こんにちは、ばしです。
今回は服のお話。
土曜日にモンキーブーツのメンテを完了させた私(前回記事こちら)。翌日曜日、さてさて、この秋冬はあいつにどんな服を合せようかと、朝からクローゼットの散策です。新品の服を買う金があるなら靴を買いたい私。気づけば、持ってる秋冬物の上着のほとんどがセカスト等で拾ってきた安い中古のジャケットとコートばかりです。
ウイークデーだけでなく週末も革靴を履くことが多い秋冬は、普段着もコーデュロイにツイードなど、少しカジュアルめとはいえテーラージャケット類を着ることが多いのですが、そこで、思うわけです。
モンキーブーツにジャケット、って、どうよ?
なんか違うような。ええ、違うよな。はい、違います。100%NGかといえばそうでもないようにも思うのですが、そもそもジャケパンにワークブーツは合わせませんし、あえてそんなチョイスをせずとも他に合う革靴が沢山あります。堅すぎずカジュアル過ぎない、モンキーブーツにドンピシャな奴はいないのかと物色しておりましたところ、奥の方から見慣れぬ奴が出てきてました。
ミリタリーコート
カーキ色のミリタリーなやつ。
コート?ジャケット? ま、どっちでもいいのですが、テーラージャケットと混同せぬようここではコートとさせていただきます。
で、こんなミリタリーコート、持ってたっけ? けれども、おお、これ、モンキーブーツに合うんでない?
本来ここにあったであろうタグがありません。
定番の「M-65」のようですが、米国製のそれではない。ネットで調べてみましたところ、どうやらこいつはオーストリアの軍モノらしい。
M-65は私が学生の頃(1990頃)にも流行りました。
色はカーキよりもベージュをよく見かけたような。ほかにも、「MA-1」とか「N-3B」とか「B3」とか、アメリカ製のミリタリージャケットがいろいろ流行ってましたが今はどうなんでしょう。三十数年後の今、もっとも一般的に着られてるのはこの「M-65」タイプなのではないかな。
なぜこいつなのか。
理由はいろいろあるのでしょうが、まず、形が「ミリタリーミリタリー」してない。素材も革でもケミカルなナイロンでもなくコットンベースなので「いかにもそれ風」な感じも少ない。かつ、適度に薄手で、これ1枚でもジャケットの上からでも気軽に羽織れる手軽さなんかも魅力なように思います。
ジッパーはYKK。
旧い?最近のやつ?まあ、なんでもいいです。靴同様に軍モノの沼も深いようで、色々と蘊蓄などもあるようですが、私はレアなビンテージでもなんちゃってなレプリカでもなんでもよい。この手のコートに何か特別なモノを求めてはいないです。
いや、一つだけ、求めるのがあるとするならば、
安さ、かな。
や、安いな、やばいくらい。この値札はセカストのそれかな? そうそう、そういえば確か、前のシーズンのセールの際に見つけて、この手のが一着あっても損はないだろうと拾ってきたのでした。グッジョブ、俺!
しかし、セール時期とはいえ安すぎです。
安いのには大抵の場合それ相応な理由があるのです。
右の肩口。
ほつれてます。
で、襟元近くに用途不明なボタンが。そう、お気づきの通り、これ、元からついていたエポレット(エポーレット)を無理やりぶっちぎった残骸のようなのです。
「エポレット」というのはこれです。
別のミリタリーコートの左肩。
トレンチコートなんかでよく見かける肩飾り、肩当て、将校の肩章(けんしょう)、それがエポレット。18世紀半から見られる軍服のデザインで、肩の保護や双眼鏡や銃のストラップ等の役割だったものが刺繍などの装飾的傾向が強まった後、階級章をつける機能も持つようになったとか。
なもんで、
この手のミリタリーライクなものによく使われるのだそう。
これは去年の夏、シーズン外れの安い時期に拾ってきておいたのでした。って、そんなに沢山ミリタリー要らんやろ、と言われそうですが、これは息子用に買ったつもりで、夏場に私のクローゼットに突っ込んでそのままになっていたのでした。なんか着易そうだし、自分で着ようかな、ははは。
さて、今回のM-65。
左肩もこんなです。
いやあ、酷いちぎり方だな。いや、ちぎり肩、か。いずれにせよ、古着とはいえ流石にこのままでは着れない。ということで、前シーズンは一度も袖を通さぬまま。箪笥の肥やしになっていたのでした(←ソンナノバッカリ)。
このまま捨て置けない。
そうだそうだ。
修理だ。修繕です。
もめん糸#40。
駅前の「手芸の丸十」でゲットしてきました。手で縫う場合はミシン糸は不適なんだそう。あらそうなのね。
色のトーンが少しばかり違う・・・。
ま、緑色はこれしかなかったし。
このまま行きましょう。
針。どれを使えばよいのか。
目玉の大きい「刺しゅう」ってやつで行ってみよう。
おお、大きめ目玉でよかった。
無事通りました、これが最難関なのです。
よし、縫い留めよう。
目立つ、かな。
反対はもう少し慎重に。
いや、こっち方がひどいな。
まあ、構わんでしょう。
誰もそんなジロジロ見ないでしょう。
両肩に挟まれた真ん中の塊。
こう見えて襟周りです。
膨らんでいるのはジッパーの中にフードが格納されているから。
「COHO」。
初めて見ます。
これを開けますと、
フードも同じ生地です。
日焼けして少し色褪せた本体よりもカーキの色目が綺麗です。元はこんな色目だったんですね。こいつ、今年1月に買ってからクローゼットに突っ込んだままでした。儀式です、綺麗にしましょう。
洗濯機でぐーるぐると。
45分かかるとのこと。
よし、その間に・・・、
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U.S.NAVY ピーコート
前々シーズンに拾ってきた黒いピーコート。
SIZE36。ジャストサイズです。
ポケットの内側はコーデュロイ。
1960sの仕様らしい。
ボタンが外れてます。買った時点で紛失していて、付け直したのに程なくしてまた取れてしまった。糸が細かったみたい。ミシン糸じゃだめらしい。
今回はお店の人に訊いて「ボタン付糸」をゲットしてきました。結構太くてポリ100%と頑丈そうです。これなら大丈夫でしょう。
取れた時にちゃんと保存しといたやつ。ちなみに、最初のシーズンの終わりに外れてそのままにしていたので、前シーズンは結局袖を通さず仕舞いです。この秋冬は一年ぶりに着たい。期待。
つけた!
