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NICOLEのブラインドブローグ(Mコロ⑤)

こんにちは、ばしです。

 

セカスト等で二足三文扱いの靴の中から素敵なやつを見出し、メンテナンスして本来の姿に整えたうえで次の持ち主を探す活動それが「Mコロ」。「MOTTAINAI やつをコロコロ転がすPROJECT」の略です。

持ち帰ってきてメンテした後、転がすか否かの判断基準は何かといいますと、いたってシンプルに「マイサイズか否か」であります。マイサイズは一旦はステイとする。大きめサイズでも、中敷き追加で調整可能なものは同様に一旦ステイ&自分で履くこととなる。なもんで、「Mコロ」扱いのペアは往々にして小さめサイズのものが多い。

参考「Mコロ」記事一覧

 

実際、セカストパトロールで遭遇する「爺さんが若い頃履いていた」ような旧い年代のペアは24.5とか25.0など小さめサイズのモノも結構多い。なもんで、レディスコーナーに紛れてることもあったりして。まあ、昔の人は足のサイズが今よりも小さい人が多かったということですね。

素敵なやつでマイサイズであれば履きたいわけですが履けない。そんなやつは、であるならば、保護して、せめてメンテナンスだけでも楽しませてもらおう。で、うまく行けばメンテ代金載せて転がして、儲けた金でまた古靴を買おう。

「Mコロ」なんてタイトル付けする以前から同じようなことをずっとやってきているわけですが、十年ほど経過して、対象となる靴の年代は二十年くらい新しくなったような気がします。具体的には、当初は1960-70s頃だったのが今は1980-90s頃すなわちバブル経済期の品が多いように思う。

その頃=バブル期の日本製の品は相対的にクオリティの高いものが多い。で、旧いという理由だけで高品質なモノがとても安かったりもする。そんな奴に遭遇しますと、最近は大脳で考える前に脊椎で反射的に反応してレジへと向かってしまう。これもまたヒトとしての進化の過程、なのでしょうか。

 

 

 

NICOLEのブラインドブローグ

DCブランドの二コルのペアです。

今は亡きブランドも多い中で二コルは今も現役のブランドです。そんなやつは旧いのか新しいのか年代がよくわかりません。今回のは「L・I SHOES COLLECTION」というラインのようです。そんな旧くないのかも。とはいえ最近のモノではないようなそんな気もしますが、まあ、年代はさておき素敵なやつです。

何が素敵かと言いますと、

このデザインが素敵かな、と。

爪先は「W」の真ん中の山が低くラウンドしたブラインドブローグスタイル。なんだけれど、すべてがスムーズレザーではなくパンチングレザーとのコンビとなっている。

踵周りの以上も特徴的です。BIGIなどのDCブランドが1980年代にロカビリーを意識したものをリリースしていたようですが、その流れを汲みながらも同じ年代ではないのかも。そのあと、1990年代くらいのように思える。あ、根拠はありません。

分厚いダブルソール。

相当に張り出したコバと、そこには出し縫い糸。

アウトソールにも縫い目が走ってますが、

内側にもがっつりと縫い目が。
ブレイクラピッド製法なのか、そうと見せかけてコバの縫い目はイミテーションでただのマッケイ製法なのか。よくわかりませんが、後者のような気もしなくもない。

まあ、いずれにしてもかなりボリューミーで丸っこいフォルムでありながらも質実剛健、がっちりし造りのペアです。みすぼらしく見える理由はこの色目の所為ではないかな。乾燥して、茶の色が薄く白っぽくなってしまっているのではないか。潤いを取り戻したら雰囲気がガラッと変わるかも。やってみたい弄ってみたい、とのことで持ち帰ってきました。

やってみました。

 

LEXOL

いつもの汚れ落とし。

しみしみ。むらむら。

 

RENOMAT

どうせなら万遍なく浸みさせたい、ということで、強力リムーバーを全体的に塗布。

あまり変化なし。

 

 

デリケートクリームもどき

水分補給。

全体的に浸みやすくなったような。

 

 

クリストフポーニー・レザークリーム

油分補給。

今回のメインイベントが油分補給です。水分はすぐに蒸発しますが、油分が蒸発するのは時間がかかる。その後、馴染めばいい塩梅の色目になります。今回もきっとそうなるのではないか。

左右ともに同じ手順でオイルまでの工程をこなす。

最終的には2度塗り重ねました。これでむらなく均一にオイルアップできることでしょう。このあとほかの靴のメンテで小一時間オイルを浸透させてみた。

どうでしょう?

オイルのギラギラ感が落ち着きました。ほんとは翌日まで時間を取ろうかと思ったのですが、思いのほか馴染んだようなのでこのまま仕上げます。

まずは、LEXOLで余分なオイルクリームを除去。

いい雰囲気になってきたように思う。
さて、仕上げていきましょう。

 

 

コロニル1909(ムショク)

いつもの仕上げ用クリーム投入。

自然な光沢。ですが、もう少しギラリと光らせたほうが雰囲気良いように思う。ということで、この後、トゥと踵のスムーズレザー部分にサフィール・ミラーグロスを入れて、メンテ完了といたしました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

色が濃くなって随分雰囲気が変わりました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

爪先もいい感じで光ってます。

 

【BEFORE】

【AFTER】

色目は個々の好みの問題ではあるのですが、ヌメ革によくある薄茶色ってなかなかに履きこなすのは難しいようにも思える。

コバの貼りだした分厚いソールにはこのくらい濃い目のアンティークな色目の方が雰囲気が出ていいのではないか。まあ、転がすわけですので、好みの押し売りしてもしょうがないわけですが、本来の色目はこちらの方が近いのではなかろうか。だって、乾いてたし。

鈍く光ったトゥとパンチングレザーのコンビネーションが美しい。

濃い色目の靴紐もいい感じに馴染んだ。

ウイングチップなんだけれども、Uウイングぽくもあり、独特なデザインです。アールヌーヴォーぽくもあり、クラシックでもあり、何より無国籍な雰囲気。これぞジャパン・ビンテージ。これぞDCブランドのなせるデザインではないかな。

こいつ、24.5-25センチ相当です。

マイサイズでないのが悔しいですが、これで26センチ相当だとボリューミー過ぎてまた雰囲気変わるかもね。このデザインが映えるちょうどよいサイズ感、なのかもしれない。

てなことで、転がそう。

 

【AD】NICOLE ブラインドブローグ 24.5〜25センチ

 

メルカリで5千円で出品してみました。果たして売れるのでしょうか。サイズ合う方、よろしければ履いてやってください。値引き交渉可です。シューツリーは付属しません。

 

(おしまい)

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