こんにちは、ばしです。
先々週の土曜日のことです。
週末の晩飯づくりは私の当番なのですが、この日は私の誕生日でお役御免。トマトソースのパスタが食べたい。唐辛子多めなやつ。家内にそうリクエストをして、私は夕方早めのサウナへ。ま、誕生日ですし、ね。で、ひと風呂浴びてさっぱりした帰り道、いつものトレファクになんとはなしに立ち寄ってみました。
自分への誕生日プレゼントはすでに購入済(過去記事「Happy Birthday 2 U-Tip」)ですので、特段なにも期待していなかったのですが、なななんと、トレファクさんより誕プレを頂戴しました。ずっと気になってた奴がどえらい値下げとなってます。迷わず拾ってきました。
こいつ。
SANDERS Dirty Bucks
サンダースのダーティバックス。
お値段高めの靴コーナーに現れたのが確か昨年夏の終わり頃だったような。当初は1万円くらいの価格だったと思うのですが、
雑多な靴コーナーに移された上に、お値段なんと税別980円。
いやいや、いくら売れないからといって、そ、そ、それは・・・。まあ、そういうことなら有難く頂戴いたしましょう。けど、値下がりしたら拾ってこようと思ってはいたのですが、まさかここまで下がるとはね。
そこで一句。
まとめ買いしたくなる靴サンダース
いやいやそもそもユーズドにつき一点モノです。なんて言うてる場合か。
で、なんでそんなになるまで売れなかったのか、理由は恐らく値札に記載された「SIZE24.5cm」の表記の所為かと思われます。で、なんでそんな小さめサイズのを拾ってきたのかと言いますと、
24.5センチではないから。
UK7 1/2です。概ね26センチ相当です。ジャストマイサイズです。なぜこれが24.5センチとの記載になったのか。それはきっと、売れ残った上で私の手元にやって来るためだったのかもしれない。
ウエルカム!SANDERS!
思えば「マイファースト~」なやつです。どんなシューメイカーなのか、確認しときましょう。
SANDERS サンダース
Sanders & Sanders Ltd.は1873年にウィリアムとトーマスのサンダース兄弟によって、靴の聖地ノーサンプトン、ラシュデンに設立されました。当初はわずか5人の職人だけでのスタートでしたが、グッドイヤー製法の発展と1910年代のイギリス軍への軍靴供給契約をきっかけに大きく発展、5世代続くファミリーマネジメントを今日まで継続しつつ、今では世界中にクライアントをかかえる老舗シューメーカーとして知られています。
(オフィシャルホームページより引用)
1873年創業。
ということは今年でちょうど150周年ですね。おめでとうございます。英国のシューメイカーはやはり歴史が古いですね。他と比べてみましょう。これまでも何度も登場してます「米英+大塚製靴」の創業の年表で確認です。
1873年。
といえばCHURCH’Sチャーチと同じ創業年です。米国シューメイカーは廃業したところも多いのに対し、英国老舗メイカーは歴史が旧いだけでなく今も継続されているところが多い。あらためて、大変素晴らしいことと思います。その歴史や伝統を後世へとつなぐことは今を生きる我々の使命であります。
だから買いました。買い増した。
いや、まあそんな大げさな話ではありませんが、ビンテージモノを蒐集するうえでは都合のよい言い訳ではないかな。
さて、そんな今回のサンダース。
写真再掲。
何やら数字やアルファベットが沢山なのですが、年代判別の方法とかないのですかね。旧いモノには「1985」なんて風にそのものずばりの印字があるものもあるようですが、今回はそれはなし。他の手掛かりを調べてみたけど全くヒットしません。最下段の
「07」「DEC1201」
てのは「2007年12月」もしくは「2001年12月」なんて風に読めなくもないのですが、どうなんでしょうね。まあ、「JUN」「APR」なんていう印字のモノもあるようなので、こいつは「12月製」ということだけは間違いないのかなと思う次第です。
(2023/7追記)その後判明しました。
「SANDERSの製造年代判定」参照ください。
状態としましては、普通のユーズド、です。
アッパーにキズや汚れなどは見受けられません。まあ、そもそもダーティバックスです。汚れても早々は気にはならないやつです。サンダースといえば「黒のミリタリーダービー」というのが定番かと思いますが、そうではなくてダーティバックス、というところが天邪鬼な私っぽくてよいかな。
ブリックソール。レンガの色みたいだからブリック。
踵も8割がた残ってます。ちょうど夏だし、このまま素足で履いてもいいのでしょうが、なにぶん1年弱も売れずにお店にいたやつです。まあ、普通に考えて綺麗ではない。何より、スムーズレザーの場合は100%メンテしてから履きますので、こいつだけこのまま何もしないというのは不公平です。
てなことで、
スエードを丸洗い
今回は丸洗いすることにしました。
シャワーでぬるま湯を注いで5分ほど放置して水分を吸うのを待つ。
??
