WING BALLY のセンターエラスティックブーツ

こんにちは、ばしです。

 

特段意識しているわけではないのです。

ええ、してないのですが、なんか茶靴が多いです。別に、黒よりも茶が好きだとか、そういう訳でもありません。にもかかわらず茶が多い。ひょっとしてリユースショップにおいてある素敵な靴の割合は黒よりも茶が多いのでしょうか。

手持ちの靴で黒と茶の割合はどうか。

把握してはおりませんが、おそらく「6:4」くらいの割合で黒より茶が多いように思える。実際、先月4月に拾ってきた10足の内訳を確認してみたら、黒が4足に茶が6足でした(「ゆく靴くる靴(2025年4月)」参照)。

まあね、それはたまたまです。

なのですが、その昔は「仕事の足元は黒」と決まっていました。それが基本だった時代に茶色の革靴を選択するということは、その時点でビジネス以外の使用も視野に入れたものなのかも。あるいは、人とは異なる足元を楽しみたい洒落者向け、といった要素が強かったのか。

良く分かりませんが、今回はそんな4月の何足目かのまあまあ旧そうな茶靴です。日曜日にさくっと弄ってみました。

 

 

WING BALLY

WING BALLY SWITZERLAND

とあります。バリーのペアです。

「WING BALLY」というラインは恥ずかしながら初めて見たのですが、googleやebayで検索してみたらそれなりにヒットします。どういう位置づけか知りませんし、ひょっとしたらレアな品かと期待もしていたのですが、思ったよりも一般的なのかもしれない。

バリーはスイス発のシューメイカーですが、これはどこ製なのでしょうか? バリーの靴は1足持ってます。元はゴルフシューズなやつをハーフラバー貼って普段履きしてますが、それはフランス製なんですよね(「マイファースト BALLY」参照)。

こいつは、ソックシートにSWITZERLANDとある以外は、どこにも「MADE IN ****」といった表記がありません。スイス製、なのでしょうか。

こいつ、セカストで税別4900円でした。

パトロール中に見かけて拾ってきました。別にBALLYのペアを探していたわけでもないわけですが、にもかかわらず、高くはないけれど安くもないこいつを拾ってきた、その理由は2つ。

 

理由その①。

形に一目惚れ。といいいますか、厳密にはこの手のスリッポンタイプのチャッカがカッコいいなと前々から思ってたんですよね。ただ、ほとんど見かけない。この機会を逃すと次の出会いはいつになるのか、という焦燥感。そして、

 

理由その②。

こいつなんと、未使用品なのです!
レザーのアウトソールも全くもってツルツル&スベスベです。

トップリフトもオリジナルかつ使用感ゼロ。こんなやつは探してもなかなか出会えそうもない。そういうやつはとりあえず持ち帰るべし。最悪転がしたとしても、このペアであれば利益はなくとも損もない範囲で買い手がつくのではないか。と、思えた。

ちなみにサイズは【8.5M】です。

最悪転がしたら~、というのがこの理由です。私にはやや大きい。けどまあ、中敷き足せば調整が効く範囲ではないかな。まあ、許容範囲でしょう。未使用品につきメンテも簡単ですませましたので、今しばらくディテールをご紹介。

 

で、先程の履き口の写真からも分かります通り、

こいつ、アンラインド(=ライナーなし)です。チャッカでアンラインドってあまり見かけません。だから良いとか悪いとかではないのですが、どことなくこだわりのようなものを感じてしまう。

爪先までアンラインド、何もなし。

で、ソックシートには印字が綺麗に残ってます。デッドな品の証でもあるわけですが、ソックシートの縁に縫い目はないようです。こいつ、マッケイ製法のペアかと思っていたのですが、そうではないのかな。では、グッドイヤーなのかというと、

GOODYEAR TREPOINTE

なる文字が。おお、これは靴の製法に関することでしょう。調べてみたところ様々にヒットするのですが、「TREPOINTE」はフランス語で「GOODYEAR」と同義、とのことのようです。マッケイではないのね。でも、どこを縫われているのでしょう。

 

確認してみよう。

コバに出し縫い糸は見えません。
縦にドブでも切ってあるのでしょうか?
よくワカラナイ。

アウトソールにも縫い目はないし、触ってみた感じもヒドゥン仕上げでもなさそうです。こいつ、どこをどう縫ってあるのでしょう? ほんとに縫ってある?よくワカラナイ。まあ、それはおいおい調べてみよう。

 

まあね、仮にこいつがセメント製法であったとしても、私としてはそれはそれで構わない。持ち帰ってきた理由、それは、

なんせ、かっこいいです。

積み上げたヒールも見た目にも大変美しい。

コバの薄いシングルソール。

サイドビューもイケてます。とても上質な印象です。で、英国靴っぽい雰囲気が感じられます。

 

そういえば、先程のソックシート。

SUSSEX Ⅱ

との文字が。おそらくモデル名と思われます。で、「Ⅱ」とあるからには「Ⅰ」もあったのかもしれませんが、それはさておき「SUSSEX」です。イングランド南部のエリア、それがサセックス。三十年ほど前、学生時代にホームステイで2ヶ月ほど過ごしたのがこのエリアでした。

そんな英国の地名を冠している理由は、まさに英国靴を意識したスタイル、ということなのかもしれない。

実際雰囲気も英国靴っぽいです。

未使用品ということで、デリケートクリームとコロニルだけ塗っときました。チャッカですがアンラインドだし、靴の前後の切り返し部分も切りっぱなしでもあり、やや丈短めのパンツを合せてモカシンのノリで素足で履く、というのも悪くないかも。それなら夏場に向けたこれからの季節でも履けます。

 

足を入れてみた。

うーむ、やや緩いです。

そもそもこいつ、【8.5M】サイズということですが、US?UK? ヨーロッパのシューメイカーですので、【UK8.5M】なのかもしれない。ただ、それにしてはさほど大きくはないんですよね。足を入れた感想としては【やや細身のUK8.0】といった印象です。

年代は良く分かりませんが、ひょっとしたら割と旧い時代のモノで、そんな旧い靴にありがちな「表記よりやや小さめ」なのかも。いずれにせよ、そうであっても、UK8.0相当あったとしても、そんな靴を素足で履けば私にはなおさら大きいです。やはり、こいつは靴下履いて、秋冬に仕事で履こう。

ただし、懸案事項が2つ。

 

懸案その①。

判りますでしょうか?

こいつ、センターエラスティックなのですが、旧いせいか、ゴムが伸びてしまっています。甲が低めでやや細身な造りなのでこのままでも問題ない、緩いこともなさそうですが、やはり足首近くの甲周りを適度に締め付けてくれた方がフィット感も増すし、見た目にもその方がよさそうな気がする。

 

懸案その②。

こいつ、未使用品です。

で、「デッドを履き下ろせない病」に罹患中な私です。ええ、その後もまだ克服できておりません。だってね、折角のデッドストックも履き下ろした瞬間に単なる単なるユーズドになってしまいます。価値が、値打ちが下がる。

ですが、

やはり靴は履いてなんぼです。
秋まで時間は十分あります。
しっかり準備しよう。とはいえ、
必要なのは心の準備だけなのですが、
今度こそこいつで病を克服しよう。

と、思う。

(おしまい)

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