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靴磨き選手権2024・準決勝観戦記

こんにちは、ばしです。

 

先週末の2日間、

靴磨き選手権大会2024の準決勝&決勝が阪急梅田本店で開催されました。折角の大阪での機会ということで、11/9(土)の準決勝を観戦してきましたので今回はそのリポートです。

まあ、リポートといいましても、

この選手権大会の観戦は今回が初めてですので「今年は○○さんに優勝してほしい」といった「推し」はおりませんし、加えて、シューシャインはほぼ素人の私でありますので、「おお、そんなクリームにそんな使い方があるのか」といった技術的な事柄についての理解にも乏しい。

そもそも、その手の専門的な内容は他の方がブログやインスタなどで紹介されるでしょうから、詳しいことは私自身もそちらを拝見するとして、この場では初観戦のいちオーディエンスとしての感想、といったことをつらつらとしたためました。そうすることで、来年以降の観戦時の助けになればと思う次第です。

まずは今回の準決勝に至る道程の確認から。

 

【大会日程とタイムスケジュール】

◎1st Round(福岡)
8月17日(土)一回戦・18日(日)二回戦

◎1st Round(東京)
10月12日(土)一回戦・13日(日)二回戦

◎Final Round(大阪)
11月9日(土)準決勝戦・10日(日)決勝戦

 

8月の福岡を皮切りにスタートした今年の大会。私が観戦した準決勝戦は、東京&福岡それぞれの予選を勝ち抜いた12名のシューシャイナーの方々が翌日の決勝戦に駒を進めるべく戦う、というものでした。

12名を4名✕3グループに分け、各グループ1位の計3名が決勝へ進出。また、各グループ2位の3名が敗者復活戦により決勝進出の残り1枠を競う、というもの。準決勝では計3グループの磨きと順位決定まで、翌日に敗者復活戦と決勝戦が行われました。

 

 

まず、当日の話の前にこの日の足元から。

何を履くか悩みましたが、革靴に関するイベントです。周囲から足元を見られても「ちゃんとした靴」でかつ「一目でそうと分かる靴」にしよう。てなことでツォップナートのAPOLLO(=旧ディンケラッカー)にしてみた。まあ、実際、チラチラと足元への視線を感じましたので、変な靴履いていかなくて良かったです。

余談ですが、このところ肌寒いこともあり、黒のダブルライダースを羽織って出掛けました。ただ、この日はかなり天気が良くまた会場内も結構暖かくて、もう少し薄手の上着でもよかったかも。この件はまた後程。

そんなことで、電車を乗り継ぎ会場入りしたのが開始5分前の12時55分頃。

前方は有料の観覧席です。青いテープからこちら側が立ち見エリア。その中央に写真のスタンドが。ブログ仲間のしんのすけさんの東京予選の記事に書かれてましたが、今年からスポンサー数もかなり増えているのだそうです。

予選までとは異なり決勝はかなりちゃんとした「ホール」での開催です。昨年までの決勝戦の会場がどんなかは知りませんが、注目度も上がりスポンサーも増えたことで、会場もこれまでよりも充実されておられるのではないかな、と。

この日は有料観覧席は半分くらいの入りでした。まあ、準決勝ですのでこんな感じか。翌日の決勝はほぼ埋まってたみたいです。あ、そうそう、大会の様子はYOUTUBEでもLIVE配信されてます。

開会に先立ち、Brift H(ブリフトアッシュ)代表の長谷川裕也氏ごあいさつ。周知のとおり、長谷川氏は2017年にロンドンで開催された「World Champion of Shoeshine(第1回靴磨き世界大会)」優勝者で、本大会の発起人でもあられます。先月にはユナイテッドアローズ傘下となったBrift H。今後の展開が楽しみですね。

 

競技の内容はといいますと、

全員が同モデル・同サイズの靴を20分間で磨いて仕上がりや磨きの際の所作などを競う、というものです。

準決勝のお題はこれ。

スコッチグレインのペア。市販時にはこれにモルトシャインを施した上で流通させるようですが、今回はその前時点のすっぴんの状態のペアです。黒いペアだと光り方くらいしか違いが分からなそうですが、このくらい明るい茶色だと素人目にも仕上がりの違いが堪能できるかもしれない。

