こんにちは、ばしです。
これからの季節、秋から冬にかけて活躍してくれそうな1足の紹介です。外羽根ショートウィング、外ハトメ、ストームウェルトにシボ革と、カントリーの匂いが溢れ出ているこの靴。。。
あ。
す、すみません。ビン靴の先輩ブロガー・Tomojin 329さんの記事の出だしを丸パクリしてしまいました、お許しください(汗)。いやあ、でもね、そりゃそんな風にもなりますって。どんな風かと言いますと、Tomojin329さんのblog「vintage shoes archive」の最新の更新が2020年の9月なわけですが、それ以来この2年の間に、
「そろそろ更新されてるかも・・・」
と、アクセスすること数え切れず。その都度、最新である記事とそのペアを幾度となく目にしてきたわけです。で、同じ記事を2年も見続けてると思い始めるわけです。
「僕もこの靴が欲しい・・・」
折しも、時はブログ開始から丸5年を迎える目前のタイミングです。節目に相応しいペアは何か、と、探すわけですが、ebayで買った2足の到着は6年目のスタートに間に合わないかもしれない。ならば、今から国内で。であるならば、どうせならドメスティックなやつにしよう。
てなことで、こいつに白羽の矢を立てたのでした。早速探してみました。1日目でヒットしました。2日目に丸一日かけて検討の上、3日目にぽちりました。その4日後に届きました。早速メンテいたしました。節目に間に合いました。
6年目のスタートは、こいつで。
UNION IMPERIAL(COUNTRY U1211)
リユースショップでもフリマアプリでも、ちょこちょこと見かける「ユニオンインペリアル」。1919年創業の「世界長」と1952年創業の「ユニオン製靴」が2010年に合併し誕生した「世界長ユニオン株式会社」のプライベートブランドがユニオンインペリアル。こんなブランドらしい。
「世界に誇る靴づくり」を目指し、イタリアの靴づくりを日本でいちはやく取り入れたユニオン・ロイヤル伝統の靴づくりを“ ハンドソーン・ウェルテッド製法 ” で再構築。 1972、73、74年にイタリアの国際芸術皮革製品コンテストで日本初のオスカー賞を受賞した「UnionImperial」ブランドをリバイバルして、 2008年Spring/Summerシーズンよりスタートしました。
日本人の足型を研究した木型やハンドフィニッシュなどのテクニックを駆使し、昔ながらの手作業により生み出される一足一足はエレガントで履き心地がよく、 美しい輝きとシルエットに仕上がっています。
(同社ホームページより)
うん、いいですね、そんなブランドとは知りませんでした。ドキドキわくわくするドメスティックなメイカーなようです。他に、「マレリー」や「ソフィス&ソリッド」なんてのも世界長ユニオンの持つブランドらしい。
マレリーってやつはおじさん(おじいさん?)向けのペアですかね、マッケイのペアをちょこちょこ見かけます。が、ユニオンインペリアルのペアはメルカリでは出品多数あるようですが、リユースショップではあまり見かけないような。今回のペアは「トレファクOLINE」。ネットで検索、関東の方のお店にあったやつのようです。
余談ですが、
ebayで買った2足、今日までの到着は無理と思ってましたが、結局届きました笑。でも、今年の節目はこれと決め、すでに買ってしまい、到着してしまいましたのでこのまま前へ進みます。いい歳したオヤジにバックギアは付いてないのです。
そんなマイファースト・ユニオンインペリアル。なんでまたこいつをそんなにまでして探したかと言いますと、
アッパー。シボ革です。
アノネイ社の「アルカザール」というシボ革が使用されているらしい。で、アルカザールは型押し原版が破損してしまい、今はもう作られていないんだそうです。 おお!今はなきやつです! そのフレーズにはめっぽう弱い私です。
そんな私が「アルカザール」という革について初めて知ったのは、これ。
IRONさんが金沢のKOKONさんでオーダーされたアデレートなペア。めちゃかっこいい。IRONさんのブログ「Ramblin’ On My Mind」の2年前の記事(こちら)を拝見して以来、私も茶のアルカザールが欲しいと思っていたのでした。
外羽根ショートウイング。色味・形はIRONさんのKOKONとは全く異なりますが、これはこれで大変素晴らしい。ソールはダイナイトですが、このペア、ハンドソーンウエルティッドの日本製だそうです。
ちなみに、このユニオン社の「COUNTRY」、デッドストックの革を使用したものが今もラインナップされていますが、「リバイバル」で「中国製」になっているらしい(同社ホームページ)。
で、そもそも、オリジナルはいつ頃だったのか?
