こんにちは、ばしです。
売りに精を出す6月。
のはずが、実際のところは「売り」も「買い」も、どちらもそれほど精は出ていません。そのペア、ほんとに手放してよいのか? 十分に検討し尽くしたうえでのことなのか? 勢いで転がして後悔しないか? ということで、手持ちのペア1足ずつ、今後の扱いを検討することにしました。まあ、週末ごとに古靴と戯れる時間の過ごし方には何の変化もないんですけどね。
日曜日はこの6足、まとめてメンテしました。
こいつら。
Long-Wing Bluchers
手持ちのロングイング6足。左上から時計回りに、
Stuart Holmes custom crafted
Allen Edmonds Cordovan MacNeil
Florsheim Royal Imperial Kenmoor
Unknown Longwing
Florsheim Imperial Quality kenmoor
布タグRegal Imperial Grade
蛇足ですが、「ロングウイング」とは、W型のトゥの切り返しの両端が踵にまで伸びるスタイルのペアの総称です。主にUSメイドのペアに見られることが多い。
そうそう、こんな感じで踵まで一直線。ちなみにこいつは布タグREGALのサイドビューです。で、今更ですが、ようよう見てみたらストームウエルトが360度ではなく、踵周りだけありません。270度、です。英国っぽいスタイルと言えますが、こいつは米国ブラウン社の技術指導のもと作られた日本製です。
で、どのペアも、前回いつ履いたのか、いつ手入れしたのか記憶が曖昧です。まとめていつもの手順でメンテしました。
ステインリムーバー
あまりワックスは使わない質ですので、布が真っ黒、真っ茶、ということはありませんが、それでもそれなりに汚れていたり、埃がついていたりするもんですね。
STUART HOLMES。Wの端が踵付近で上に巻き上がっています。1960sによくみられるデザインです。で、巻き上がった隙間スペースに汚れが・・・。あとで綺麗にしましょう。
LEXOL
歯ブラシで、コバ周りだけ綺麗にしました。ところで、LEXOLですが、もっと小さなボトルタイプのも売ってます。たまたま大容量の安いのを見かけたので今はこれなのですが、正直大きすぎて使いづらい笑。
アンノウンなロングウイング。こいつも踵で巻き上がるスタイルです。あ、こいつもストームウエルトが360度ではない。まあ、こいつは紛れもなくUSメイドです。なぜなら・・・。
ハウス型ユニオンスタンプつきです。アメリカの労働組合に加入しているファクトリーで作られた証左です。ナンバーが読み易くなればと、ついでにLEXOL投入してみましたが、あまり変化なし。
3桁の数字なのですが、うーん、相変わらず読めません。まあ、焦らずに行きましょう。
RenoMat リムーバー
強力リムーバー。のはずが、今回買った分は以前のよりも使い心地がマイルドになったような気がします。なもんで、がしがしと強めに使ってみました(コードバンマクニールには投入してません)。
ロイヤルインペリアルのサイドの切り返し。
汚れがたまってそうです。
歯ブラシでがしがしやってみます。
やはり以前ほどの強烈な色落ちはしなくなったような気がします。まあ、すっぴんにはしやすくなり、手軽に使いやすくなっとのかもしれませんね。汚れ落としはここまで。
デリケートクリームもどき
100均のヒト用クリームで保湿。これもマクニール以外の5足に投入。
次いで、
ブートブラックリッチモイスチャー
値段高めのやつでさらにもっちりと保湿。今回はマクニールにも投入です。
なんだか、艶が増したような気がします。仕上がりが楽しみです。
TAPIR レダーオイル
油分補給&保革。必要があるのか、効果があるかは知りませんが、少し時間をおいて浸透させましょう。おまじないです。で、この間にソール周りをメンテ。
ソールトニック
ロイヤルインペアリルのソール。あ、穴が。ええ、修理しないといけないんですが、たまにしか履かないんで、ついついさぼってしまってます。ついでTAPIR投入。
あ、これはSTUART HOLMESです。ソールにもオイル入れちゃおう。で、いつもはこの後、パレードグロス(ムショク)を指で塗り込むのですが、数が多くて大変そうなんで効率化です。
ブラシに直接とって塗り込みます。
こんな風になりました。
で、最後はアッパーと同じように、磨く。
ソールの手入れ方法としてこのやり方が正しいのかどうかは知りません。私の場合、なんとなく気づけばこんな手順になってました。
メルカリで売り出し中のリーガルもこの通り。
おー、ピカピカです。底をKIWIのムショクで光らせるのは、二十歳のころからずっと変わらぬ手順です。ソールが綺麗だとなんとなく嬉しい。こいつ、メルカリで出品中なのですが、今月中に売れなきゃ取り下げて自分で履こうかな。
なんてったってこいつ、布タグ仕様の古いやつなんです。増えすぎた靴の絶対数を減らすにあたり、日本製から優先的に出品してきたわけですが、この布タグと個体としての状態の良さ等を考えると、手放すべきか否か、非常に悩ましいところです。
そのほか、コバ側面にコバインキ入れたり黒のワックス入れたりしてソール周りは完了。最後にアッパーに戻り、コロニル1909入れてブラッシングしたらメンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
艶やかになって、引き締まったでしょうか。
個々に見てみましょう。
STUART HOLMES
↓
靴紐、ロイヤルインペリアルのとチェンジしました。
ALLEN EDMONDS MACNEIL
↓
おお、いい感じです。リッチモイスチャーのおかげでしょうかね。
ROYAL IMPERIAL KENMOOR
↓
紐はチェンジして正解だったように思います。自己満足ですが。
下段の黒3足
↓
3足とも黒の深みが増したような。中央のKENMOOR、紐の通し方を間違えました。まあ、そういうときもありますね。で、コバ周りの小傷が気になっていたのですが、すっきり綺麗になりました。
↓
うん、いいのではないでしょうか。アッパーがきれいでもコバ周りが汚いと台無しですからね。パレードグロスの黒を入れて、しっかり磨き込みました。
底もコバ周りも綺麗になりました。これで、いつどこに出しても恥ずかしくありません。で、やはりというかなんというか、上段中央のマクニール、コードバンのこいつだけが異彩を放っています。
先ほどの繰り返しになりますが、今回初めて投入したブートブラックリッチモイスチャーの効果が素晴らしいように思います。艶感と色の深みがグンと増しました。このペア、右の艶感の方が良いんですよね。左にだけ追加投入してみようかな。ほかのコードバンでも効果のほどを検証してみよう。
ロングイング6足。再度、記念撮影。
6足まとめて、作業時間は約3時間。ちょっと疲れました。6足一度に、は多いかもしれませんが、複数のペアを1足ずつ順に、ではなく、各手順ごとに流れ作業で進めるのは非常に良いかも。
手順と手順の間が適度に時間が空きますので、クリームやオイルが浸透する間を持てます。まあ、そう思えるだけで実際の効果のほどは分かりませんが・・・。
で、悩みは、左下のリーガルをどうするか、ということと、右下のアンノウンが何者か、ということ。そして、6足だとロングウイング・ウイークができない、ということです。
なぁんて思っていたら、、、。
あ、すまん、君の存在を忘れていた。
雨の日が晴れの日なgo-getter。
今日は天気良かったしね。
もう暗くなり始めたし、またの機会にね。
お疲れさん。
(おしまい)