傾いてしまってますが汗、
まあ、誰もそんなこと気にしないでしょう。
おお、いいね。
かっこいいです。
少し大きめの襟の雰囲気がサイコーです。
あ、ライナーが少しほどけてる。
まあ、そのうち修理しよう。
今回の主役は君ではない。
こいつは買ってすぐにクリーニングに出しましたので、今回はホコリをコロコロローラーでしっかり除去。
完了!
さて、そうこうしてる間に45分経過。
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外出です。
近所のコインランドリーで30分乾燥。
いい感じに仕上がりますようにとの願いを込めて、「ラッキーセブン」の台にしてみました。
回したらすぐ近くのトレファク八尾店で時間をつぶし、30分後に再度ランドリーへ。
さて、どうでしょう?
しっかり乾燥したでしょうが、これで縫い留めた箇所がほどけてたりしたら笑えるな。
確認です。
うん、大丈夫そうです。
が、糸がぴょこぴょこ飛び出てました。
表・裏、あちこちにぴょこぴょこ。
そんなやつは、こうだ!
カット・オフ!
裁縫用のハサミですので切れ味抜群です。
肩。
目立つかな。
目立つよね。
見ないでね。
首回り。
フードをきっちりと折りたたんで押し込んだのですが、
バナナでも入ってるのかのように膨らんでます。
いや、それがいいんだ、そんな感じで襟を立たせて着るのが男らしくてカッコいいのだ、なんて説もあるようですが、それはきっと1990s当時の話でしょうね。まあ確かに男らしいかもしれないけれど、「がち」過ぎてモテないかも、今はあまりお勧めできないかも。
とはいえ、フード出した状態で着るのも変だし、どうしよう。
そもそもこのフード。
使うことあるんだろうか?
いや、使わんよね。
要る?
いや、要らんぜよ。
そんなやつは、こうだ!
カット・オフ!
裁縫用のハサミですので切れ味抜群です。
さて、どうでしょう。
おー、すっきり!
切ってよかった。後悔はしてません。
オリジナルではないスタイルですが、この方が私好みです。あってもいいけれど、どちらかといえば無い方が良い、エポレット。トレンチコートを1枚持ってますが、それもラグランスリーブのエポレットなしです。
なぜかといいますと、
私、肩幅広めな上に「いかり肩」気味なもんで、エポレットが付いてると肩が必要以上に強調されるんですよね。なので、あり・なしを選べるのならない方が良い。トレンチコートやミリタリーなどの本格的なやつには付き物なわけですが、それを不要と言う私の考えがおかしいのかな、なんて思ってたこともあるのですが、私だけじゃなかったみたい。今回は私以外にも同じ考えの方がいると分かり嬉しい限りです。
てなことで、
早速袖を通してみました。
どうでしょう?
お腹のふくらみがやや気になりますが、エポレットの補修痕はそんな目立たず気にならないんではないでしょうか。もっさりしていた襟もすっきりしたし、サイズ感もちょうどよい。少し大きめに感じていたのですが、乾燥機にかけたせいで程よく縮んだみたい。これ一枚でも、中にジャケット着ても、どちらでもOKそうです。
さて、最後に、主たる目的の確認です。
うん。
やはりこの手のブーツにはミリタリーライクなやつが似合いますね。で、他のブーツでも同じように違和感なく嵌りそうです。パンツはデニムでもなんでも合いそうですが、オフホワイトのチノパンやコーデュロイなど小綺麗な方が良さそうですね。なんか一本持ってたな。
で、襟元はスクールマフラーにしよう。
色んな色のを持ってます(参考記事「秋冬支度2022」)。
どれがいいでしょう。あともう何種類か必要かな・・・。なんかこんな感じで秋冬支度しながら過ごす週末は楽しくてワクワクするわけですが、いずれにせよ、いい歳したオヤジがこの手のモノは着る際は汚いのやカジュアル過ぎるのはNGです。小綺麗なのが良いな。小綺麗に行きましょう、小綺麗に。
あらためて今回のこいつら。
靴もコートも、手入れや修繕が必要だったわけですが、その分とてもお買い得でした。この手の状態のイマイチなモノは敬遠されがちですが、ちょっと手を加えればまだまだ十分に着れるし履ける。
そんなやつらはそのままにしとくのはもったいないです。それに、自分で手を入れたらそれだけでなんだか愛着も湧いてきます。そんなのが馬鹿みたく安く転がってますと、そんなのばかり拾ってきてしまいたくなる私です。
ま、いずれにせよ、兎にも角にも、とりあえずこれで準備オーケー、秋冬がいつ来てもオーケーです。もう暑いのいい加減飽きたし、折角だから早く来い。
早めでオーケー。
(おしまい)