ガラスレザーにマスタングペースト(中古のリーガルその42)

こんにちは、ばしです。

 

年末にメンテに着手して年始に完了させた前回のカナダ靴。実はあのとき、もう1足同じタイミングで同様にマスタングペーストを使用してメンテナンスに取り組んでおりました。

購入時期もカナダ靴と同様に昨年12月、で、購入ルートも同様にメルカリです。タイトルからお分かりの通りリーガルのペアなのですが、おおこんなの見たことない、と、思わずぽちってしまった素敵なペアです。

ご紹介。

 

 

REGAL VINTAGE

冒頭からメインコンテンツのご紹介です。ソックシートに真っ赤なロゴマーク。旧い編み上げのブーツはいつも見かけるリーガルさんのそれとは異なるデザインです。

トップリフトにも同様のロゴが。で、タコの吸盤みたいな丸穴は旧いサービスシューズのそれのようでいい感じです。こんなの、こんなロゴのこのシリーズのリーガル、初めて見ました。これ、欲しい。となったわけですが、気持ちはお分かりいただけるかと笑。ちなみに、

メインコンテンツはもう一つあります。

シンプルなサドルローファー。出し縫い糸が生成り色なのが1950sあたりのアメリカンな雰囲気を醸しております。そのことも特筆すべき事柄の一つではありますが、私の琴線をかき鳴らしたのはこの仕様です。

なんとサドルにスリットがない!!
入れ忘れた、とか?いやいや、そんなことあるわけない。

全体のデザインはごくごく普通のサドルローファーなのに、スリットが空いていないだけでこんなにも印象が変わるんですね。なんというか、カジュアルなスリッポンであることに変わりはないのですが、ドレス感がグンと増したように感じるのは私だけなのでしょうか。

ロングノーズなわけでもない。コバ回りの明るい色目がロカビリー的なビンテージ感をアップさせている。なのに、モカシンタイプのローファーにありがちな子供っぽさは影を潜めている。

出品者さん曰く、このペアは30年ほど前にご自身で購入されたものなのだそうです。おおよそ1990年代のペアということになりますが、当時のリーガルにこんなアメリカンビンテージを全面に打ち出したシリーズがあったんですね。全く知りませんでした。ネットで検索してもヒットするのはごくごく僅かです。

1990年代の日本は景気がジェットコースターのように昇って落ちた時代です。1980sからのバブルの好景気がはじけたのが1991年。その後は坂道を転げ落ちた時代、それが1990s。リーガルさんのこのシリーズも、景気の波に呑まれてひょっとしたらあまり売れなかったのもかも。そもそも市場での流通量の少ない稀少なペア、なのかもしれません。

アウトソールはラバー。色が剥げてますが、使用感は乏しく全体的に履きこまれた感はゼロです。大切に履いておられたことが容易に推察される一足です。30年経過してこの状態を維持していますので、こまめに手入れされつつも靴棚等で過ごしていた時間が長そうです。アッパーをしっかり保湿して引き継がせて頂きたく存じます。儀式です。

いつも通りまずは左足から。

 

 

RenoMat リムーバー

汚れ落としの強力リムーバー。最近はいきなりこいつ、というのがマイブームです。

傷や汚れはほとんどなし。いい塩梅です。

 

 

リッチデリケートクリーム

ガラスレザーですので基本的には浸透はしない。なのですが、

ヴァンプ部分や皺の箇所は思いのほか浸透することがあります。屈曲して表面のコーティングが多少は薄くなったりなくなったりしているのかもしれない。

見た目の変化はあまり感じられませんが、手を抜かずしっかりと塗り込む。

 

 

TAPIR レダーオイル

油分補給&保革です。
浸透するか否かはさておき、この皺部分を中心に塗り込む。

いつもよりアブラギッシュになります。

まあ、こんな感じで。

 

さて、右足も同様の手順でタピールまで入れまして、少し時間をおいてからコロニルで仕上げる、というのがいつものパターンなのですが、

ちょうどマスタングペーストが届いたばかりのタイミングでありました。ガラスレザーに効果あるのかな。浸透しないよな。と、思うのですが、論より証拠、試してみることにしました。

