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シャドウステッチの銀座ワシントン

こんにちは、ばしです。

 

今年は「2足売れたら1足買っていい」ということにしようと思っていたのですが、早々に断念です。そんな、いつまでも売れるのを待ってはいられない。アイ・ニード・古靴、です。それも、オールウェイズ。ライト・ナウ。週末の遊び相手が必要です。なもんで、ルール変更。「安いやつを買って数度履いてすぐに売っ払うのであれば買ってよい」ことにしました。

それなら数は増えないし僅かながらも儲かるかも。

そうであれば気兼ねなくいろいろな靴メイカーのものを試せる。ブログのネタにも困らない。かつ、ぼろいやつを綺麗にして次の活躍の場を与えたり、瀕死の重傷なペアを再生したり、売っ払って小銭程度の利益を得たり、地球にも靴にも懐にも非常に優しい。おお、これって一石何鳥になるのであろう。大変グッドなアイデアです。

ということで、金額の目安はおおむね2000円前後に設定。これならもし仮に5足拾っても1万円です。お小遣いの範囲です。この3月はこれまで3足ゲットしました。1足目のニル・アドミラリは2400円でした。3足目のサドルシューズが1760円(近々ご紹介)。で、今回は2足目のやつ。2000円ジャストでした。

 

 

銀座ワシントン・CLIFF

「Cliffクリフ」とあります。

こいつは銀座ワシントン靴店のオリジナルブランドらしい。ネットで調べてみますと、ヒットする記事は2012年頃のものが多いです。今現在はといいますと、銀座ワシントンさんのウエブサイトではストアブランドの中にその名前はありません。今はもうないのかも。おお、「今は亡き~」ですね。まあ、そうであれば何でもかんでも良いという訳ではありません。

今回こいつをゲットした理由は4つです。

 

(その1)
安かったから。
メルカリで送料込みで2千円でした。

(その2)
銀座ワシントンのペアだから。
ここの旧い素敵なのを1足持ってます

(その3)
色が黒だから。
手持ちのは茶靴が多く黒を優先してます。

(その4)
これの実物が見たかった。

 

これっていうのは、

これ。

トゥに着目ください。U字に走るモカ風なステッチ。なんだけれど、縫い目はない。こいつ、いわゆる「シャドーステッチ」というやつです。似たような技術に「スキンステッチ」てのがあります。「ライトアングルステッチ」とも言われ、エドワードグリーンののドーバーで有名なこのステッチは、革の内部に糸を通すことで表面に糸を出さずに縫う高難度の製法です。

今回のはシャドーステッチ。

技術的には似てますが異なるもの、らしい。スキンステッチが「革と革を縫合しつつ縫い目を表に出さない」縫い方であるのに対し、シャドーステッチは「実際は縫う必要のないもの」にデザインを施すことが目的であるということのようです。

前々から興味あったんですよね。今回は普通のPTB、なんだけど、Uチップぽくもあり。アーティスチックに仕上げながら技術力の高さを垣間見せる、そんな技が施されたペアです。

折角の高級な仕立てですので、羽根の付け根のカシメはない方が良かったように思うのですが、まあね、僕はその場におりませんでしたので留めようも、もとい、止めようもなく笑。

ソールはレザーの薄いシングルです。ロングノーズ気味でドレス感高めのこのスタイルにはシングルで正解でしょうかね。

サイズ表記は26。

足幅がやや細身の私の場合、ロングノーズのペアはハーフサイズダウンでちょうどなことが多いので、こいつの25.5センチがあればそちらを選ぶのですが、一点もののユーズドです、しょうがない。

内側。つま先までオールレザーライナーです。で、内側に縫い目が走ってます。マッケイ製法です。この「クリフ」というラインがどのくらいの価格帯のものかは知りませんが、安物ではない。中~上位くらいの位置づけであったのではないかと。

トゥの艶を見る限り、アッパーの革質もきめ細かでなかなかよさそうです。そして何より、黒いペアが圧倒的に不足してるんですよね。「毎日違うタイクツ」が間もなく佳境を迎える中、早々に登板させるべく、早速メンテいたしました。

いつもどおりまずは左足から、さくっと。

 

 

ステインリムーバー

汚れやワックスはなし。

 

LEXOL

コバは歯ブラシで。

 

デリケートクリームもどき

黒さが増してきた。

 

リッチモイスチャー

艶感アップしてきました。

 

TAPIR レダーオイル

キズはなし、肌理は細かい。

 

コロニル1909ニュートラル

いつものクリームで仕上げ。

黒さが深まってシャドーステッチもより目立つようになった、ように思えるしそうでないようにも思える。笑。

右も同様の手順で仕上下手メンテ完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

やはり革質はまずまずグッドではないかと。

 

【BEFORE】

【AFTER】

ソールもきれいに磨きました。
ヒドゥンなのでしょうか?
シャドーステッチも当初よりくっきりしたような。

内側のどこをどう縫ってるのでしょうね。
まあ、外から見れば分からんわな。

このくらいの距離であればステッチはそこそこくっきりはっきりしてるのですが、履いたらどんな風に見えるのでしょう。

 

よし、月曜日にさっそく履き下ろ・・・

 

すつもりが、日曜午後から急で強烈な胃もたれ、その後、上に下にの大騒ぎでトイレが友達となり、月曜だけでなく火曜もダウンしてしまいました。祝日の水曜でなんとか体調を整え、いよいよ昨日木曜日。

 

履き下ろし。

中敷きINしてみましたが、それでもやはり思ってたよりもロングノーズです。冒頭の繰り返しになりますが、足幅、特に爪先側が細身な私は、ロングノーズな靴はハーフサイズダウンでも結構いけることが多い。まあ、ロングノーズな靴に履き慣れてないだけなのかもしれませんが、違和感というほどではないもののイマイチしっくりこないな。

シャドーステッチも、もう少し目立ってくれた方が私好みかな。これもまた、実物が初めてなのでこんな感じが普通なのかもしれませんが、できればもう少し「これ見よがし」に、さりげなく見せびらかしたいところです。

今週からネクタイは「オールドグッチWEEK」をスタートさせたわけですが、スタイルはこれまで同様ジャケパンです。やはり思いますに、このくらいロングノーズ気味でシングルソールのドレス感強めのペアには、ジャケパンよりもスーツスタイルの方がいいのかもしれないな。ということは、サイズも含め私向きではないのかもしれないな。

ということで、

 

 

来て早々申し訳ないですが、

君には旅に出てもらいたく。行く先はそう、春🌸、かな。フレッシュな季節ですし、スーツスタイルの若者の足元のほうが収まりいいんでないかな。早速売りに出そう。二千円+送料プラスアルファで売れてくれたら嬉しいな。メンテ代程度お駄賃出たら嬉しいですが、まあ損が出なけりゃそれもなしでもいいや。儲けはなくてよい。

何でもかんでも転がすわけではありません。今月1足目の「ニル・アドミラリ」は、現時点では優先度の低い茶色にも関わらず当面我が家に逗留させることにしました。判断基準は「サイズ感」と「雰囲気」かな。

さて、今年はどんなやつが来て、去って、残るのか。夏に向け「古靴のキャッチ・アンド・リリース」、久々に積極的に取り組んでみよう。安いやつだとそれも気安くてよい。また増えたりして。

まあそれはまたそん時ですわ。

 

(おしまい)

 

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