので。卯年に締めようと買ってきたのに出番がないまま年が替わりそのままになってたのですが、お陰で今回ようやくの初登板。

確か2百円くらいで拾って来た中古なやつ。「アイスバーグ」って、なんかその昔に聞いたことあります。今も現役のブランドなんですかね。冷たいハンバーグみたいな名前がクールです。

 

そんなこんなで、

紐靴2足にローファーが1足。

今回のペアでネイビーは3足になった。
どれもネイビー。なんだけれど、微妙に色目が異なります。どれがどうということはなくどれも素敵です。

どこの何者かと申しますと、

左はWHダブルエイチ
右はリーガルイーストコーストコレクション

たまたまですが、3足とも日本製です。ネイビーの「若々しい」「きちんとした感」が日本人好みだから、なのでしょうかね。あ、いや、

右のリーガルは元は茶色でした。シミが酷かったので色を剥がして塗り直したのでした。

いわゆる、「自分でパティーヌ」ってやつです。こいつは「ネイビー」ではなく「瑠璃色」と呼ぶようにしてます。

まあ、どれもネイビーかな。

ネイビー・シューサークル。

やってみたけど、3足だけだと寂しいね。あと2足買って5足にしたら、シューサークルも様になるだろうし、「ネイビーの靴WEEK」なんてことも出来て良いかも。なんだけど、ネイビーの靴ってそんな出番は沢山なさそうなんですよね、3足で十分かもしれない。けどやはり足らないかもしれない。

どうするか、

しばし考えましょう。

 

(おしまい)

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