THE SOVEREIGN HOUSE の靴

こんにちは、ばしです。

 

先週日曜日のことです。

いつもの近所のケーキ屋「ガロピーヌ」にて購入。チョコレートの分厚い層が硬くて、まっすぐ刺さらないキャンドルは「2」と「5」。

 

先週日曜日、3月20日は25回目の結婚記念日なのでした。

今年は翌21日が春分の日でしたが、1997年の春分の日は3月20日でありました。あれから25年。いやー、月日が経つのはほんと早いなあ。なんて風には特段思いませんが、飽き性の私にしてはよく続いているなとは思う。ひょっとして、春分の日に結婚したせいで諸々バランス取れてるとかでしょうか。ま、実のところは家内のお蔭、なんですけどね。そんなことを考えながら迎えた記念日は、朝から仕事でした。

 

話は前後します。遡ること2週間前。

3月2週目の半ば、家内が発熱→PCR陽性。数日遅れて、息子が発熱→PCR陽性。とのことで、先週末までの十日間、リモートワーク&自宅待機をしておりました。社会人になってちょうど30年、平日は朝飯は摂らないのですが、この十日間は朝昼晩の食事づくりほか主夫業な日々。

家内の分は和室へ、息子の分は彼の部屋へと配膳するのですが、大人の女性と若い男性とでは好みも食べる量も異なる。普段は土日のみ夕食当番な私が、手を変え品を変え、家族4人分を毎日3食。思った以上に大変でした。

そんなこんなで十日間。幸いにも娘と私は体調に何ら変化なし。目出度く待期期間を終えたのでした。で、これまた幸いなことに、待期期間が空けたと同時に三連休です。よし、今のうちに溜めてしまった仕事を片付けてキャッチアップしとこう。

 

そんなわけで朝から久々の職場へ。

渋滞知らずの道をスイスイと30分。誰もいない、電話も鳴らない日曜の午前。仕事もスイスイと捗り、昼過ぎであらかた終了。近くの丸亀製麺でアサリうどんを食らい、その後は久々に古靴アサリです(笑)。帰る道々で立ち寄ったセカストで早速遭遇しました。迷わずレジへ。

 

手には、こいつ。

 

 

 

SOVEREIGN by Edward Green

 

 

ユナイテッドアローズのハイエンドラインである「SOVEREIGN(ソブリン)」。

国内外の最高峰のファクトリーやブランドを扱うこのレーベルは、これまで何度か場所を変え、現在はユナイテッドアローズ六本木ヒルズ店内にショップインショップとして店を構えている、らしい。

行ったことないですが、昔むかーしに名前だけは聞いたことのあるUAのソブリン。なんでかなあと思ったら、英国靴好きな先輩がこのロゴの革靴履いてたな。で、確か製造はエドワード・グリーンとの話だったはず。

いい歳したオッサンですが、この手の記憶はしっかりしてます。で、何より、グリーンのことは詳しくはないですが、このソールです。

ソール中央には筆記体で″Made in England”の文字。ヒールには3本寄せた釘。ああ、これはもう間違いなし。英国靴に詳しくない私でもそうと分かります。

内側の文字。

 

小窓なしの手書きです。

「UA」とあります。「United Arrows」向け、とのことのようです。「BRISTOL」というのはモデル名と思われますが、EGオリジナルでも同じモデル名のがあるのでしょうか。よくわかりません。

「32」はラストのことらしい。詳しくはないのですが、「ドーバーラスト」と呼ばれるEGの中では細身のラストとのこと。まあ、このあたりのことは、英国靴やEGに詳しいブログや記事が沢山ありますので、素人の私はここまでで。

で、このペア、サイズ表記はなんと「7 1/2 E」!!
右から左へ転がすつもりだったのですが、毎度のことながらそんなやつに限ってマイサイズで、もうね、なんか笑けます。で、そんなのが税込み1万円でお釣りですから、私でなくともレジへ走るでしょう。

まあね、EGとして扱われなかった以外にも、安い理由はあります。
これ。

し、シミが・・・。

なんて、まったく思わない、気にならない私です。そりゃあね、靴ですから。履いてりゃシミにもなるわな。それが嫌なら大事に棚にでも飾っとけよっ。あ、いや、履いてたからのシミ、ですよね。失礼。

 

よし。とりあえず儀式です。早速メンテ。
いつもの手順で、いつも通りまずが左から。

 

 

ステインリムーバー

汚れもワックスもほとんどなし。

同じ32ラストのドーヴァーはスキンステッチですが、こちらは同じUチップですが、普通のモカステッチです。

 

LEXOL

コバ周りを丹念に、アッパーも。

シミは、まだシミのまま(←実ハ少シ気ニナル)。

 

リッチデリケートクリーム

もどきではなくちゃんとしたやつ投入。引き続き、

 

リッチモイスチャー

もちもちになるやつ投入。

シミはシミのままですが、

アッパーが生き生きしてきました。

 

TAPIR レダーオイル

オイルアップ。

シミ、目立たなくなるかと期待しましたが、それほどでもないな。

まあ、若干は目立たなくなったかな。

さて、オイル入れましたので、15分くらい寝かせよう。その間にソールメンテ。

ソールトニック。

パーれードグロス。

コロニルで仕上げ。我流のいつもの手順です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

うーん、満足。自己満足。

さて、再びアッパーへ。

 

 

コロニル1909ライトブラウン

補色も兼ねて、ニュートラルでなくライトブラウン、入れてみました。

おお、なんだかよさげですかね。

白っぽさはなくなったかな。

シミ、、、。

まあ、痘痕も笑窪ということで。

右も同様の手順で、メンテ完了!

