自分でネクタイを幅詰め(2)

こんにちは、ばしです。

 

今回は日曜日の記事の続き。

旧いビンテージのネクタイです。レトロで個性的で、素敵なものも少なくないビンテージタイ。なのですが、今の時代には幅が広すぎてとてもじゃないけど締めれない、というものも少なくないです。

・7センチ以下がナロー
・8センチ前後が標準幅
・9センチ以上はワイド

というのが幅の目安のようですが、旧いタイには10センチ以上のものも少なくない。で、うーん、折角良いデザインなのに、と、スルーしたものも少なくない。以前は、ね。

そう、最近はスルーしません。縮めたらよい。幅を詰めて他にはない唯一無二の一本に仕立て直します。昨春オールドグッチのネクタイを幅詰めしました(過去記事)。やってみたら以外と簡単です。まあ、プロの技の足元にも及ばない訳ですが、売り物でもないし、自分で締める分には十分使用に耐えうるのではないか。

ということで、今回は第2弾です。自分で締めたくて、幅広なやつ持ち帰ってきました。

 

 

ANDRE GHEKIERE

アンドレ・ゲキエール、というらしい。

フランスはカンヌにある?あった?ネクタイ屋?洋服屋?のネクタイです。コットンみたいな粗目の手触りですが、「SOIE」=シルク、とありますのでそうなんですかね。

朝日?夕日?
水平線の太陽がトレードマークの様です。

紺地に白の幅広ストライプ。
落書きみたいな太陽のステッチ。
か、かわゆい。
ステキなデザインに一目惚れ。
なわけですが、

太いです。右が一般的な8センチ幅。
対しまして、今回のはなんと11センチ!!

太い!!
重ねますと一目瞭然です。

縮めるにしても太陽マークの所為で制約があります。マークの刺繍にかからないぎりぎりを攻めてみましょう。9.5センチ程度に縮めよう。それでも広め、太目ではあるのですが、紺という色目は引き締まって見えがちです。時代により変わるネクタイの幅ですが、9.5センチというのは今の時代の太めの限界値、ではないか。

てなことで、やりましょう、順次作業です。説明はまあそんな要らない、見たまんまの内容です。サクッとご紹介、サクッとご覧ください。

 

 

①タグを外す

四隅で縫い留められたタグを外します。この際、糸だけを切るように。本体生地を傷つけないよう注意してハサミを入れましょう。

あ。左側、紺の生地の中から芯地の白が覗いてしまってます。やってしまったかな。だから気をつけろって言ったのに・・・。

 

 

②大剣部分をほどく

センターで、一本の糸で縫い留められてます。

端を切って、あとは小剣の方に向かってほどいていく。

 

細くする部分だけほどきました。

のちほどほどいた糸で再度縫い留めますので切らずにこのままで。

 

 

③芯地を細く切る

中でずれないように芯地と裏地とが軽く縫い留められてました。

切って、芯地を出す。

仕上がりより少し細め、最も太い箇所が9センチ程度になるようマジックで線を引き、

切る。

切った。

 

さて、あとは元に戻して縫い留めていきます。

 

④芯地を戻して縫い留める

ずれぬよう、軽く留めればオーケーかと。

 

⑤仕上がり位置に折り目づけ

最終的にはセンターで縫うわけですが、縫いやすいように折り目をつけて形を整えます。まずは片側にまち針を打ちました。

水平線のお陽様みたいな刺しゅうが切れていないか確認です。よし、新しい折り目の位置はこの辺でよさそうですね。

スチームアイロンを軽くあてる。当て布した方が良いのでしょうが、荒い織の生地ということもあり今回は当て布は割愛。

ぴしっと折り目が入りました。反対側も同じ要領で。

お、なんか少し細くなったような。
よし、縫い留めましょう。

 

⑥センターで縫い留める

縮めしたので重なり部分が大きくなってます。このまま縫うと縫い目が斜めに走ることになるので、縮めた分だけ切った方が良い。オールドグッチのときはそうしたのですが、今回は面倒だし時間もないのでこのままで。そう、この作業、木曜の夜に行いました。翌金曜朝には締めて出かけねばなりません。ネクタイの裏側なんて誰の目にも触れませんので、まあ、適当で良いのではないでしょうか。

元々のほどいた糸を針に通して縫う。

何故だか途中で長さが足りなくなりました。糸を追加して下まで縫い留める。
さて、

 

⑦タグを縫い留める

外したタグを縫い留めます。当初より上側につけてしまったようです。誤ってハサミで開けた穴が目立ちますね。まあ、誰もそんなとこ見ないし、記念ということで。作業、完了です!

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお、極端に太く感じなくなったな。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお!いい感じではないのか!?

当初の計画通り、9.5センチ幅に仕上がりました。グッジョブ!俺!

 

よし、出番です。

見た限り不具合はなさそうです。

9.5センチですので、気持ち太めではあります。
ですが、その程度、問題なさそうです。色柄が大変気に入ってます。手をかけて良かった笑。

 





 

レトロで個性的で、素敵なものも少なくないビンテージタイ。なのですが、今の時代には幅が広すぎてとてもじゃないけど締めれない、というものも少なくないです。で、そんな時代錯誤のやつは安いです。色柄が素敵なやつに出会ったら、持ち帰って自分で幅詰めする、というのはありではないかな。

かく言う私は、幅詰めする3本目、すでにゲット済です。

左のやつ。どうでしょう? 今回9.5センチに幅詰めした右のタイより少し太いのですが、太さ加減、写真ではわかりづらいかな?

重ねてみました。ね、はみ出してます。多分11センチくらいあるのではないかな。こいつ、何者かといいますと、

オールドグッチです。

昨年夏にメルカリで購入しました。色柄が結構気に入って、幅や長さを確認もせずにぽちっ、と。で、届いたら太かったわけです。以前は必ず幅と長さを確認してから購入していたわけですが、思えばそのせいで素敵なやつをスルーしてしまっていたこともあったろうと思います。

旧いタイの中には、今は見かけないようなデザインの素敵なやつがある。メルカリやセカストを覗かなくとも、貴方の爺ちゃんが昔締めてたお気に入り、なんてやつらの中にもそんな素敵な奴がいて、生まれ変われるのを心待ちにしているかもしれない。実際、そんな風に父親や祖父の形見の品を現代風に細くアレンジするサービスがあるようです。

 

 

プロに頼むのも悪くないけれど、
自分で手をかけるのも良いですよ。
普段のよりも愛着も湧くし。
一緒に目指しませんか。

「裁縫男子」。

 

(おしまい)

 

 

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