当時の雑誌に掲載があったとのことで、確認したくてバックナンバーを入手しました。
男の靴雑誌「ラスト」ISSUE06。
Tomojinさん情報ではこいつに紹介されていたとのこと。
2014年4月30日発行。いつの時点で一旦廃盤になったのかは分かりませんが、おおむね10年ほど前のペア、ということのようです。早速中面を確認です。
見開きの左一面がユニオンインペリアル。で、右上の黒がU1211。
フルブローグダービー。¥36,000。
おお、まずまず手が出る値段です。と思ったけど、今のリバイバルのペアは¥52,000(+TAX)。約10年で1.45倍の価格に値上がりした、ということのようです。いやはや、いろんなものの値段が上がってますが、あらためて革靴のそれは上がり方が半端ないですね。
メルカリで現行モデルの中国製が2万円ほどで出品されてるのを見かけました。日本製のこいつ、ウエルト周りもだいぶ削れてることもあってか、1万円ちょっと。まあ、まずまずお得に買えたかかな、と。
お、ばっちし「U1211」の刻印。で、こいつ、UK7.5です。サイズは大丈夫、な、はず。
さて、儀式です。メンテし甲斐在りそうです。
いつも通り、まずは左足から。
ステインリムーバー~LEXOL
写真撮り忘れまして、ツーステップめです。
少し赤の強めの茶色です。
デリケートクリームもどき
いつもの手順で。
想像していたよりも水分を吸い込みます。
TAPIR レダーオイル
油分補給&保革。
おお、いい感じではないでしょうか。
オイル入れましたんで、気持ちばかり、15分ほど浸透させます。と、その間に。
コバインキ
擦れたコバ周り色入れてきれいにしましょう。
左右とも入れました。仕上がったらきっと引き締まっている、はず。
コロニル1909(ダークブラウン)
濃茶いれてみました。
赤っぽかったのが少しだけ黒っぽくなった。
茶は濃いめが結構好みです。
てなことで、右も同様の手順で仕上げて、メンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
おお、いいねえ~。2万円くらいで売れそうです。売らんけど。
【BEFORE】
【AFTER】
濃茶入れて正解。綺麗に補色もできました。
外鳩目の塗装に剥げもなし。靴紐は少し汚れてますが、カントリーの名に相応しい太目のがっちりしたやつです。
ストームウエルトは360度ぐるり。独特なシボの感じが素敵です。
踵周り。デザイン的にもシンプル過ぎず、ゴテゴテし過ぎず、好みの造作です。
この日は、最近購入した3足をまとめてメンテしました。
記念撮影。
う、うん?
カカトの位置を揃えて確認です。左から、
Poulsen Skone (UK7.5)
Union Imperial(UK7.5)
ONLY by Meermin(UK7)
う、うーん。いやあ、もうね、なんなんでしょうね。靴のサイズ表記って、ほんと当てになりませんな。まあ、それでも見立てて勝負するのがニッポン男子ってもんです。
それに、この角度だと大きさの違いも気になりません。あ、あんまり意味ないですね。。。
とりあえず、足入れてみました。
おお、グッドです。
ややゆとりある作りですが、週末の仕事用でない靴下でジャストな感じ。デニムに合わせてみましたが、ジャケパンでもしっくり収まりそう。オンオフどちらでも活躍しそうです。
今回のペア。
大変素晴らしいです。
わざわざ探した甲斐がありました。
ただ、不思議に思うことが一つ。
歩いてもアルカザルとはこれ如何に
うーむ。
走れ、ということでしょうか?
革靴履いて走るのは嫌です。
代わりにブログの方は走り続けよう。
そんなこんなで6年目、
引き続きゆるりとお付き合いのほど、
よろしくお願いいたします。
(おしまい)