こんにちは、ばしです。
昨年5月にタダ同然で拾って来たマーチンのサンダル。
このおんぼろを復活させて自分で履くべく、素人の手習いで取り組んでまいりましたがようやく修理完了しました。
アッパーの手入れとバックル付け根のゴム交換まで完了したのが上の状態です。これまでの経緯は以下参照ください。
「僕の足元に夏はいつ来るのだろう」
「自分でドクターマーチンを修理(その1)」
「自分でドクターマーチンを修理(その2)」
「自分でドクターマーチンを修理(その3)」
さて、最終の作業としまして日曜に取りくんだのは、
①ややダメージのあるある腰裏の補強 と、
②見た目に見すぼらしいソックシートへの対処
の2点となります。
1記事でまとめるつもりが、思いのほか作業ボリュームと記事が長くなったので2記事に分けます。今回の「その4」では「①腰裏の補強」、明日の「その5・完結編」で「②ソックシートへの対処」についてご紹介の上全体を振り返りたいと思います。
では、本題に戻ります。
①腰裏の補強
道具立てはこれ。
新兵器を投入します。
何者か、は、後ほどにしまして、まずは現状の確認です。
右足はこんなです。
穴が開いています。変色もしていて見た目にもみすぼらしい。
左足はこんなです。
革が薄くなっていますが穴は開いてはいない。代わりに、履き口がほつれてます。合わせて対処せねば。と思ったら、
なんと。縫い目に沿って履き口の革が切れています。これはどう対処すべきか。せいぜい糊貼りする程度ですかね。使用に問題がなければ当面はこのままでいいや。てなことで、革で腰裏の補強にとりかかります。
革はこいつ。昨年6月に奈良の「オリエンタルシューズ」さんのファクトリーセールでゲットした革の残りです(「ORIENTAL SHOES FACTORY SALEに行ってきた」参照)。ちなみに、今年もセールあったみたい。初日に行きたかったのですが都合がつかず行けず終い。年末のセールにはいきたいな。
いずれにせよ、この革、かなり柔らかくて手触りも良いので靴の内側にちょうどよさそうです。革の表か裏か、どちらを表向きに使おうか。まあ、後で考えましょう。
さて、作業です。クラフト紙で型紙を作成して寸法など確認です。
形状はおおむねこんな感じ。
よし、大きさはこんなもんでよさそうです。ギザギザの部分はソックシートの下に潜り込ませます。型紙をもとに革を切り出す。
じゃんっ♪
同じものを2枚。裁縫用のはさみで切りました。
サイズ確認。革の裏面を表にしようと思います。
で、この革、柔らかくはあるのですが、流石にこのままでは少しばかり分厚過ぎるかも。薄く漉きましょう。
革包丁で少しずつ削ります。今回は銀面を接着面にしますので、そちら側つまり革の表面を削ってみる。
撫でるように少しずつ少しずつ削る。
下が作業前。上が作業後、銀面を全て削った状態です。少しばかりは薄くなりました。で、思いますに、削った面を接着面とするつもりでしたが、見た目にもこちらを表面にした方が色目も手触りもよさそうです。
左右とも完成。やはりこちらの削った面を表にしよう。で、これを内側に糊貼りするわけですが、今回はその前にひと手間掛けててみることにした。
新兵器の出番です。
アートフラワー(造花)で使う「電気ゴテ」です。
私が子供の頃、母がいっときアートフラワー作成に嵌まってました。そういえば当時こんなやつを使ってたな、と思い出して、メルカリで中古品を調達しました。というか、実は革靴DIY修理用にと入手したのは去年の春だったんですよね。1年以上の時を経ていよいよ出番です。
スイッチはこんなの。昭和の香りが漂う品です。こいつを何に使うかと言いますと、
熱せられたドーム型のコテで革に丸みを付けよう、との魂胆です。
表面だけ水で湿らせて、
ダンボールを下敷きに、曲面に押し当てていく。
そうしますと、
少しカーブがついた。曲面である腰裏に革を貼り付ける上では、革は平面でなく曲面のほうが作業しやすそうです。で、おかしいな、もっと「くるん」と丸めたかったのですが・・・。まあ、僅かなカーブではありますが、平面ではなくなった。
プロにはこんな手順不要なのでしょうが、素人が作業するうえでは多少の助けになるのではないかな。
よし、早速貼り付けよう。
ダイアボンド、調達しました。以前、大容量の缶入りの糊を購入したのですが、保管方法が悪かったのか中で固まってしまい、少ししか使ってないのに残りを全部ダメにしてしまった。
刷毛つき。チューブ入りのこちらの方が素人向きですね。使用方法は簡単。接着面の両方に塗布して、少し乾燥させてから貼り合わせるだけ。
プロは、しっかり乾燥させた状態のモノをドライヤーの熱で戻したうえで接着する、なんてやり方のようです。私はプロでないんで、簡便なやり方で勘弁(笑)。
刷毛先に取り出して、腰裏に塗布。その後、同様に糊を付けた革を貼り付ける。
ソックシートの端をめくってギザギザ部分を押し込んでます。
元に戻して、ぎゅっ、ぎゅっ、と何度も指で押さえつける。
とりあえず貼れました。
左右ともに貼れました。革の両サイドはもう少し薄く漉いておけたら段差がなくてよりベターだったのですが、ま、それは次回への課題です。また、縫い合わせるつもりだった履き口のほつれですが、革で覆われて取りあえず必要性はなくなったようです。かなりしっかり接着できたようですし、腰裏補強はこれにて完了。
次いで、
「②みすぼらしいソックシートへの対処」です。
簡単な作業なのですが、今回はここまで。
続きは明日の「その5・完結編」にて。
(つづく)