こんにちは、ばしです。
素敵な靴を見かけた。
迷った挙句にスルー。これはいけません。後悔の元です。迷ったら買っとかないとだめですね。数日悩んで「やっぱり欲しい」と再度お店に足を運ぶもものの見事に売り切れで空振り、となる。逃がした魚は大きい。
そんなことがこれまでも何度もありました。つい最近もありました。先週木曜日、出勤前の早朝にメルカリで見かけたペア。数時間後のお昼休み、いざ購入しようと再度スマホを開いたら売り切れてしまっていて涙。
今回もそんな類のペアです。先週金曜日に近所のセカストで遭遇。君、3日前にはそこにいなかったよね。そんなやつ。同じ轍はそう何度も踏んではいられません。ソッコーでレジへ。もう、迷わず拾ってきました。
こいつ。
ワシントン銀座 オペラパンプス
エナメルのアッパーに布の縁取り。
私の記憶が確かなら、こいつ、昨年北摂方面に足を伸ばした際にセカストの他の店(たぶん大東店)で見かけた個体だと思うんですよね。
「へえ~、セカストにこんなのもあるのね」と思いながらもスルー。オペラパンプスなんてそもそも見かける機会も履く機会もほとんどありません。
なんだけれど、じっくり手に取って眺めてみたいと数日後に再度車を走らせるも棚のその場所だけがぽっかりと空いてしまっていて・・・。
あれから1年弱。なぜだか自宅から一番近いセカストに現れたのでした。これは「買え」という神様の思し召しとばかり持ち帰ってきました。
オペラパンプスです。
甲にリボン飾りが付き、それと同素材のテープがトップラインを包むのが特徴のオペラパンプス(Opera Pump)。これが、その名の通りオペラ観劇や音楽会・舞踏会・晩餐会用(このような「宴」は大抵の場合、夜に行われます)の礼装靴としてヨーロッパで登場したのは、19世紀のちょうど中頃だと言われています。
(All About メンズスタイルの記事より引用)
そう、そんなやつです。オペラは観たことないし、パーティの予定もない、そもそも正装して出掛けることのない私なのですが、ないからこそ気になる。実は、若い頃から密かに憧れていた、それがオペラパンプスなのでした。
甲にリボン。
女性的というべきか、エレガント言うべきか。「パテントレザー=エナメル」は、その昔舞踏会で「靴墨のついた靴で女性のドレスの裾を汚すことがない」ということで広まったとのこと。舞踏会なんて縁のない日本ですが、燕尾服やタキシードなど正装の際の足元には切っても切れない存在です。
一応、正装用にとパテントレザーの靴は1足持ってます。
チャーチ製の内羽根プレーントゥ。
息子か娘の結婚式で燕尾服の足元にと準備したのが4年前。少しばかり気が早すぎて、まだ当面は出番なさそうです。
さて、戻りまして今回のオペラパンプス。
サイズ表記は「26 1/2」。
イタリアンラストの日本製とのこと。で、
「BERTOLAJA EXCLUSIVELY FOR WASHINGTON」
とあります。「ベルトラジャ」なるメーカー?ブランド?が、この靴の監修をされたのでしょうかね。良く分かりません。
造りはマッケイ?セメント?
よくわかりませんが、アスファルトを歩くこともないし、そもそもガンガン歩くものでもないし、傷んだものを修理して履く、なんてものでもないので、ソールは薄いシングルソールです。
ヒールの削れもほぼなし。全体的に浅い使用感ですが、エナメルって傷が目立ちますよね。このペアも所々スレ傷があります。
これは汚れ?かな?
