こんにちは、ばしです。
寒くなってきましたね。
本格的な冬の到来です。ここ数日は厚手のコートが手放せない毎日ですが、どうせならジャケットも少し厚手なほうがココロもカラダも暖かい。てなわけで、ウールのジャケットを1着拾ってきました。
こんなやつ。
セカストで税込み990円笑。
激安だったわけですが、安かったから、値段に惹かれて持ち帰ってきたわけではない。ディテールに惚れて持ち帰って来た次第です。そう、今回は靴はお休みしてジャケットの話題です。
こまごまとご紹介。
ウールのチェックのジャケット。
濃いめのグレーと茶の色柄が気に入りました。三つボタンでやや斜めのスラントポケットにナチュラルショルダー。旧いモノっぽい雰囲気ではあるものの、古臭くないシルエットが良い。
3つボタンの段返り、といっていいのかな。
袖のボタンは二つ。素材は何かな。
バックシャン。
浅めのサイドベンツです。
背抜きは半裏。秋冬用ですので総裏の方がありがたいわけですが、まあ、990円だし、タダみたいなもんだし、文句は言いません。でもね、
ちょこちょこと虫食いなんかもあったりしてて、裏地のない部分は中のシャツの白が見えたりしないか心配ではある。この点では裏地があればありがたいわけですが、やむなし、後で繕うことにします。
いやまあね、いい歳してそんな穴の開いた古着のジャケットなんか着るんかい、なんて声が聞こえてきそうですが、ええ、着ます。なぜならこいつ、単なる古着ではない。ビンテージなやつっぽいのであります。内側にタグ発見。
どんっ。
Royal York by BOND CLOTHES
黒地に金風の刺繍が誇らしげです。
「Royal」を冠したブランド名がそれに拍車をかけている、ように思える。で、ビン靴オタクにとりましては「BOND」といえば「GOLD BOND」が起想されたりと、アメリカン・ビンテージな香りがプンプンするわけであります。
きっと旧いやつに違いない。いつ頃の品だろう。アメリカでいいのかな。イギリスってこともある? 家に帰って調べてみましたところ、当初はあまり情報はなし。で、一昨日あらためて検索したところ、ビンゴ!なんとebayで全く同じモデルと思しきやつが出品されているのに遭遇いたしました。
Royal York by Bond Blazer Men 40 Green Brown Windowpane Plaid Wool 50-60s VTG
「Green Brown Windowpane」とあります。グレーのジャケットと思ってましたが、グリーンと茶のウインドウペインなようです(ebayの当該ページはこちら)。で、
「50-60s VTG」とあります。おお、そんなに旧いのかお前。とはいうものの、セラーがそういってるだけで何か根拠があるわけではない。と、思ったら、
ポケットの内側の写真が。
横長のタグに何か書いてあります。これが「50-60s VTG」の根拠なのだろうか。で、同じモデルであるなら、僕のジャケットにもついてるのだろうか。確認してみたところ、おおっ、ついてます、ついてます。
ユニオンチケット
「ユニオンチケット」というのだそうです。
ブログ仲間のしんのすけさんに教えて頂いたのですが、彼のBrooks Brothersの1960sツイードジャケットにも同様にこのタグがついています(当該記事こちら)。へへ、持つべきものは自分よりも造詣の深い仲間でありますな。ありがとうございます。
で、ユニオンチケットというのは、「ユニオン=組合」に加入している企業で製造された品であることを示すもので、このタグは1976年頃までつけられていたそうです。旧いビンテージ靴で見かける「UNION STAMP」の洋服版、ということのようです。
で、私のジャケットにはおまけがついてました。
タグの下に隠れて文字が。
実際には「下」ではなく、タグの縫い付けられた個所とは反対側にスタンプと手書きで文字が書かれているようです。
Harman?Hormor? 滲んで読めませんが持ち主の名前のようです。で、その下こそが今回の最大のおまけ。こちらははっきりと判読できます。
「DEC.28 1963」
日付に嘘偽りがなければ、このスタンプは1963年12月28日に押されたもののようです。新年を迎えるにあたって新調したのか、あるいはクリスマスプレゼントか。いずれにせよ、製造年はこれ以前ということになるわけですが、日付の何年も前、ということではないでしょう。同年中の製造とすれば、このジャケットはあと2週間ほどで61歳の誕生日を迎えるようです。
おお、メリークリスマス&ハッピーバースデー!
