こんにちは、ばしです。
5月ももうすぐ終わり。
思えば、GWに自分でリペア作業に取り組もうと思っていたのですが、ズルズルと時間が過ぎてゆき今日まで結局何もせず終い。6月は「リペア月間」と位置付けて、買いは控えて既存の靴の修復に取り組む所存です。
ええ、なんせ実はね、5月は久々に買いまくってしまいました。新規の出品をサボった所為で売りもイマイチでもう真っ赤っかです。6月の自分への誕プレももう買っちゃったし、買いはいい加減休んで良いでしょう。
てなことでいよいよリペアに取り組むわけですが、そもそも、靴のリペアにおける要諦とは何か。考えてみました。今後実際の作業に取り掛かるにあたり、今回はこのあたりの私なりの考えと、前後して購入したアイテムなどをご紹介しておこうと思います。
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早速ですが、
革靴のリペアに求められることは何か。
技術や道具はさておいて考えますと、
機能的に回復し使用に問題がない【必要条件】
見た目に修繕したとは分からない【十分条件】
ということかと思います。使用に問題ない状態に回復させることに加え、見た目・外観にも優れていることがプロがプロである理由なんだと思います。
私たち素人の作業では、見た目の仕上がりについてはプロには到底及びません。ただ、「自分の靴を自分で履けるように修理する」わけなので、自身が妥協できる範囲であれば見た目はイマイチでも構わない。
この点については、ありがたいことに昨今は「チャールズパッチ」という名の、修理痕そのものをアクセント・チャームポイントとする風潮もありますので、「あえて見せる(魅せる)リペア」なんてものでも構わない。これであれば素人にもできるかも。
で、それらリペアを実現する方法は、
「補強」
「交換」
少し乱暴ですが、上記の2つに分類できるかと。で、それぞれを実現する技術や道具だてとして、
「ノリで接着する」
「針と糸で縫い留める」
「釘やカシメで留める」
基本的にはこの3つのいずれかもしくは複数の組み合わせによるものがほとんどかと思われます。で、プロがプロである理由は、道具と技術に優れていること。道具はがんばればなんとかなる。けれども技術は厳しい。特に、
「針と糸で縫うこと」
手作業かミシンかは問わず、こればかりはプロがプロたる理由なんだと思うわけです。つまり、素人がそれなりのリペアを行う場合は、
「ノリで接着して機能的に回復させる」
これで問題ないのであれば、素人でも最低限の仕事はできたとみることができる。縫わなくていいのであれば何とかなりそうです。
で、それだけでは機能的に不足そうな場合については、針と糸を使えばよい。その際、見た目の仕上がりの美しさは期待できませんので、「あえて見せる」もしくは「必要な最小限のみの縫い」とすることを目指すのが現実的であろうと思う次第です。
で、縫う際は手縫いで行う。機能的にミシン縫いでなくてもいいのなら、素人でも時間をかけさえばできることもある。商売ではないので、時間コストは十二分にかけられるわけで、これこそがプロにはなくて素人が持っている強みでもある。
思うままいろいろ書きましたが、自身の頭の整理のためにもここまでを表にまとめてみました(オールソールやトップリフトなど「交換」に類することはそもそも素人向けではないため今回は省きます)。
異論・反論あるかもしれませんがご容赦を。
で、あくまでも「素人」です。「プロを目指す素人」でもない。それを前提に、無い技術は使わなくて済む修繕方法を模索しつつ、時間の制約なしに取り組めるといった素人の趣味だからこその利点を生かしていこうと思います。そのように取り組む上で重要と思うことが表中の色のついた箇所です。補足しながらご説明します。
まず、最も重要なことは、
「仕上がりの美しさは求めない」
ということ。これこそが素人が自分の靴のリペアに自分で取り組む上で一番大切かつ理想的なスタンスではないか、と、私は思う。なぜなら、素人だから。プロを目指してもいないから。
だから、素人なりの仕上がりで良しとする潔さが、DIYリペアに踏み出しやすくする第一歩ではないかと思うのです。私自身なかなかそのように思えなくて、踏み出すまで1ヵ月以上躊躇してしまった。
ただし、だからといって、出来栄えが悪くていいわけではないし、出来の悪さをなんでもかんでも「素人だから」などと言って誤魔化すことはしたくない。見栄えの悪さはやはり最低限としたいし、またそうすべきです。
この上で、実施に当たっては、
①裏側や内側など、そもそも見えない箇所で補強する
②隠しようもないときあえて修理痕を見せる&魅せる
③可能な限り「ノリ貼り」による補強のみで完結する
このスタンスで臨もうと思う次第です。
