こんにちは、ばしです。
「革底の旧いリーガルは買いだ!」
などと言い始めて5〜6年。念のためお断りしておきますが、革底でないとだめだとか、最近のはだめだとか、そんな意味ではありません。リユースショップにおける中古のリーガルの値段が
「最近のレギュラーライン」>「旧い革底のインペリアル」
であることが多く、旧い時代のレザーソールを狙えばハイクオリティなやつがお得にゲットできる、との意味です。で、言い出した手前もあり「先ず隗より始めよ」、てなことで、「買い」より始めまして、今回で「その30」です。笑。
いやあ、米国ビン靴ブログなんですけどね。たくさん買いました、中古のリーガル。日本を代表する大衆高級靴メーカーですので、その流通量の多さゆえリユースショップでの球数も多いんですよね。その結果、今回で「その30」です。笑。
まあね、現時点で30足持ってるわけではなく、8割がた転がしたのですが、それにしても突出した足数&記事数です。お蔭様でリーガルさんの靴は新旧織り交ぜて一通りは履きましたし、私だけでなく息子も娘も持ってます。
この先もリユースショップ巡りを続ける予定ですので、今後もリーガルさんとの遭遇機会はまだまだありそうです。で、これから出会うやつらは、これまでに弄ったことのある奴や似通ったペアばかりになりそうにも思えます。
うーむ、それは新鮮味に欠けるな。
そろそろ潮時でしょうか。リーガルさんはこの辺で一旦「うちどめ」、小休止してもよい頃合いかも。なんて思っておりましたところ、自分ではまだ履いたことのないスタイルのリーガルを見かけました。
トリを飾るに相応しいペアだな。
てなことでソッコーゲットしました。
今回は5月の1足目のペアのご紹介です。
こいつ。
REGAL 2236 Imperial Grade
色褪せたタンカラーのPTB。
そういえば、旧いリーガルでマイサイズのPTBは持ってません。で、PTBは沢山持ってますが、このくらい薄めの茶の色のは持ってないです。最後のピースを埋めるに相応しい1足にはメルカリさんで遭遇しました。
旧い書体の「REGAL」の文字。で、長靴の中にも「REGAL」の文字が。これは1990年以前、日本製靴時代のロゴです。で、ビン靴フリークな私です。これだけでは済まさない。
写真を拡大してみました。
見えますでしょうか?
黄色い矢印の先あたり、靴の内側の側面に何か貼り付いているように見えます。この写真以外にはこの個所についての写真も説明もなかったのですが、恐らく私の見立ては正しいのではないか。
よし、潔く誓おう。もしもこの見立てが外れるようなことがあれば、もうこれ以上リーガルさんの靴は買わない。あ、いや、当たろうが外れようが暫く小休止の予定なんですけどね。
などとひとりごちながら到着を待つこと半日。
ソッコー届いてソッコーで確認しました。
ビンゴ!
ええ、伊達に旧いリーガル沢山見てきてません。
ええ、そうです、このリーガル、
「布タグリーガル」です。
内側に燦然と輝く白いタグ。
日本製靴時代の中でもより年代の旧いものにこの布のタグが付いています。で、古さの割には状態はかなり良さげです。
トゥ周りに傷等もありません。
レザーソールもへたりなし。
サイズはリーガルのマイサイズである「25.5E」。
トップリフトも9割がた残ってます。
全体としてあまり履きこまれた様子のない、非常に程度のより布タグリーガルです。おお、これはまさに相応しい1足だな。
ただ、
なんか、アッパーが凄い硬いんですよね。
そもそも硬めの履き心地のリーガルの靴ですが、なんかもうね、ガチガチです。下駄箱等に永らく放置されていたのでしょうか、相当に乾燥した印象です。
この日、右のLWB(イーストコーストコレクション)と一緒に手入れを始めたので、その比較もあって硬さが半端ない印象なのです。
よし、トリに相応しく、がっつり手をかけましょう。今回はグリセリン保湿も行うことにしました。
さて、いつもの手順で行きましょう。
左右同時に進めました。
ステインリムーバー
汚れやワックスはあまりないようです。
あらためて、傷もクラックもなし。
LEXOL
まあ、いつものルーティーンです。
コバ周りの埃は歯ブラシで掻き出す。
おお、かなりすっきりしました。
デリケートクリームもどき
ガラスレザーではありませんが、ややガラスっぽい。
どのくらい浸透するか試してみましたが、あまり浸透しませんね。
羽根も大変硬いです。
グリセリン保湿
濃度約30%のグリセリン水にコットンパフを浸す。コットンパフはいつも3~4回再利用してます。今回は3度めくらい。
隙間なくぺたぺたと。
なんだか、なかなか浸透しなさそうな感じです。
どうなるかな。
ここまでが【5/14sun】のことです。
このまま、いつもより長め、丸2日放置しました。
さて、2日後。
【5/16Tue】
お、コットンパフが少し乾いたっぽいかな。
いや、そこまでではないな。
様子を見てみましょう。
?!
む、ムラが。
トリを飾るはずがトゥに飾りのようにまだら模様です。
アップで。
うーむ。ほんまですかそうですか。
踵も斑。というか、
明るい色の部分は水分が全く浸透していないようです。
右のトゥはさらにひどい。
わおっ。やったね。やっちまったね。
なんでかな、どうなるのかな。
浸透した色の濃い部分が乾燥したら斑模様がましになるでしょうか。とりあえずこのまま丸2日乾燥させてみました。
【5/18Thu】
どうでしょう?
左のトゥ。少し目立たづらくなったような。
右はどうかな。
わお、あきまへん。
このままでは履けまへん。
よし、追加の手立てを講じましょう。
クリストフポーニー・レザークリーム
アンティーク家具職人さんが自ら作り出したクリームです。あ、いや、実はこれ、オイルです。メンソレータムみたいな見た目と香りのするオイリーなクリームです。
水分がだめでも油分なら浸透するのではないか。
とのことでやってみました。
指でしっかりと塗り込む。
どうでしょう?
爪先だけでなく、全体的に塗布してみました。
このクリーム、かなりしっかりと浸透してくれるとの印象です。これは期待大です。丸1日おいてみました。
【5/19Fri】
うん??
どういうことでしょうかね。
左足はキャップトゥみたいになりました。
右足は斑なままです。
わお、あきまへん。
このままでは履けまへん。いや、まあね、別にこの程度の斑なら普通に履きますよ。この程度ならそんな気にならない私です。このままでも問題ないですよ。ですが、それは「いつもなら」、の話です。
今回は区切りの、それも布タグのリーガルです。
バッチグーに仕上げた上で足を入れたい。
よし、追加でさらに手を入れましょう。
任せなさい。
やりましょう。
やってみました。
(後編に続く)