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R.U. shoes, made in Kobe

こんにちは、ばしです。

 

平日のランチタイムのリユースショップ。

人影はまばらです。当たり前です。まあ、場所にもよるのでしょうが、私の職場近くのセカストはそんな感じ。5月のある日の昼休み、カレースタンドでさくっと昼飯を食べた後、ふらりと覗いてみました。

こんなの見つけました。

 

平べったい顔ですが、画像は加工してません。で、手入れ不足な状態にも関わらず、柔らかで肌理細やかな雰囲気が伝わってきます。

垂直に立ち上がったブダペスターっぽいトゥ。

VASSっぽい雰囲気のロゴ。

靴の内側、底に縫い目。製法はマッケイです。グラマラスなヒールカップには小さな穴。釣り込まれた跡です。

ヒールには僅かですが化粧釘。なんだか東欧靴みたいな印象です。

で、ソールにサイズ表記あり。

「37」とあります。そう、このペア、レディスサイズのペアです。レディス靴コーナーに税込990円の値札とともに鎮座しておりました。自分の靴だけでなく家内や娘の靴も買って拾って帰る私。最近は、勝手に買って帰るとしばしば叱られる(特に娘に)のですが、こいつは相当に素敵な雰囲気です。これなら褒められはしても叱られることはないな。と、迷うことなくゲットしました。

クオリティは結構高そうですが、どこの何者でしょう。

調べてみましたところ、こいつ、ジャパンメイドのペアだそうです。

 

 

R.U.(アールユーシューズ)

四等分に区切られた菱形の紋章。左上に「R」、右下に「U」、とあるのをなんとか判読いたしました。RとUを手掛かりに検索してみましたところ、すぐにそうと分かりました。2000年に神戸で始まったハンドメイドのレザーシューズブランド、その名もそのままに「R.U.」。

運営会社のHP

なかなかこだわりのモノづくりをされているそうで、お値段も結構いいみたいです。今回のペアは、「GENERALシリーズ」の「Anon(アノン)」というモデルらしく、お値段なんと¥46,000+tax。

参考「暮らしとおしゃれの編集室」の記事

まあ、妥当なのかどうかはよくわかりませんが、廉価品でないことだけは素人目にもわかるなかなかの逸品かと思われます。ま、だから拾ってきたんですけどね。

 

問題はサイズです。

「EU37」=「US6」=「UK4.5」=「JP23.5」。娘のお気に入りのマーチンはUK4です。今回のはやや大きいかも。ですが、なかなかに素敵なペアです。転がすには惜しい。中敷き入れて調整して履かせよう。

と、その前に、まずは儀式です。
いつもの手順で、いつも通り左から。

 

 

ステインリムーバー

リニューアルした新しいデザインのモウブレイで笑。

乾き気味ではありましたが、ワックスの類はなし。

 

LEXOL

コバ周りをしっかりと掻き出す。

トゥが少しばかり削れています。手当せねば。

 

デリケートクリームもどき

DAISOのヒト用クリームをたっぷりと。

艶感が増しました。

 

ブートブラック リッチモイスチャー

もっちりになるやつ。先日2本目を購入しました。

塗布した直後は、「もっちり」といよりはむしろ「ねっちょり」となります。

 

TAPIR レダーオイル

正しくは「レーダーオイル」だそうです。ドイツ語「レーダー」、英語「レザー」。日本語「革」。

油分補給に保革目的ですが、前工程で取り切れていなかった汚れも除去してくれます。

オイルを入れた後は、本当は丸一日くらい置くのがいいみたいですが、面倒なので時間短縮、15分ほど置いてから最終ステップへ。

 

コロニル1909シュープリームクリームデラックス(ムショク)

いつものクリームで仕上げ。

元々ダメージはありませんでしたし、状態も悪くはなかったですが、ま、すっきりしました。

右も同様の手順で、なのですが、その前に。

靴紐。乾いて、茶が白っぽくなってます。折角のペアなのに、これでは安っぽく見えかねない。

TAPIRレダーオイル専用のウエス(元はTシャツ)。しっかりと油が染み込んでます。こいつで靴紐をしごきます。

左:BEFORE、右:AFTER。いい感じに色濃くなりました。古びた茶の靴紐はしばしばこの手法で綺麗にします。水を含むと同じように濃くなりますが、乾くと元に戻ってしまいます。その点、乾燥のしづらいオイルで湿らせてますので、この色目が長く続きます。