綺麗になるでしょうか。
あ、これは傷みたいですがそうではないな。なんか銀色の塗料みたいなのがこびりついてる風です。取れるのだろうか。とりあえずメンテしてみましょう。
まずは最近のお気に入り。
カーケアグッズで靴の中と布製のリボンをクリーニングです。
ホコリはこれで一発で除去できます。
リボン部分、少しホコリがついてます。
べちょ。
びよよ~ん。
おお、粘着が凄いです。春になり気温が上がってきたせいでしょうか、粘度が緩くなっているように思えます。くっついてしまうと除去しづらいので、冷蔵庫で少し冷やしてから使ったほうがいいかも。
どうでしょう。綺麗になりましたでしょうか。
さて、いつも通りいきましょう。
まずは左足から。
LEXOL
ワックス不要な素材です。というか、ワックス不要とするために開発された素材ですので、まさかワックスが塗られてる、ことはないでしょう。それは愚の骨頂というものです。液体ははじきますので、今回は粘度のあるLEXOLで。布にとって全体をぬぐう。
どうでしょうね。どうなんだろう。エナメルは普段弄ることがないので、良いんだか良くないんだか分かりません。ただ、少し輝きがくすんだように見えます。
コロニル1909
防水性がありますので保湿や油分補給も割愛していつものクリームで仕上げ。
うん、いい感じで綺麗に光りました。
ただ、先程もありました通り、
ところどころ原因不明の「銀」が。
これは一体なんなんでしょうね。擦れて付いた汚れのようですが、何がどうすればこうなるのか、原因は思いつきません。除去しようかとも考えましたが、リムーバーの類だと問題ない箇所にまでダメージを及ぼすかもしれない。ということで、除去するのではなく、物理的に隠すことにしました。
今回はこいつを使ってみることにしました。
黒いマニキュア
娘に借りました。ていうか、こんなマニキュア、娘が持ってるなんて、つけてるとこを見たことないな。今回は2ステップでいってみました。
STEP①マニキュアを塗布する
STEP②リムーバーで凹凸を滑らかにする
特に何かを参考にしたわけではないのですが、アイデアそのものは悪くなさそうです。で、思いついたからには試さねば気が済みません。
早速やってみましょう。
左足の内側。
この上に黒いマニキュアをぬりぬり。
おお。
どうでしょう、どうなんだろう。
爪先。
ポツポツの銀にも黒いマニキュア。
さて、10分ほど乾かしたら次のSTEP②へ。
RenoMatのリムーバー
手持の中で最も強力なリムーバーです。
こいつを綿棒の先につけて、
優しく優しく、繰り返し撫でてみました。強く擦るのはNGです。そうではなく、リムーバーが化学的に作用することで塗りムラなどの凹凸を滑らかにしてくれることを期待です。
こんな感じ。で、
綺麗なウエスで余計なリムーバーを拭き取る。
おお! うまく行ったかどうかよくわかりませんが、黒くはなりました。元々そんなに目立つ場所ではないし、遠目だと判別できない、かも。
ここで、この「STEP②」の注意点です。
リムーバーは何か容器に移したほうが良いです。綿棒をビンに直接差し込んで使いますと、こんな風に落としてしまいますと取り出せません。ご注意あれ。
さて、右足も同様の手順で進めましょう。右足は外側、小指付け根あたりにこれもまた銀色が。
同じで手順で、マニキュア。
レノマット。
拭き取る!
ありゃ、拭き取り過ぎて銀がうっすら。再度塗りましょう。
どうでしょう。まあ、目立たなくはなりました。
この後、左右ともに再度コロニルを全体的に塗って、ウエスで磨いて完成です。
【BEFORE】
【AFTER】
遠目だとよくわからないですね。
【BEFORE】
【AFTER】
なんともかんとも。
右足小指付け根。
近くだとこんな感じ。
引き気味だと、
うん、ほとんど分かりませんね。
左親指付け根は、
こんな感じ。
小さめのチャールズパッチみたいです。
許容範囲でしょうか。許してもらえるのでしょうか。
エナメルレザーのケアに「除光液」を使用するという手があるようです。今回はマニキュアのあとに「レノマット」ですが、除光液を使ってたらどうなるだろう。
試しにやってみようと思っていたら、出品後すぐに売れてしまって試す時間がありませんでした。なもんで、今回はこれで許してください。
ていうか、自分で履いてみたいのですが、
靴だけ持っててもしょうがないですよね。
タキシードにシャツにカマーバンドにボウタイ。
一式揃えたらいくらかかるのかな。
特別な機会にしか必要のないオペラパンプス。
縁のないまま一生が終わる人の方が多いオペラパンプス。
特別な人のための特別な靴、
それがオペラパンプスなのでしょう。
私には少し大きかったですが、
息子にはちょうど良さそうです。
なんだけど、私以上に出番ないよね。
今は、ね。
嗚呼息子よ、
ぜひともこの手の靴が必要な大人になってくれ。
そして俺も舞踏会でもどこでも一緒に連れてってくれ。
いや、他人任せはいけない。
機会は自分で創らねば。
そうだな、ブログで有名になって紫綬褒章とか頂いて礼装で臨むとしよう。
マイ・オペラパンプスはそんときまでお預けです。
(おしまい)