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黒いタッセルローファー(中古のリーガルその22)

こんにちは、ばしです。

 

円安が凄いですね。昨日は135円台までいっちゃいました。24年ぶりらしい。

海外からビンテージ靴を買い求めるようになって3年とちょっと。その間、永らく1ドル=100円後半。記憶では110円を超えたのはつい最近のことでした。それが4月には130円間近。マジか。などと言ってる間に130円台、さらに進んで、この先どこまでいくのでしょう。

もう、今のこの水準はヤバいです。ebayで長らく出品されてるお気に入りのペア、先々も売れ残っていたらゲットしよう、などと思っていたのに、いつの間にやら2割以上も割高になってしまいました。嗚呼、当面は購入を検討する気力すら失せてしまいました。

 

この円安では海外からは買いづらいなあ。

などと考え始めた4月下旬のこと。やはり、こんな時は国内かな。スマホをいじくっておりましたところ、メルカリでSo-Goodなやつに遭遇してしまいました。父が亡くなり、四十九日を過ぎるまでは大人しくしとくつもりでしたが、まあね、1日も早く通常モードに戻ることは、洒落者だった父への供養にもなるだろう。などと、訳の分からん理由をこねて、ゲットしちゃいました。

 

こいつ。

 

 

REGAL Imperial Grade (旧旧ロゴ)

旧いリーガルです。
旧いリーガルは好きです。

リーガルも米国ビン靴みたいに、ソックシートのロゴでおおよその年代判別が可能です。

長靴の中に「REGAL」の文字があるかないか。文字なしは「リーガルコーポレーション」となる1990年以降。文字ありは前身の「日本製靴」時代のぺアで1990年以前です。また、それ以外にも、長靴の下にある「REGAL」の文字のフォントも異なりますのですぐに見分けがつくと思います。

今回のペア、少しばかり擦れて読みづらいですが、長靴の中にREGALの文字があります。日本製靴時代、おおよそ30~40年前のペアです。

(日本製靴時代のロゴの参考記事こちら

 

このブログでは何度も書いてますが、革底のリーガルは「買い」です。というか、革底のペアこそが本来のリーガルクオリティなのではないかと。で、そんな中でも今回のように旧いロゴのインペリアルは、品質に比べて流通価格がかなり安いこともあって、マイサイズであればついつい買ってしまいます。

今回は送料込みで6300円。いつもの「リユースショップで数千円」に比べると高い。恐らく、私がこれまでに購入した中古のリーガルの中で一番の高値です。なぜそんなのに手を出したかといいますと、

黒いタッセルローファーです。タッセルローファーは2足持ってますがどちらも茶です。しんのすけさんのGraysonを見て以来、私も黒を1足追加で購入したいと常々思っていたのでした。

今回のペアはセラーさん曰く、新品で購入されて使用回数は5~6回。その後サイズが合わなくなったものの、いい靴なんで大切に保管されてきたとのことでした。おっしゃる通り、状態は素晴らしいです。で、写真の通り、靴袋つきでの出品でした。

で、それだけではなく、なんと!

袋だけでなく箱もついてきました! 
おー!これは望外の喜びです! 

サイズ表記は26.5。

あ、いや、靴は25EEです。サイズ表記は靴と箱とで異なります。箱は実際にはこのペアのものではないようです。サイズだけでなく「REGAL」のフォントも異なります。ひょっとしたら、箱も靴袋も1990年以降のものなのかもしれません。

ですが、それでも箱付き・袋つきは嬉しい。セラーさんはほかにもリーガルのペアを出品しておられたようなので、わざわざ他のペアの箱と袋にいれて保管されていたのかもしれません。

それにしても、ソール&ヒール、いいですね。特にヒール。釘ダクです。こんなリーガルあったのね。

 

気づけば初夏。
素足にローファーの季節ハズカム。です。

こいつは期待。
こいつ履きたい。

準備せねば、とのことで、GW後半にメンテいたしました。

 

 

ステインリムーバー

ワックスの類はなし。

傷等もなしのグッドコンディションです。

 

LEXOL

コバ周りもそれほど汚れてませんが、

まあ、ルーティンです。いつも通りで。

 

