こんにちは、ばしです。
月初めの7月7日(日)。
七夕のこの日、毎月恒例のお御籤を引きましたところ、
おおっ、久々の大吉です!!
これは今月はいいことがありそうだな。
早速ありました。
帰り道のセカストにて。
旧そうなやつが安くなっていた。
1300円+taxのところ30%オフの税込1001円。
まあ、いうなればタダみたいなもんです。
値札にはこんな説明が。
VINTAGE/JUBILEE
SHOES/ドレスシュー
とあります。
「JUBILEE」って、何? 聞いたことないな。どこのメイカーなのでしょう。とはいえ、お店側でもこいつがビンテージ靴だという認識があるようです。こいつ、初めて遭遇したのは1年以上前ではなかったかな。で、その時は確か1万円ほどの値札だったと記憶しております。
いくらビンテージとはいえ、こんなぼろいやつによくもまあ1万円だなんて強気な値札つけるなあと思ったことをはっきりと覚えているので間違いない。それが十分の一の値段になったわけですが、それでも売れない。
そりゃ売れない。ぼろいしこのままは履く人なんていません。どれほどのぼろさかといいますと、
右足内側。汚いです。
いや、旧いビンテージならこんなのもあるでしょうけど、ビン靴好き以外の人は足を入れる気にすらならないでしょう。爪先側がファブリックで踵側がレザーなライナーなわけですが、
左足踵側はこれです。腰裏リペアしてありますが、その当て革すら毛羽だって美しくはない。
この下、どうなってるのかな。剥がして再度きれいにやり直す必要がありそうです。で、お気づきの通り、
左のソックシートが欠損しております。いくらビンテージとはいえ、この状態の靴を試着しようなんて人はまずはいないでしょう。とはいえ、ビンテージです。ど・ビンテージであることは間違いない。一番の証は、
7アイレットなこと。
これが米国ビン靴であるならば、年代もそれなりに旧めのものである可能性が高そうです。まあ、汚いんですけどね。
さて、こいつはどこの何者なのか。値札の「JUBILEE」の文字は、何を見てそう書かれたのでしょう。手掛かりは片方にだけ残されたソックシートのこの文字たち。
かなり履きこんであるようです。
読めますでしょうか。
拡大して色補正してみた。
???
TOPCRAFT
SHOE
◆のロゴの中にはそう書いてあるようです。「TOWNCRAFT」なら知ってますが「TOPCRAFT」って聞いたことないな。で、その下には
APPROVED
for
FASHION
BY
JUBILEE SHOES
と書いてある、というのがセカストさんの見立てらしい。私には「ROBLEE」と書いてあるようにも思えるのですが、違うのでしょうか。いずれにせよこのペアは、「TOPCRAFT」向けの「JUBILEE SHOES」であるようです。それぞれ調べてみた。
TOPCRAFT
結論から言いますと、アメリカの百貨店ブランドのようです。その昔のアメリカの三大百貨店はそれぞれストアブランドを持っておりました。J.C.ペニーの「TOWNCRAFT」やシアーズの「SEARS(ROBUCK)」あたりが有名ですが、今回の「TOPCRAFT」というのは「モンゴメリーワード」のストアブランドらしい。ただ、前の2つはユーズドの革靴が沢山流通しているのに対して、TOPCRAFTについてはネットで検索してもシャツやパンツばかりで靴がヒットしないんですよね。そもそも出会ったこともない。あまり力を入れていなかったのでしょうか。
かたや、こちらで検索してみましたところ、出ました!
JUBILEE
いやあ、勉強不足でした、知りませんでしたが、1940s-50sの頃のアメリカのロカビリースタイルを復刻させた日本の靴ブランドがあったそうな。1990年代頃まで代官山にショップがあったようです。それが「JUBILEEジュビリー」。メルカリで検索してみただけでもそこそこの数にヒットしますが、大体1990s頃に製造された、購入した、というペアが多いようです。
メル仮で検索してみましたところ、
結構ありますね。ツートンのなかなかに素敵なペアが多く、お安くもないのに結構売れてます。ブランドがクローズになった今でも今も人気があるんですね。ちなみに、
ソックシートのロゴはこんならしい。
なんだ、私のとは全然違うじゃん。
と思っていたら、
あらま。ビンテージライクなトップリフトにちゃんと「JUBILEE」と書いてありましたわ。こいつは米国ビン靴ではなくて、バブル期のジャパンビンテージ・JUBILEE、ということなのか。
いや、ちょっと待て。
であるならば「TOPCRAFT」の文字は一体何なのでしょう。
再掲。
まあ確かに、ソックシートに「FASHION」なんて文字が入っている時点で昔の日本製っぽいといえるかもしれないし、TOPCRAFTのビンテージシャツで見かけるロゴもこんな◆なデザインでもない。「TOPCRAFT」を冠した日本のショップか何かが当時あって、そこがジュビリーさんにOEMを依頼したのかも。
ただ、ただ、ね。
先程のメルカリのジュビリーさんのソールはどれも出し縫い糸が爪先から土踏まず当たりまで、なんですよね。マッケイもしくはマッケイグッドみたいなものばかり。それに比べると今回のペアは、
出し縫い糸はヒールまでしっかり。
その上、こいつ、
縦ドブのヒドゥン?のグッドイヤーのようにも思われる。
ひょっとしたら、例えば、実はこいつは「TOPCRAFT」向けの「ROBLEE」のペアに後で「JUBILEE」のトップリフトに付け替えた、何ていう可能性はないのか。ただ、さらに分からないことが。
ソールには「9」の下に「8 1/2」のも刻印が追加されている。これを見ると、「US9なんだけどUK8.5です」と後付けでわざわ英国向け商品としたようにも思えなくもない。
なんだけれども、
内側の印字。
恐らく「1010」がモデルナンバーで「9」がサイズかと思うのですが、このスタイルはメルカリで見かけるJUBILEEさんのそれに酷似してたりもする。やはりこいつはジャパンメイドのジュビリーなのか。
であるならば、ひょっとして、本家アメリカのモンゴメリーワードが日本のジュビリーに別注をかけた、とかってのはどうでしょう? そんなことってあったりしない? けども、なんせモンゴメリーワードのクローズは2000年らしいですので可能性としてはなくもないよね。
ま、
私的にはなんでもいいんですけどね。ただ、ひとつ言えることは、こんなに個性的な靴をこんなになるまで履き倒した御仁がいた、ということですかね。きっとお気に入りの靴だったのでしょう。
とりあえずはまた履けるように、この週末あたりから弄ってみるつもりですが、うーむ、何やらまた得体のしれないものを拾って来てしまったようです。ですが、
「全国のリユースショップに転がってるビンテージ靴の保護活動の活発化!」
などと宣っております手前、まずは櫂より始めてみました。この続きはまたそのうちに。何かお気づきなことご存知なことなどありましたらコメント欄よりご教示賜りたく。まあ、謎は謎のままの方がロマンもあっていいかもしれませんが。てなことで、
今回はここまで。
☆★☆
・・・のつもりでしたが、最後に。
こいつを拾ってきた七夕の足元はこいつでした。
1940-50sの米国靴をオマージュした1980sの日本製です。類は友を呼ぶ、ではないですが、いやあ、ここまでシンクロしますとね、何やら薄ら寒くもあります。
夏場にはありがたいかも。
(おしまい)
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