還暦越えではありますが引退にはまだ早い。申し訳ないけれども君には日本で私とともにもうひと頑張りしてもらうことにしよう。よろしくな、相棒。てなことで、簡単に修繕です。
まずは裾のほつれ。
まあ、解けてるだけなので縫いなおす。
娘の部屋のデスクを作業場に借りております。
照明付きで快適であります。
まあ、裏側だし、見えないし、こんな感じで。
穴を発見。何カ所かあります。
黒い糸でふさごう。
まあ、塞がればそれでよし。
ころころローラーで埃を取ったら掃除は完了。クリーニングに出すか悩んだのですが、何分旧いですし、クリーニング屋も迷惑かな、と。自分で丸洗いは危険そうなので、買って早々にファブリーズだけしときました。
さて、仕上げましょう。
スチームアイロンで皺伸ばし。
蒸気で伸ばして上機嫌、てな感じです。
【BEFORE】
【AFTER】
うむ。いい感じです。
シャキッとしました。
メンテ完了です。
さっそく出番です。
昨日仕事で袖を通してみた。
段返りの三つボタン。留めたらこんな感じ。すっきりしてます。ナチュラルショルダーが茶系の色目と相まって暖かで柔らかな印象になっているのではないか、と思うのですがどうでしょう。
袖の長さもちょうどよい。
ええ、そうなんです。こいつ私の体形にほぼほぼジャストサイズなのであります。まあ、だから拾ってきたんですが、とてもとてもいい塩梅ではないかな。もう、なんせこの何日かずっとこいつと睨めっこしてますので、すっかり好意的な目で見てしまう私なのです。で、
こいつを着る際の足元はこいつと決めていた。
ジャケットと同様に靴も60s な茶のビンテージ。
まあ、実のところは「この靴を履き下すにあたって上着をどうするか」を永らく検討していたのでした。ようやくその時がきまして履き下し。ちなみに、こいつがどこの何者かについては次回の記事にてご紹介します。で、ネクタイですが、赤か紺か悩んだ末にこの日は赤にしてみた。次は紺にしよう。どんなVゾーンでも収まりやすそうです。
しかしまあ、あれですね。
1969年生まれの私と1963年製のジャケット。
自分よりも早く生まれたジャケットを着ることがあるだなんて、夢にも思いませんでした。それもジャストサイズだなんて。こんな巡り合わせがあるだなんて、これはもう運命としか言いようがないです。
大切に着ます。
(おしまい)
ばしさん
お疲れ様です。おお、先日おっしゃっていたユニチケのジャケット雰囲気ありますね! ツイードではなくグレンチェックでしょうか、三つボタンのせいか、IVYリーガーですね。ボタンダウンがあっています。
でも、1963年日付入りは、お宝ですね。ケネディが撃たれた年。
娘さん独立されたのですね。うちは高1ですけど、いつか出ていくんだなあ、としみじみ思いました。いつまでいられても困りますけど笑 また、娘さん情報もぜひぜひお願いいたします。
しんのすけさん
お疲れ様です。ありがとうございます。ようやくお披露目でございます笑。
1963年ってそうなんですか、ケネディ暗殺の年なんですね。なんだか数奇なジャケットでございます。
娘ですが、一人暮らし歴1ヶ月を越えました笑。楽しい>大変、てな感じのようです。
子供はすぐに大きくなってしまって、もう少し一緒の時間を多く持っとけばよかったななんて、
今更ながら後悔の念もあったり、これから取り返そうだなんて前向きにもなったり。
いやあ、親って色々大変ですね笑。
こんにちは
古着でジャストサイズのジャケットを見つけるとヨッシャ!ってなりますよね。
ウールの柄物なので繕いもしやすくその上ビンテージ物とくれば買うしかないです(笑) 着画もすごく決まってます!
ユニオンチケット、ユニオンスタンプ、タグや部品から年代判別する作業は古着好きにとって至福の時ですよね。地名とか書いてると思わずグーグルマップで検索してみたりとか。
三十郎さん
こんばんは。ありがとうございます。おっしゃる通り、ちくちく繕いはすごくやりやすかったです。
こんな旧いビンテージが近所のリユースショップで手に入ることに改めて驚きと喜びを禁じえません。
これまでは靴とネクタイがメインでしたが、このジャケット以降は他のコーナーもくまなく漁るようになりまして、
滞在時間が5分で済まなくなってき、我ながらやや困惑しております笑。