 

そうこうしているうちに最初のAグループ。

20分の磨きの後、45秒間のプレゼンテーションタイム。プレゼンテーターの左隣が田代氏。反対側、写真の右端で薄茶のジャケット右半身と眼鏡の右目だけ見えてるのが飯野氏。予選を通じての大会の司会進行は毎回このお二方だそうです。私、飯野氏のインスタはかなり前からフォローしてまして、今回初めて動く飯野さんの「実物」を観ることも観戦の目的のひとつでありました。変な紹介になりあいすみません。

Bグループ。左の濱岡氏、確か彼だったと思うのですが、20分の磨きの後しきりにハンカチで汗をぬぐっておられました。20分間ずっと気を入れての作業です、観る側が思っている以上にハードなのかもしれない。

審査中の様子。

余談ですが、審査員の皆さんの足元は流石良さげな感じの靴が渋く光っておられました。ええ、そうですね、気になりますもんね。

この4名の審査員は20分の磨きタイム開始ののち程なくして別室に移されます。磨き終わった靴は、誰が磨いたものかを伏せた状態で会場脇に順次並べられます。こうすることで、先入観等なく純粋に靴の仕上がりのみで審査がなされるようフェアネスを担保しているようです。

で、嬉しいことに、審査員がいないときは我々一般オーディエンスもこれら磨かれた靴を間近で見ることができるのです。当然のことながら大会としての審査基準はあるわけですが、正直、どれも素晴らしくて素人には甲乙つけられませんでした。

 

最後、Cグループ。

司会の飯野さんの左隣が昨年の優勝者である新井田隆(ニイタリュウ)氏。ディフェンディングチャンピオンとして、二連覇に臨まれています。

さて、そんなことで、3グループ計12名12足の磨きとプレゼンテーションが終了です。プロの手にかかると靴はどうなるのか?

 

先程の磨く前のスコッチグレイン。

こいつが、こうなる。

おお、色は濃くなりトゥもピカピカ輝いてます。

一番手前、箱の上が【BEFORE】です。

並び順は、テーブル一番奥がAグループ、次いでBグループ、そして一番手前がCグループ。で、写真では分かりづらいのですが、12足全体を比べてみた印象としては、組が後になるほど全体的により光っていたように感じました。

それぞれのシューシャイナーの意図するところなのか、Cグループの一番手前のペアが全体的にかなり光っているからそう感じたのかもしれませんが、ひょっとして、会場の照明による温度上昇が作業に影響してるのかな、なんて風にも思えたり。

 

会場内の状況はといいますと、

まず、黄色の矢印が私。

黒い革ジャンにカーキのバッグ姿で最前列中央付近に構えております。写真はオフィシャルスポンサーであるトレーディングポストさんのインスタ・リールのスクショを拝借しておりますが、図らずも写っておりました(笑)。で、会場はこんな感じで天井がとても高く、檀上はスポットライトで照らされてます。ちなみに、写真は開始早々のAグループの磨き中のものです。

 

これが最終組のCグループの時はといいますと、

暑くて上着を脱いだ(汗)。

私だけでなく、左隣の方も右隣りの方もジャケットを脱がれているようです。時間の経過と伴に会場内の観客の数も増えて熱気も上がってきましたので、必ずしもスポットライトの照明によるものだけではないのでしょうが・・・。ただ、実際に壇上が温度上昇するのであれば、作業台に置かれたワックスや磨いてる途中の靴そのものへの影響なんてものもあったのかもしれませんね。

このスポットライトのことは事後のインタビュー時にコメントされていた方もおられたと記憶してます。福岡&東京での開催の様子を見る限り蛍光灯もしくはLEDの普通の照明の下であったようなので、やはり今回は予選会の時とは多少は勝手が違った面もあったのかもしれません。

ただ、各グループから上位2名の選出であり、グループごとの4名の作業条件は同じですから、審査の公平性の点からはそのこと自体には問題は全くないといえるかと。いずれにせよ、熱い戦いが繰り広げられた檀上は実際に温度の面でも暑かった、のかもしれない。

 

