こんにちは、ばしです。
いやはや、一気にひんやりしてきましたね。
今年も秋は一瞬で終わり、またすぐに冬がやって来るのでしょう。「秋を楽しもう。」そのように強く意識しませんと、あっという間にクリスマスに正月、となる。短い秋だからこそ、紅葉を観に行くなど秋らしいイベントが欲しいな。そんなことでもないと「去年の秋、何してたっけ?」となる。実際、去年の秋、どんな秋だったかと問われたら、靴を磨いてたこと以外あまり記憶がない。
まあ、それは秋に限ったことではないわけですが、靴の手入れにもそれなりに季節感が伴います。春はローファー、夏にはサンダル、秋冬はブーツ、となる。先々週末から先週末にかけて、季節を少しだけ先取りしてブーツをメンテしてみた。いや、先取したつもりが屋外での作業は思いのほか涼し過ぎたわけですが、これで冬の準備は万全です。
REGAL ストラップチャッカ
ストラップチャッカというべきか、ベルティッドチャッカというべきか。まあ、どっちでも構わんわけですが、そんなペアであります。チャッカやジョージブーツといったスタイルは実は結構好きですが、ストラップタイプこのスタイルは持ってなくて、約2千円ということでレジへ直行したように記憶してます。こいつ、出会ったのは6月でした。夏を越え、いよいよ出番は近い、とのことで弄りました。
足首まですっぽり覆いそうな高さの履き口。センターの合わせの両サイドにはステッチが。手のかかってる仕様です。米国ビン靴であれば「年代旧め」となるわけですがこいつはどうでしょう。
トップリフトにはリーガルのロゴ。
日本製であります。
ソックシートは擦り切れていて文字の類はなし。うーむ、かなり履きこまれたのか、交換されているのか。ロゴがあればおおよその年代の想像もつくってもんですが、まったくもって何もなし。
ですが、内側の印字は健在です。
6022 2072 677 25
とあります。サイズは25.0。リーガルの靴は普段25.5がジャストですが、ブーツはハーフサイズダウンがちょうどではないかな。ところで、この印字スタイルは結構古いものであります。1989年以前、すなわち、社名がまだ「日本製靴」時代のスタイルと思われます。1990年に「リーガルコーポレーション」に社名変更するわけですが、替わったのは社名だけなのでしょうか?
1989年以前&1990以降のどちらの年代のリーガルも履いてますが、以降のモノの方が幅が広いような気がする。入手した個体がたまたまそうだったのかもしれませんので断定はできませんが、幅広でない足の私には「1989以前」=日本製靴時代のペアの方がしっくりくる印象です。よし、今回も期待大です。
年内には履き下ろしたい。ということで、メンテ開始であります。いつも通りまずは左足から。
LEXOL
いつも通り、汚れ落とし。
あまり落ちず。
で、気づいた。
クラックの芽がちらほら。
内側にも。
原因は何か。旧いか個体だから?履きこまれたから?それもあるでしょうが、これまでの経験から言えば、ワックスが塗り込まれたまま時間が経過した個体にこのような現象をよく見かける。こいつも旧いワックスが残ったままなのではないか。そんなときは強力リムーバーの登場です。
RenoMat リムーバー
ウエスにとって優しく撫でる。化学的に除去しますので、強く擦る必要はない。多めに浸けて優しく撫でてみた。
うーむ、やっぱりね。
ウエスも右足だけでこの有様です。すっかりしっかりすっぴんになったのではなかろうか。かなりマットな雰囲気になりました。
汚れ落とし・ワックス除去はこれでよし。
リッチデリケートクリーム
アボカドオイル配合のやつで栄養補給&保湿。
それなりに浸みこむ。
ついで油分補給。
プロペト
ヒト用の白色ワセリン、それがプロペト。
最近のマイブームです。
ヒト用ですので靴にもいいはず。少なくとも害はないでしょう。
全体的に、かつ、クラックの芽にはたっぷりと塗り込む。
ギトギトにはならず、意外とさらっとした使い心地です。
向かって左=右足も同手順でプロペト。右足の作業が完了する頃には、先に作業を始めた左足はすでに浸透始めた模様です。
ここまでが【10/26 SUN】の作業であります。このまま1週間ほど浸透&乾燥させるわけですが、一応経過も確認しましょう。
24時間経過した【10/27 MON】。
どんなもんでしょう?