グリセリン保湿

3月頃に旧いチーニーの履き口が裂けて以降、届いて最初のメンテ時にはグリセリン保湿をマストとすることにしました。

ドラッグストアに売ってるグリセリンを濃度30%程度に薄めて、DAISOで買ったコットンパフに浸して、まずは履き口を、次いでアッパーを覆い尽くします。

この状態で3時間ほど放置。

変化がわかり辛いですが、踵内側をご覧いただくと浸透している様子が見て取れるかと。履き口のしなやかさを取り戻し、裂けるのを避ける、というのが一番の目的です。ま、このくらいで十分でしょう。

 

ところでこのペア。ジャストサイズかと思ってましたが、改めて足を入れたら少しばかりタイトです。なもんで、少しストレッチさせることにしました。

タイト気味のシューツリーにさらに厚手の靴下を被せた上でIN。この状態で一晩しっかりと乾燥させます。

 

☆★☆★☆

 

翌日昼過ぎ。

さて、どうでしょう。

甲のあたりはピンと伸びていい感じっぽいです。見た目には大変よろしいかと思いますが、サイズはどうでしょう。適度に伸びたでしょうか。もうね、すぐにでも確認したい、せっかちな野郎なんですが、ここは我慢です。足入れはメンテを終えてからにしましょう。

まずは左から。

 

 

リッチモイスチャー

保湿は十分でしょうから、

デリケートクリームは割愛しました。

 

TAPIR レダーオイル

永らく箱に入った状態で保管されてたペアです。

水分補給は十分しましたので、いつものオイルで油分補給。

 

 

コロニル1909(ニュートラル)

いつものクリームで、

いつもの手順で、いつもの仕上げ。

 

この後、ソールにトニック入れて、右も同様の手順で仕上げてメンテ完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

【BEFORE】

【AFTER】

元から使用頻度の少ないペアです。とてもグッドなコンディションです。

さて、問題のサイズ感です。
いよいよ、足を入れてみました。

おー、素晴らしい。素晴らしくいい塩梅(あんばい)に伸びました。

きつくもなく、緩くもなく。ジャストサイズです。
素足でもノンストレスでガンガン履けそうです。

 

で、実は、このペアを買った理由がもうひとつあります。
で、実は、これこそが最大の理由だったりします。

 

 

以前持っていたリーガルのタッセルスリッポン。
このペアは「East Coast Collection」という、1980年代にスタートしたリーガルの高級ラインなのですが、こいつが実に素晴らしかった!

素晴らしかったのですが、その後、体重の増加とともに足が若干大きくなり、ややタイトに。結局、比較的短期間のうちに転がしたのですが、その後、大後悔(涙)。いつかまた絶対に手に入れると決めていたペアの1足なのでした(参考記事「いつかまた出会いたい靴ベストテン」)。

今回のペアはイーストコーストコレクションではありませんが、とても似た雰囲気です。かつ、欲しいと思っていた「黒」です。こりゃ行くっきゃないでしょ。迷うことなくゲットした次第です。

 

あらためて2足を比較してみました。

 

【East Coast Collection】

【Imperial Grade】

モカ縫いのステッチは若干異なりますが、どちらも素晴らしい。

 

【East Coast Collection】

【Imperial Grade】

履き口の「笑った口元」感はおんなじかと。

 

【East Coast Collection】

【Imperial Grade】

ステッチに違いはありますが、ドッグテイルの形状などはまったくおんなじです。

 

【East Coast Collection】

【Imperial Grade】

 

色と踵の仕上げ方に違いはあれど、形状は同一と言って問題ないでしょう。

工場が同じなのか、製造時期も同じなのか。分からぬこともありますが、そんなことはどうでもよい。こいつは素晴らしいペアに違いない、という、私の見立てに間違いはなかった、ということです。

 

思えば、太ったせいで、少しでかくなった足。若干タイトさを感じたこともまったくおんなじです。ですが、ご安心を。今回は少しストレッチさせました。茶色は旅立たせましたが、今回はそうはいかない。

君には、長らく我が家に逗留してもらうことなりそうです。

覚悟したまえ。

 

 

米国ビンテージ靴が中心の拙ブログなはずが、登場頻度は非常に多いリーガル。いつの間にやら「中古のリーガルその“22”」です。いいことばかり書いてるわけではない。なのに、ともすればフローシャイムよりも多いその理由それはきっと、期待の裏返しなのでしょう。

実は、なんだかんだいってリーガルファンな私、

 

だったりして。

 

(おしまい)

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