さて、右もメンテして、紐も通し直して、作業完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

ツリーを入れることでシュッとしますね。甲高の人のほうが綺麗な形で履けそうです。

 

【BEFORE】

【AFTER】

ソールも綺麗にしました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

とても肌理細かで、柔らかで、綺麗な発色のアッパー。イタリア製のカーフとかでしょうかね。良くわかりませんが、アンティークっぽいいい味出しつつもとても上質です。革靴女子の足元には大変おさまりが良さそうです。

 

アッパーはこれでオーケー。あとはソールです。

やはり先程のトゥの削れがやや気になる。そしてまた、薄くて華奢なシングルのレザーソールは、今のところダメージはありませんが、このままではヘタるのも早そうに思えます。事前に手を打っておいたほうが良さそうです。

 

てなことで、

BONTAさんでハーフラバーしてもらうことにしました。

素敵な、何よりレディスの靴ですので、ハーフラバーもひと工夫、切り口をラウンドにてお願いしました。

おお!

なんだかデフォルトみたいです。

見た目にもエレガント。素敵に仕上がりました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお、大変よろしいです。爪先がこれ以上削れる心配もなくなりました。薄いシングルソールのままよりも、インソールでクッション性も増した分、歩き心地もUPしたかと思います。急な天候の変化も問題なし、安心感も抜群です。

 

さて、

これにてメンテナンスはコンプリートリー・コンプリート。最後に、娘には少しばかり大きいようなので、中敷きを工夫してサイズ調整です。

娘が足を入れたときの様子では、少しばかり大きい、という程度ではなく、結構ゴソゴソしてる様子でしたので、今回もこいつの出番です。

100均のカップインソール。スニーカー向けの立体的なやつです。22~23.5センチの女性用サイズのやつを早速INしてみましたところ、

ありゃりゃ、結構隙間が空いてしまいます。これはいかん。ということで、

メンズサイズですが、使いかけのがありました。ま、実際はサイズ調整の際に小さく切り過ぎてしまった未使用品です。こんな日が来るかもと取り置いていたやつです。こいつに頑張ってもらおう。

先ほどのオレンジよりも少し大きめサイズがいいようです。踵側に余裕を持たせた状態で爪先をジャストの長さでカットしてみました。

靴自体はウィズが大きそう印象でしたので、インソールの幅は触らずそのままで。さて、再トライです。

おっ、今度は良さげな雰囲気です。

手前にピントあっちゃってますね。すみません。ですが、踵の方も隙間なくジャストです。爪先側はこんな感じ。

底上げしすぎかとも思いますが、ウイズに余裕のある靴です。高さを増してあげた方が履いた時に見た目にもスッキリするのではないか、との見立てで、あえて底上げ気味で。

【BEFORE】

【AFTER】

やはり細身に履けた方が素敵ですね。このくらい紐を締め気味で行けたら綺麗に履けそうな

 

茶色のPTB。

メンズでしたらオールシーズン大活躍、となるわけですが、レディスの場合は少し趣が異なるようです。色が、というより、この手の靴は夏向きではないみたい。ズバリ、夏はサンダルとかですかね。メンズと比べてレディス靴はそもそもデザインのバリエーション多いです。夏にオックスフォードやダービーシューズ履く必要もないみたいで、娘曰く、

「いい靴やな。けど、夏は履かんな。秋以降かな。」

とのことでした。お、そうなのね。実はね、パパも秋に履き下ろす予定の靴が一足あるのさ。一緒に履き下ろそう。嗚呼、秋が待ち遠しい・・・。

いや、待て、それ以前に、サイズ調整はうまくいったのでしょうか。確認が必要です。OKなのか、NGなのか。大変気になるところですが、仮にOKだとしても、秋までは履かない。仮にNGだとすれば、秋を待つことなく、今の時点で履いてもらえないことが確定してしまいます。

おお、ここまでやってそれはつらいね。

よし、今渡してもどうせ履かないのなら、しばし夢を見ましょう。OKならばそれで良し。もし仮にNG食らうにしても、それはもう少ししてからにしよう。足を入れての確認はもう少し先伸ばし、秋まで待とう・・・。

 

待ち遠しいとか、待とうとか、今日も天邪鬼な私なのでした。

 

(おしまい)

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