すいません、吸いません。
防水スプレーなどががっつりと降りかけられていたのかもしれません。ならばとシャンプー(リンスのいらないメリット)でもって洗ってみました。まずは左足。
おお、しっかり吸い込みました。
やはり防水スプレーもしくは類するものが塗布されていたようです。洗剤で取り除いたらすんなりとしっかりと水分を吸い込みました。
洗いは普通に、すすぎは念入りに行いました。
キレイになったかな。
いや、元からそんな汚くもない。十分でしょう。
内側にぼろタオルを詰め、
靴丸洗い専用のバスタオルに包み、
脱水機へ。
7分回しました。
かなり水分飛びました。
湿って、だいぶ色が濃くなりました。
型崩れ防止のため、シューツリーを入れて乾燥させます。
丸洗い後の乾燥に際しましては、写真のように踵と甲もしっかりとホールドされるタイプのツリーがよろしいかと思います。このまま3日放置。その後ツリーを抜いてさらに3日乾燥させます。
1週間ほどでしっかりと乾きました。
一昨日の日曜日。
中まですっかりしっかり綺麗に乾いてます。
この後、いつもなら「仕上げ」なのですが、そんなやることありません。スエードスプレーを振りかけてもいいのですが、薄い色のアッパーだと色目が濃くなったりしたらやのなので、もうこのままでいいや。
紐を通し直してメンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
アフターの方が色が濃く見えます。
光の加減でしょうか。ワカラナイ。
【BEFORE】
【AFTER】
まあ、すっきりしたことには間違いないでしょう。
ソールのオレンジが効いてます。
折角なんで、ブリックソール2足で記念撮影。
やはり今回のダーティバックス、丸洗いしたら少し色が濃くなったように思えます。
白との比較、は関係なしに、「かなり濃いベージュ」です。茶色というにはかなり、相当に薄い茶色です。普通に「薄茶色のスエード」というのはこんな色目でしょう。
右は娘のローファー。
新品を彼女が自分で買いました。「ANTHOLOGY Paris」とかいうらしい。結構いい値段しただけあって、アッパーの肌理も細かいです。
やはり私のは中古だし、肌理もそれほど細かくない。けれども、足元を気にせずカジュアルにガンガン履けそうです。汚れたらまた洗えばいい。
足を入れた感じ、サイズは申し分ありません。
ただ、このパンツの時は履くべきではないようです。まあ、わざわざカーキに合わせたわけではありません。たまたまです。ですが、だとすれば何に合わせたらいいですかね。デニムでは全くもって工夫がなくて面白くない。白のチノパンなんか似合いそうですが、持ってないんですよね。
そうだ!こいつ転がしてチノパン代捻出しよう!
おお、グッドアイデアですが、それだと「賢者の贈り物(オー・ヘンリー)」みたいです。面白くはありますが、あまり意味ないかもね。それに、そうしたら今度はまた白いチノパンに合わせるダーティバックスを買わねばなりません。ただ、今回のように千円程度ではきっと見つからない。
よし、たかがチノパン一本です。
こいつのために一本買いましょう。
そのくらいは罰は当たらんでしょう。
こうして靴だけでなく服も増えていく、
そんな我が家でありましたとさ。
(おしまい)
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