すっかり浸透したみたいです。
追いプロペトしてみた。
どうなりますことやら。
翌日【10/28 TUE】。
おお、
すっかり浸透しました。と思ったら、
踵付近は浸透してません。
クリストフポーニーもそうでしたが、傷みの程度が酷い部分は早く浸透して、そうでない部分はあまり浸透せずに表層に残ることが多いようです。なので、傷みやすい甲周りの屈曲部分から先に浸透している、と言うことかともいます。
さらに翌日の【10/29 WED】。
前日からの変化はほぼなし。とりあえずこのまま週末まで放置プレイ。
☆★☆
【11/3 MON 文化の日】
文化の日なので文化人ぽく靴磨きです。
すっかり浸透しました。
仕上げましょう。
コバ周りのメンテ
スプーンとコバインクで整える。
サンドペーパー切らしちゃいまして、やはりあったほうが良いね。
ソールのケア
ソールトニックののちニュートラルのワックス入れてみた。ソール中央がやや薄いようです。それなりに履かれたぽいな。
ハーフラバー装着した方が良さそうです。それはまあ別の機会に。そんなことより、ストラップの角が白く剥げているのが気になる。
コバインクで補色しとこう。
おお、誤魔化せた。
だいぶ整いました。さて、最後にアッパーを仕上げよう。
コロニル1909(ムショク)
プロペトとコロニルは相性がいいような気がしてまして、今回もこのマット調のアッパーをコロニルのみで仕上げました。
指先にとって、
手で直接塗り込む。
万遍なく塗布して、指で押し込むように塗り込んで、
ブラッシングっ。
最後にウエスで拭って左足完了です。
うんまあいい艶感ではないでしょうか。ワタクシ的にはこれで十分です。右足も同じ手順で仕上下たらメンテ完了です。
どんっ。
おお、良いのではないかな。整いました。
【BEFORE】
【AFTER】
アッパーの革質がなかなにグッドです。レギュラーラインか、インペリアルか。1989-1990の同社のカタログを持ってるので確認したのですが、残念ながら掲載ありませんでした。まあ単純にそれ以前、ということなのでしょう。
【BEFORE】
【AFTER】
リーガルさんの靴にしては細身に見えます。ナイスです。
トゥの艶感もほど良い。コバも整った。
ストラップも黒くなりました。しかし、あれですね、やはりアッパーの肌理が細かくて大変よろしいです。足を入れてみよう。
おお、ベリーナイスです。予想通り、ブーツゆえ少しゆとりがあるため、いつもよりハーフサイズダウンの25.0EEでジャストです。で、履き心地はと言いますと、足首から甲周りにかけて、柔らかく包み込まれるようです。理由は何かといいますと、
分りますでしょうか?
アッパーが分厚い。
ライナーとの間にスポンジみたいな柔らかな素材がサンドイッチされているように思える。このことが、柔らかい履き心地を生むと同時に、きっと防寒性の面でも一役買っているのでしょう。
レザーのブーツは何足か持っているけれど、こいつの優しい履き心地は癖になりそうな予感がする。ストラップのチャッカ、というのは初めてなわけですが、見慣れてきますと悪くない。ブーツなのにドレス感が強めで、仕事のスタイルにぴったりなように思えてきた。おお、これは良いね。どうせなら茶も欲しいな。
と、
思ったら、
そうそう、
そうなのです、先月我が家にやって来たのでありました。こいつも一緒にメンテしました。詳しくは次回日曜日にご紹介。しかしまあ、あれですね、黒と茶、色違いのチャッカをゲットしてるなんて、なんてチャッカり者の私・・・かどうかは知りませんが、やっぱ冬はブーツですな。
素敵な冬がやって来そうな予感。
(おしまい)


























