①は、そのまんま。補強や補修は内側などできるだけ見えない部分で行いたい。どうしてもそれが難しい際は、②あえて修理痕を見せる。チャールズパッチのような魅せ方としたい。そして、①②いずれの場合も、③出来る限りノリ貼りで完結させたい。縫わなくて済むのであればその方が良い。下手くそな縫い目を晒したくないから。縫わざるを得ないときは最低限だけ手作業の力技で縫う。
そんな風にできたらと思います。まあ、頭の中では、ね。あとは、やってみてどうか。そもそも出来るのか。実戦?実践?あるのみ笑。てなことで、今後投入するやつら、
ご紹介。
リペアグッズたち
色々買いました。まずは右下側分。
もろもろ、浅草のプロ御用達のお店のウエブショップで購入しました。
「ノーテープ9820」。糊ノリです。普通のゴム糊でうまくいかなかったことをインスタでアップしてたら「靴のリペアにはこいつ」と教えて頂きました。で、この糊を探してたらこのショップに遭遇し、余計なモノまで買ってしまった笑。ノーテープの下の黒いのはビブラムのトップリフトです。
左上の巻物がハーフラバーのシート。そのほか、トゥスチールにねじ、左下はカーブした形状の「針」。右の黒いのは革を梳くための包丁らしい。ほう、ちょうですか。ちょうほうしそうね。
送料消費税含め6336円。お買い得ではないかな。で、GW前に準備してたんですけどね。1ヶ月の時を経て、いよいよ出番は近い。
(参考:マモルオンラインショップWEBサイト)
で、他に買ったのがこんなの。
メルカリ、他で購入。
革のハギレです。思ったよりも安かったけど、思ったよりも分厚かったです。このまま使えるのかどうか、未定。
佐藤塗料株式会社(神戸•長田区)の「LEATHER TOUCH パテ」(パウチ包装)。ばたさんより教えて頂いたグッズですが、屈曲部のクラックを補修できると噂の品なんだそう。とりあえず黒と茶を揃えました。どのペアに使うのかはまだ未定ですが、まあ、なんかあるでしょう。
(参考:佐藤塗料さんオンラインショップ)
そして、最後のギヤ。
ユーズドをメルカリで購入。
こいつ、「電気ゴテ」です。本来はアートフラワー(造花)の作成で使用するものです。刃形のコテで布に筋を入れて葉の葉脈を表現したり、球状のコテで花びらパーツ1枚づつにアールを付けたりするものです。球状のコテが欲しくて、他はおまけでついてきたのですが、踵など湾曲した部分に革のパッチを貼る際に、踵なりにカーブを付けられのではないか、そんな期待感を持って購入しました。上手くいくのでしょうか。
さて、ということで、
リペアが必要なやつら
一杯あります。さくっとご紹介。
ソールが後ろ半分剥がれました。一度リペアにチャレンジしてみたのですがうまく行かず(過去記事)。その際に先ほどの「ノーテープ」が良いと教えて頂いたのでした。まずはこいつからかな。
(※追記:この後リペア完了しました、こちら)
お次。
こいつは昨年のシーズン終了際に崩壊したのでした。プロに修理依頼のつもりでしたが、折角ノーテープ買ったし、こいつもまずは自分でやてってみよう。
次、履き口。
昨年12月に拾ってきた「マトリクス」のペア。踵履き口にダメージあり。梅雨が明けたら出番です。夏までに修繕して登板させたい。
次も履き口。
EG製のブルックスイングリッシュ。こいつも昨年12月に拾ってきてそのまま放置中。マトリクスよりも程度の酷い履き口のダメージ。これはチャールズパッチを試してみるしかなさそうな予感。まあ、具体策はこれから検討です。
そして、
ダメージ規模これまで史上最大のやつ。
ALDEN
4月に奈良で数千円で拾ってきたオールデン。アンノウン扱いだから安いのかと思って、よくよく状態を確認せずにレジに直行して持ち帰ってきたのですが、
ガーン。
右足内側が土踏まずを中心に7センチほど破けてます。親指先から右斜め上45度の角度で伸びている数ミリほどの薄茶の線、これは、ソックシートの断面です。そう、きっと我々は、装着された状態のオールデンのソックシートを真横から見た最初の人類なのかもしれない。
結構笑える絵であります涙。いやあ、どうすればこんなダメージになるですかね。で、どのようにリペアすればよいのだろうか。このところずっと、アイデアを練ってる最中です。拾ってきてしまいましたので、履ける程度には機能回復を図る所存です。先に挙げた茶の4足の経験を積んだ上で、自分なりに取り組んでみるつもりです。
(5/30追記;もう1足ありました。記載漏れ)
旧いリーガルのエプロンフロントダービー。履き下したその日に、モカ部分に沿ってちぎれてしまいました。どのように修理すべきか悩み中。
(※追記:この後リペア取り組みました、こちら)
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もう、逃げられません。
我ながら大変なことになりました。
いやはや、骨が折れそうですな。
いやまあ、実際折れたら困るけど。
ですが、どれも素晴らしいペアです。
やってみる価値は十二分にあります。
夏が来るまでにリペア完了が目標です。
ええ、もちろん今年の夏です。たぶん。
(おしまい)