 

【BEFORE】

【AFTER】

劇的には変わりませんが、まあ、少しは良くなったでしょうか。

 

 

【BEFORE】

【AFTER】

うん、まあまあ、いい感じかな。

別角度から。

遠目ならシミもそれほど目立たんでしょう。

 

さて、ディテール見ていきましょう。

一番特徴的な箇所から。

あれれ?そう、気づきました?

Uの下の縫い目ですが、な、なんと、繋がってません! あ、何を今更って感じですかね。失礼。兎に角、モカ部分の下側は革は、1枚の革に切れ込みと縫い目、のようです。スキンステッチでない分、余計に目立ちます。しかしまあ、見たことない意匠です。なぜに上までばっさりいかない?よくわからない。

バックシャン。

お尻がどうこうというよりも、細身ですね。入るのかな・・・。

サイドビュー。

スマートなアッパーに、分厚いソール。ダブルソールなのでしょうが、それにしては厚手ですな。ま、好みです。

ドーバーなどのモデルのソールはハーフミッドソール(土踏まずはシングルで接地面だけダブル)な仕様のが多いようなのですが、これは爪先から踵までダブルソールです。個人的には、どちらでもOK。

 

さて、この日は天気も良かったので、お日様の下でも記念撮影です。

おおー、シミ、目立ちません。

近くだと流石に、、、ですが、こんな近くから見られることまあないし。

他人から見られるのって、だいたいこんなアングルからですよね。まあよほどの靴好きでない限りそんなジロジロ見ないでしょうし、問題ないでしょう。

で、そんなことよりも、EGに詳しくない私。

ある疑問がふつふつと。

 

 

旧工場製?

なのか、こいつは?
調べてみる限り、ネットで出品等されている「ソブリン」のペアは「エドワードグリーンの旧工場製」と紹介されているものがほとんどなようなのですが、こいつもそうなのでしょうか?

詳しく知らないのですが、そもそも「新」と「旧」の境目となるのはいつなんでしょう? 詳しくないなりに調べてみまして、逆に混乱しております。1890年創業のエドワードグリーンの歴史を紐解いてみました。かいつまんでみますと、

 

・1979年、米国企業に売却され倒産寸前にまで陥る。
・その後ジョン・フルスティック氏が買い取って再建に取り組む。
・1980年代には著名企業のOEMを数多く請け負いV字回復を果たす。
・1995年、エルメス傘下のジョンロブの製造を請け負う。
・この後、エルメスに全株式を売却。結果、図らずも、
 100年続いた工場(所謂「旧工場」)を手放すことに。

・その後、新工場にて紆余曲折の上復活を果たし現在にいたる。

 

最初と最後の方はかなり端折ってしまいました。

上の流れを見ますと、1995年過ぎには「旧工場」から「新工場」へと移行しているわけですので、90年代後半のいつかのタイミングから、グリーンの靴は「新工場」製ということなようです。

なのに、

今回のユナイテッドアローズの「THE SOVEREIGN HOUSE」。
実は、レーベルのスタート自体が1997年なのです。

 

これってどういうことなのでしょう?
UAはどこにOEMを委託したのでしょう?

エドワードグリーン?
そうではなく、「元はグリーンの工場」であった「ジョンロブの既成靴を製造するようになった工場」に委託したのか?

思いますに、そもそも1990年代後半の件(くだん)の工場ってのは、

「エドワードグリーンにとっての旧工場」であり、かつ、
「ジョンロブにとっての新工場」ともいえるのではないか?

それって、UAは製造をジョンロブに委託したってこと?
あるいは、工場は単体として別法人として稼働していたのか?
そうであるなら、その工場は今も存続しているのか?
あるいは、工場が手放される直前にEGに発注&納品されたものなのか?

うーん、よくわかりません・・・。至極基本的な事柄を知らずに彷徨ってるだけなのかも。詳しい方おられましたら、ご教示ください。

 

 

ただ、分かったことがもう一つあります。

1997年の「THE SOVEREIGN HOUSE」のスタートですが、正確にはなんと!
1997年の【3月20日】なんだそう。

そう、25年前、銀座4丁目並木通りにユナイテッドアローズの最高峰のメンズショップとしてオープンしたその日は、まさに私と家内がメオトになったその日だったのでした。

で、なななんと!

そんな靴と遭遇し、持ち帰ってきたのが25年後の【3月20日】・・・。

もうね、こんな偶然はありえないでしょう。これはもう、必然以外の何物でもない。休日に働いたご褒美か、はたまた、私の元へ来るべくしてやって来たのか。そう、これは、

ジャジャジャーーーン♬

運命です。そうでなくとも、記念日にこれ以上なく相応しい1足なことは間違いない。

 

嗚呼、神様。今回も素敵な出会いをありがとうございました。

嗚呼、神様。次は黒のペアをお願いし・・・。

 

(おしまい)

2件のコメント

  1. いつも楽しく拝見しております。
    参考になるかもしれませんので、
    よろしければ、ご覧下さい。

    1. tomo80さま
      チラ見させて頂きましたが、とても面白く参考になりそうです。
      後でじっくり拝見します。ありがとうございます!取り急ぎ御礼まで。

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