 

 

マスタングペースト

馬油がベースの天然のオイルクリーム、それがマスタングペースト。

とりあえず左足に塗り込んでみましたが、マクヘイルの際と異なり油がギトギトと浮いている。やはり浸透しないようです。

両足にマスタングペースト完了。

テラテラと光ってます。けどまあこれで良い。皺の入った屈曲部には少しは浸透するのではなかろうか。とりあえずこのまま放置してみた。

 

☆☽☆☽☆

 

2日後12/23(火)の夜。

おお、なんか浸透してるっぽい。

モカ縫いの周囲と甲の皺部分が浸透したようです。まあ、予想通りだな

 

さらに2日後の12/25(木)夜。

あまり変化はない。

履き口側は全く浸透してません。
で、このまま年を越し、結局こいつもマスタングペーストを入れてから丸3週間ほど放置することとなりました。

 

🌸🌸🌸

 

年が明けて1/10(土)。

なんと!すっかり吸い込んでいる。

サドルと甲の境目に白い塊が。余剰だったオイルが固まったようです。いや、これってホントに吸い込んだのかな。単に「蒸発した」とかではなかろうか?

いや、そうではない。屈曲することのなく革へのダメージも少ない履き口付近はテラテラと油っぽく光ったままです。

4,5日程度では浸透しないガラスレザーにも数週間単位で時間をかけると思いのほか浸透するのかもしれない。日数をかければ深く浸透する。のであるならば、うーむ、旧い靴のメンテナンス方法特に「油分補給による保革」については、「時間の懸け方」を根本的に改める必要があるかもしれない。この件は別途試してみよう。

ともあれ、
このリーガルはこれでいい塩梅です。
早く履いてみたい。
仕上げましょう。

 

 

ステインリムーバー

表層に残ったホースオイルを除去すると艶やかなアッパーが再び顔を出す。

艶やかなれど当初よりマット感のある艶加減、か。

 

 

コロニル1909(ムショク)

いつものクリームで仕上げ。

程よい感じではないでしょうか。
右足も同様の手順で弄ってメンテ完了です。

 

 

【BEFORE】

【AFTER】

当初作業が屋内でしたため比較しずらいのですが、抑えた光り方で落ち着いた艶感に仕上がったように思える。

ホースオイルを入れたことは関係ないのですが、ホースレザーぽく見える、かな。いやそれを暗示という。

ですが、いい雰囲気ではあるな。

やはり光り方がいい意味で鈍くなっているような気がする。光り過ぎはあまり好みでない私には程よい加減でいい感じです。

分厚いアッパーゆえのこともあり履き口もノーダメージ。これはこれから先も長らく活躍してくれそうです。サイズ感はどんな塩梅でしょう。

 

さっそく足を入れてみた。

少し厚手の靴下履いて、ちょうど~ほんの気持ちゆとりあり、といったサイズ感です。出品者さん曰くサイズは「26センチ」とのこと。リーガルは25.5がジャストの私には少し大きめではある。薄手の中敷きを1枚足す予定です。

雰囲気は、やはりスリットがないことがとても効いています。引き算が成功した好例でしょう。ありそうでなかなか無いデザインです。サドルローファーの変形なわけですが、

雰囲気はどちらかといえばバタフライローファーに似てるかも。であるならばそれはつまりドレス感が強めのローファー、ということでしょう。

左はナノユニバース別注のWH。どちらも派手な中敷きです。まあ、履けば見えないわけですが、赤いロゴが薄れるのはイヤだな。中敷きはそれも防ぐことができますので、これはもう僕好みの1足、僕のための1足、であるといってよいでしょう。

こいつ、4千円でお譲り頂きました。

少し安すぎる買い物だったかもしれません。幾らが妥当だったのだろうか。いや、プライスレス、だな。この先ずっと手放さない。そんな唯一無二な1足を手に入れてしまった気がする。

 

大切に履きます♬

 

(おしまい)

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