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おんぼろオールデンのリペア(後編)

こんにちは、ばしです。

 

先週末からおんぼろオールデンをリペア中です。

右足に穴の開いたオールデン。

アッパーまでカバーするソックシートを作成。

がっつりと貼りつけ、

アッパーに縫い留めソールに釘留めしたところ、

いい感じで固定はされたよう。

なのですが、打ち付けた釘の先が外にはみ出してます。はみ出た部分を直角に曲げることでしっかりと固定できているわけですが、とはいえ真っ平ではない。このままでは危ないし、使用に伴う摩耗で折角の修理箇所にダメージが加わる恐れもある。このままでは履けない。

・・・というところまでが「前編」でした。

その後、追加作業を施してまして、昨日ついに履き下ろしましたのでご報告です。

 

 

☆★☆

 

 

ここから本題。

で、「追加作業」ですが、至ってシンプルです。

ラバーをがっつり貼り付けてはみ出した釘を覆い隠す、というそれだけのことです。ちょうどレザーソールがいい塩梅にへたっております。釘の件がなくともハーフラバーでの補強が必要な状態でした。

ハーフラバーでは隠れない範囲に釘補修が広がっておりますので、レザーソール部分全体をラバーで覆ってしまおう。本来の作業の進め方はアウトソールより大きめにラバーを切り出して接着しせ、そのあとでアウトソールの形状に沿って切りとる、との手順かと思うのですが、悲しいかな、上手に切る自信がない。

特に、くびれた土踏まず部分の作業の難易度が高そうです。通常のハーフラバーであればこの部分にはラバーを貼りませんから、「くびれに沿って切る」という作業は発生しないでしょう。今回はそんな難易度やや高そうな作業を素人が専用の道具なしで行います。きっとアウトソール自体を傷つけてしまう。そんな自信はある。

なので、貼り終えたあとの切り取り作業はなしで済むよう、事前にしっかりと形状を整えた上で貼り合わそう。とりあえずそんな感じで作業を進めてみました。

全面にノリを塗布し、ラバーの接着面にも塗布して乾燥させたうえで貼り合わせます。

こんな感じ。で、このあとカナズチでがっつりと叩いてしっかりと圧着させます。

左足も同様に貼ってみた。

あ、隙間発見。

ソールの端との境目にも貼り漏れが。使用感のあるアウトソールですのでふちが削れて丸まってるんですよね。カバーしきれないこと自体は問題はないのですが、ここから剥がれやすそうです。追加施術です。

ラバーの縁を斜めに削ろう。
矢筈仕上げもどき。
さらに、

トゥにスチールを装着してみよう。

切り取って、

ねじくぎで留めるだけ。

どうでしょう。

隙間があくのはしょうがない。

ハーフラバーやトゥスチールは、本来は新品のうちに、すなわち、ソールの縁が丸く削れる前の状態で施しておくほうがきれいに仕上がりそうです。今回はサンドペーパーをかけてエッジを利かせようと試みたのですが、屁のツッパリでした。この状態にまですり減ったら素人の手に負えませぬ。

なので、こうなる。

いやはや。

ガタガタだったり、

隙間が見えます。
カッコよくないな。
誤魔化そう。

黒のコバインクで隠す。

ぬりぬり。

ここにもコバインク。トップリフトも交換時期なのですが、それはまたその内。とりあえず踵のすり減った部分も黒くぬっておいた。

どうだ!

多少残念な仕上がりになりましたが、ま、真っ黒になったし、こんなもんで良しとしましょう。

リペア、完了!!

底ですし、
内側ですし、
見えないし。

心の声を「ごしちご」で表現してみた。

このあと、アッパーをサクッと手入れしましていよいよ履き下ろしです。いつも通りまずは左足から。

 

 

RenoMat リムーバー

いきなりレノマット。

ワックスがそれなりに。

 

 

デリケートクリームもどき

たっぷり塗り込む。

ま、こんな感じ。

 

 

コロニル1909(ムショク)

いつものシュプリームクリームデラックスで仕上げます。ちなみに、

このくらい残り僅かになりますと、新品時よりも相当に水分が減って、濃縮した濃いクリームのようになります。効果に変化があるのかどうかは知りませんが、

なんとなく仕上がりも濃厚なよう、な、気がする。だけかも。この後、右足も同様の手順で仕上げまして、

 

さて、残る課題は、

紐をどちらにするか。

どちらも平紐なのですが、左のはかなり太めです。以前に太めの平紐が欲しくてネットで購入したところ、予想以上に太すぎて、その後長年放置プレーしてたやつです。かなり極太なのですが、折角なんでこの機会に投入してみよう。

 

どんっ。

昨日履き下してみた。

紐はかなり太めなれど、まあ、ギリギリ許容範囲ですかね。

引き千切れた個所、少し隙間が開いてます。内側からのリペアで使用には問題はないのですが、当初からあるライナーとアッパーの隙間がそのまま残ってしまったみたいです。あとで内側にノリを入れて接着しておきましょう。

 

しかしまあ、あれですね。

モディファイラストって、

主張が凄く強いですね。シンプルなPTBなのに、一目でオールデンのそれとわかる雰囲気が醸されている。オールデンに限らずミリタリーラストは、見た目も履き心地も「クセになる」形状なのかもしれないですね。

で、前日夜に戻りましてあらためて仕上がりの確認。

黒く誤魔化した。

とはいえ、やはり見栄えは・・・。よおく見てみますと縫い目もひとつ分すっ飛んでるし、ラバーの切り口もガタガタ笑。ですが、そもそも素人の技です。まずは何より機能面での回復がマストです。仕上がりが美しければそれに越したことはないのですが、まあ、それは経験を重ねる過程で徐々にスキルアップしていければよいかと。

それに、

撮影の仕方次第でそれらしくも見える笑。

まだまだ暑いんでこのところ昼夜問わずリビングで作業をしておりますが、そもそも、屋外での撮影と比較しますと屋内は写真うつりが格段に良いんですよね。「おお、かなり綺麗になった」などと喜んで外に出たら大したことなかった、なんてこともしばしば。まあ、実のところ、ほとんどの人は他人の足元なんて気にしてませんので、自分が良ければそれでいいんでないかな。

 

今回は、

見た目については可もなく不可もなく。

履いた状態であれば、なわけですが、まあ、それでよい。今回の主眼はあくまでも機能の回復。「履けるようになること」です。結局この日は朝から晩までいつも通りに過ごしました。お蔭さまで、リペアした個所が壊れたり不具合が発生したりということはなく、丸一日を無事に終えました。

実は、朝に足を入れたところサイズがまだ少し緩かった。なので、急遽百均の薄手の中敷きを追加しました。私の足は、通常は8.0Dですがモディファイラストは7.5Dでちょうどくらいな印象です。こいつはサイズ表記が薄れて読めませんでしたが、恐らくUS8.5くらいか。もしくはUS8.0が使用によりアッパーが伸びたかのいずれかではないかと思われます。

まあ、お蔭で羽根はかなり閉じてます。私の好みの閉じ具合です。中敷きを抜けば息子と兼用でも履けそうですが、さすがにこんなぼろいのを彼にオススメするのはやめとこう。予定通り、こいつは自分で履きつぶすことにしよう。

てなことで、

ミッション・コンプリート。やればなんとかなるものですね。今後は仕上がりの美しさにも注力してみようと思います。あと、できれば普通のユーズドではなくて、ビン靴のぼろいやつが良いかな。最近のぼろいやつだと、一体全体何の目的で取り組んでいるのか、自分でも訳が分からなくなる。

旧いくてぼろいの、を、漁ろう。

 

(おしまい)

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