こんにちは、ばしです。
前回からの続きです。
メルカリで見初めてゲットした赤茶のPTB。
wrightのペアと思ったけど、
wrightの特徴であるバンプがない。
バンプとはどんなものかと言いますと、
ソックシート中央やや前寄りに盛り上がった菱形のマウンド、これがwright社特有の「バンプ」であります。ちなみに、ビン靴フリークには言わずと知れたwrightですが一般的にはほとんどの人が知らないシューメイカーです。念のため、同社の概要を確認しておきましょう。
・・・ライト社は1876年創業の老舗ブランドでアメリカを代表するオーソペディックシューズ系のメーカーです。オーソペディックシューズというのは足にトラブルがある人向けに作成・調整された矯正靴の事。足が悪い方のために特殊な革靴を作っていたブランドなんですね。有名な所ではあのオールデンもそうですし、【FOOT-SO-PORT】も矯正靴を開発していたメーカーの一つです。
一般的には知られていませんがアメリカ古靴好きの間ではかなり評価が高いです。オールデン同様、熱狂的な古靴マニアが付いているブランドでもあります。「オールデンよりライトの方が履きやすい!」という方もいますね。
古着屋ガレージセールさんの記事からコメント拝借しました。日本ではALDEN人気が凄いですが、米国ビン靴における矯正靴メイカーといえば、「ALDEN」「wright」「FOOT-SO-PORT」が御三家、といってよろしいかと思います。私は3メイカーとも持ってますが、それぞれ異なる特徴的な履き心地、との印象です。
そんな「wright」と思って買ったやつ笑。
どこの何者か、予想に反して分からなくなりましたが、靴自体が本格的なやつであることは間違いない。日曜午後にメンテして水曜日に履き下ろしました。まずは儀式の様子から。
いつも通りまずは左足から。
LEXOL
軽く汚れ落とし。と思ったら、
ボロ布がピンクに。ワックスが適度に塗られていた模様。
RenoMat リムーバー
強力リムーバーの協力を仰ごう。
スッキリしたと思われる。
リッチデリケートクリーム
保湿&栄養補給。
アッパーはガラスレザーと思っていたけれど違うのかな。まあまあ吸い込む。
TAPIR レダーオイル
油分補給&保革。なんだけれど、
残った汚れも落とすオイルです。
今回もかなり落ちた。赤茶のワックスも、なんだけれど、細かな皺の間にこびりついていた積年の汚れが落ちたように思われます。このところ油分補給のステップでは「プロペト(白ワセリン)」を投入することが多いのですが、プロペトでは汚れは落ちない。やはりタピールは偉大です。
柑橘系の香りも心地よい。
右足も同じ手順でタピールまで完了。
今回は2足同時にメンテ進めてます。右は前々回記事のMarbot。プロペトを浸透させてる間に赤茶のPTBメンテ進めてました。このあとMarbotを仕上げてその間にTAPIRを浸透させよう。まあ、言いましても15分ほど、気持ち程度なのですが、いやいや、その気持ちが大事なのです。たぶん。。
⏰
15分後。
右上の黒、Marbotのメンテが完了しました。
赤茶はといいますと、見た目に変化はよくわかりませんが、きっと僕の気持ちはこいつに伝わっていることでしょう。
トゥはテカってるけど、
屈曲する甲周りは短時間とはいえ多少は浸み込んだように思える。よし、仕上げよう。
コロニル1909(ニュートラル)
いつもの万能クリーム投入。
1970s以前のビンテージのアッパーには、よほどのことがない限りワックスは入れません。なぜなら、無くても適度に光るから。君には厚化粧は必要ない。そのままで素敵だ。なんちゃって。
右足もコロニルで仕上げ、紐を通し直したらメンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
くすみがなくなり発色が良くなった。
旧い汚れをしっかり落とせたのではないかな。
【BEFORE】
【AFTER】
それでいて深みも増した。
まあ、好意的な目で見てしまうので実際のところどうかはなんともかんとも。なのですが、
すっきり整ったコバには規則正しい出し縫いのステッチ。前回記事でも触れたのですが、コバの角が斜め45度に落とされてます。ジャパンビンテージによくある「矢筈仕上げ」ではないですが、細やかな部分にまで目配り気配りが行き届いているのが嬉しい。これこそビンテージを生み出した職人の技なのであろうと思う。
履き口のステッチはダブル?なのかな?パイピングの際の等間隔は縫われているのかなんなのか細かくてよくワカラナイ。なのですが、ステッチは乱れることなくとても丁寧でかつ美しい。
シューメイカーどこだっけ?
なんてことはもうどうでもよい。そう思わせてくれるクオリティです。これはかなりいい品をゲットしたかもしれないな。このUS8.5Cは私の足にどんなふうに食らいついてくれるのだろうか。
水曜日に早速履き下ろしました。
おお、良きかな。
ベリーグッドです。
このCウイズは「狭い」というよりは「低い」。私の足はさほど甲高ではないので履き心地としてはジャストです。願わくば羽根と羽根の隙間があと7ミリほど閉じてくれれば見た目に完璧なのですが、まあ、贅沢は言わん。履いてるうちに少しばかり革が伸びて閉じ気味になることを期待しましょう。
ええ、そうなんです。
こいつ、相当に履き心地が良いです。厚手のラバーソールはとても安定感を感じます。全長もいい塩梅。爪先は適度にゆとりがあり、踵周りはジャストサイズ。とても歩きやすく、かつ、丸一日履いても疲れを感じないのはアウトソールの適度な柔らかさと何よりサイズがジャストなことと思われます。
赤みが強い茶色なのでジャケットやネクタイの色をどうするか散々悩みましたが、まあ、思ったよりもどんな色目にも馴染んでくれそうです。ていうか、馴染んでます?馴染んでるよね?いつもなら赤か茶系のネクタイをチョイスするのですが、この週は「緑色のネクタイWEEK」でありまして、この日も緑にしてみた次第。
てなことで、
週末にメンテしたPTB2足で記念撮影してみた。どちらも3アイレット。どちらもラバーソール。どちらもかなり気に入りました。歩き心地は赤茶の方が柔らかで黒のMarbotのラバーソールはやや硬めの印象です。良い悪いではなく好みの問題かと。
サイズ感はと言いますと、赤茶はこのままで全く問題なし。黒のMarbotは次回は薄手の中敷き追加してみます。柔らかめな履き心地が好みの私としては、追加する中枠のおかげでクッション性も向上してなお良い。今後どちらも登板機会が増えそうです。おお、イッツ・オール・ライト!
いや、黒はMarbotだし、茶もライトと決まったわけではないんですけどね。
そう、
残る課題は、シューメイカーがどこか、ということ。1日履いてみた感触からはサイズは間違いなく【US】の【8.5C】、米国製であることはほぼ間違いないでしょう。こいつはwright製なのか否か。wrightでないならどこのシューメイカーなのか。いずれかのタイミングでは明らかにしたいわけですが、気づけば12月も半ば、年の瀬で何かとあわただしい。
まあ当面はぼちぼちと。
(おしまい)



