さて、

あらためて私の気になったペアについでです。

一番手前は、地元大阪・PLSB上田那央樹氏の手によるものです。上田氏は2022年の世界大会で2位の実績を誇るシューシャイナーです。ほかの方が様々な色目のクリームやワックスを使うなか、ニュートラル(無色)のみで仕上げたのだそう。踵から爪先へとつながる鏡面がとても美しい。写真でも伝わるのではないかな。ちなみに、そのひとつ奥が同じくCグループで昨年のディフェンディングチャンピオン・新井田氏の手によるものです。

上田氏。

新井田氏。

トゥキャップの切り返しから羽根側部分までパーツの光らせ方に違いが見受けられます。上田氏曰く、彼が準優勝した2022年世界大会時のチャンピオンの磨き方が全体を光らせるやり方だったそうで、今回はご自身も同様の磨き方をされてみたのだそうです。

実は私、上田氏にはコロナ禍前、PLSBの実店舗がオープンする前に一度だけ磨いてもらったことがあります。当時、御堂筋本町駅近くのauショップで無料のシューシャインイベントが開催されていて、その時に出張磨きをされていたのが上田氏だったと記憶しております。地元大阪のシューシャイナーということで応援しておりましたが、、、

惜しくも1位通過ならず。

ただ、見事2位で翌日の敗者復活に進まれました。で、ネタバレですが、最終日は敗者復活戦を見事に勝ち上がり決勝に進出、最終的には3位に食い込まれました。で、優勝は上田氏と同じC組1位通過の新井田氏。連覇を果たされて幕を閉じたようです。

おめでとうございます!

 

 

☆★☆

 

 

現場に足を運んでの感想ですが、

しかしまああれですね、途中休憩を挟みながら、とはいえ、4時間立ちっぱなしでの観戦はなかなかにしんどかったです。来年は有料席で観覧するか、磨きの20分の初めと終わり以外はフロア内の喫茶店などでYOUTUBEのLIVE配信で観戦する、というのもありかも。

磨いてる間は手元は遠くて見えませんし、スクリーンに大写しにはなるものの見づらく、スマホの方がはっきりと様子が分かる。会場入り口付近にモニターも設置されてましたが、興味を持ってもらって会場内に足を運んでもらうためのアナウンス的なもののようですし、何より座れないし。

で、今年は準決勝の観戦からでしたが、予選会も同様に配信されていたようなので、来年は予選も観た上で現場、というのが良さそうです。ファイナルに至る経緯を知っておいた方が応援にも力が入ります。

 

最後に、あわよくばプロの技を盗もうなんて思ってましたが、レベルが違い過ぎて私にはあまり参考にはなりませんでした。今回持ち帰ったことしては、私にとってのニューギヤの情報。

 

 

多くの方が使っておられたこの2アイテム。スマホのスクショでメモ替わりとしたものですが、司会の飯野さんの実況の中でよく耳にした「ハイシャインプライマー」と「リキッドワックス」。どちらもMモウブレイのギヤです。これ、私も買ってみようかなと。

それと、

Liricheのウエス。

これは会場入り口で販売しておりましたので早速購入してきました。プロの使うウエスと同レベルのものは磨きの腕を上げるための最短距離です。こいつの購入は当初からの予定通りであります。

そのほか、様々な色を混ぜて調色したり、ワックスを乳化性のクリームで伸ばして塗り込んだりと、皆さん様々に独自の工夫を凝らしておられるとのことが知れました。形だけではありますが、手持ちの道具で真似できそうなこともあったりで、私としましては、まあ、初観戦としてはまずまずの成果であったのではないかなと。

結局、今回は2日通しての観戦は都合がつかず、決勝はLIVE配信含めほとんど観れませんでしたが、沢山の様々なトップクラスのシューシャイナーの技を観る、という点では「あえて準決勝」との選択も悪くはなかったかなと。

 

 

そんな12名が最後に並んで記念撮影。

うーむ、素敵ですね。

決勝に進んだ方も今回は惜しくも叶わなかった方も、皆さんとても良い笑顔をされていたのが印象的でした。予選から数えること数ヶ月、長丁場の戦い、お疲れ様でした。いいもの見せて頂きありがとうございました。お陰で来年はさらに盛り上がりそうですね。

 

今から楽しみです。

 

(おしまい)

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