こんにちは、ばしです。
前回の続きです。
買っちゃいました。
マイファースト・Ventilated Shoes
真っ黒のベンチレイティッド・シューズ。
まあね、他人がどんな靴履こうが誰も皆そんな気にしてませんので、別にツートンカラーでも構わないのですが、ワントーンの方がどんな服にでも気兼ねなく合わせられて気軽に履ける。黒となると尚更です。
うん、よいのではないかな。
このスタイルのエントリーとしては黒1色というのが敷居が低くてよいかも。また、販売する側の立場からしてもその方が在庫リスクが少なくて良いのではないか。そういったマーケティング上の理由からも、この靴はワントーンでいくと決まったのかもしれないな。
とはいえ、万人向けのスタイルではありません。そもそも、靴は服と比べてサイズ展開が細かいので売れ残るリスクが高いんじゃないですかね。既製靴でこのスタイルの靴の製造&販売をよくぞ決断されたと思います。ということで、靴の詳細の前に、そんな英断を下したのはどこのどんな会社なのか、こいつは一体どこの何者か、からご紹介。
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TAKA-Q の靴
出品情報のスクショです。
35~6年前にTAKA-Qにて購入しました。
とあります。おお、久々に聞く名前です。いきなり種明かしとなりました。このペアは、出品者さんが1980s後半に紳士服のタカキューさんで購入されたものだそうです。
旧い割には状態が良さげに見えます。
その理由は、毎日仕事で履くスタイルの靴ではないことに加え、商品説明にある通り「とても大事に履いていた」からなんだと思われます。お陰で今日までグッドコンディションをキープできたのでしょう。持ち主に恵まれた幸せなやつです。
お値引き頂いたこともありますが、そんな靴が送料込み3200円。値引き前も3700円ほどでしたので、かなり安いと言えるわけですが、その理由は「タカキューの靴」だからでしょうか。紳士服のタカキューさん。馴染みはあるもののあまりお世話になったことはなかったな。調べてみました。
昭和22年創業者である高久泰憲が、新宿西口において紳士衣料の店舗を個人営業店として開設、その後業容の拡大に対処すべく昭和25年6月30日付をもって株式会社高久として当社を設立しました。当社は、昭和44年大井町店の出店を契機としてチェーン展開を開始し、令和6年2月29日現在120店舗のチェーンストアを有する紳士服・紳士洋品雑貨及び婦人服・婦人服洋品雑貨を扱う小売専門店であります。尚、当社は、昭和59年5月29日付をもって商号を株式会社タカキューに変更しております(同社ホームページの沿革より)。
かつては日本一の売上高を誇ったこともある老舗紳士服チェーン・タカキュー。都会的なイメージを打ち出して人気を得て、1992年のイオンとの資本業務提携を機に郊外にも出店を増やしてきた、らしい。おお、そういえばその昔、実家から最寄りのジャスコにもタカキューが入っていたように記憶しております。
最近はあまり聞かないな。なんて思っていたら、
コロナ禍の直撃を受け売上半減、2022年2月期決算で債務超過となり上場廃止の危機に陥っていたらしい。幸いにも今年1月に官民ファンドによる再生支援が決まり上場廃止は免れ瀬戸際からは脱局。再建に向け鋭意頑張っておられるとのことのようです。おお、そうなんですね。ぜひぜひ元気に復活してほしいですね。
で、タカキューさんはパブリックカンパニーだったんですね。不勉強で知りませんでした。紳士服チェーンとして売上日本一になったこともあるとのことですが、失礼ながら量販店さんなので高級なイメージではない。加えて、昨今のスーツ離れもあってカジュアルにも力を入れているとのことで、「革靴」のイメージはさらに薄い。そんなことも手伝ってなかなか売れづらく、お安くゲットできたのだと思われます。
ですが、
この靴は1980s後半のものです。
そう、この靴はバブル期最高潮の年代の品です。同時期前後のタカキューさんはと言いますと、IPOを果たされたのがバブル期前夜の1984年。紳士服大手の青山商事がタカキューを抜いて売上ナンバーワンになったが1991年。ということらしいので、今回のペアは
「バブル経済のど真ん中の時期に」
「業界トップの座に君臨していた」
そんな時代のタカキューが企画したペアと言えそうです。そもそも、「バブル経済期=手間暇かけた高級品が売れた時代」のモノは、ブランド・ノーブランド問わず素晴らしいモノが少なくない。
現時点での「タカキュー」のイメージによってバイアスがかかると「3200円」となるわけですが、「1980s後半のアンノウンな日本製」として出品されていたら倍以上の値段でも売れたかもね。大切にしてきた思い入れのある靴なら、それでもよかったかも、それでも買ってたかもね。値引きお願いしちゃったんですけどね。
まあ、量販店さんの品ですから高級品ではないでしょうけど、バブル期当時の品だし、企画にも気合い入ってそうだし、そんな悪くはないのではないか。そんな期待を胸に購入したわけですが、さてさて、現物の様子は如何に。確認しましょう。次回、四連続記事の最終回。
いよいよメンテして履き下ろす。
(次回につづく)