こんにちは、ばしです。
熱しやすく冷めやすい私でありまして、
色んなことがブームとなりまた消えていく。飽き性、といったほうが良いのか知りません。長続きしてるのは家内とビン靴いじりとこのブログくらいです。で、ここ最近も色々とマイブームがありまして、どんなものかといいますと、
例えば「断捨離」。このところは靴以外の衣類が中心で、トレファクに持ち込んだりメルカリに出品したり。次に「ネクタイ」。オールドグッチ以外にも集め始めたブランドがひとつありまして、これについては近々また記事にてご紹介予定です。その他には「冬場のアイスクリーム」とか、色々あるわけですが、靴に関して申しますと、
「Uチップ」がマイブームです。
まあ、そもそもそれなりの数を持ってますので、マイブームというか、「プチブーム」なわけですが、このところいつも以上に目が行く手が出る。昨年12月に「MESSAGE」なるレディス靴と「J.CREW名義のサージェント」を拾ってきたわけですが、今年1月にはメルカリさんで1足買い求めておりました。
こいつ。
おお、素敵な色目のUチップです。細身で本格的な雰囲気。クロケットアンドジョーンズなどの英国靴ライクな佇まいです。
丁寧なモカのステッチ。ソールもまずまず分厚くて私好みです。
細身なヒールカップ。革質もまずまず良さげであります。こいつ、どこの何者かといいますと、
YANKO ヤンコ
1961年にホセ・アルバラデホ氏により設立されたスペインのマヨルカ島発祥のシューブランド・ヤンコ。同社の成功は、それまで裏方的な存在であったスペインのファクトリーがブランドとして表舞台に出るきっかけとなったらしい。
ヤンコの成功によりスペイン靴の評価を世界的に高めた人物として称されるホセ・アルバラデホ氏でしたが、90年代にビジネスパートナーとの経営方針を巡る対立から同社を去り、新たなブランドを立ち上げる。それが、自身と妻の名を冠した「カルミナ・アルバラデホ・シューメーカー」。そう、現・「カルミーナ」であります。
カルミーナのペアは以前1足持ってました。
マイファーストCARMINA。転がしてしまいましたが、大変後悔してます。YANKOよりもCARMINAの方が高級な位置づけのようです。商業的に成功を収めたYANKOなわけですが、職人的なモノづくりにこだわって同社を後にした、ということだったのでしょう。
ですが、
だからといってYANKOのクオリティが低いわけではない。十分高品質と思われます。ま、そうでなければ成功はしないわけで。実際、同社の現行品は日本円で6万円前後と決してお安くはない。むしろ高級な部類かと。
まあね、そんな素敵なブランドなわけですが、今回はユーズドで「4千円」との激安価格でゲットした私です。グッジョブ、俺。で、安いには当然理由があります。今回のケースは、
踵のライナー。
両足ともにダメージが見受けられる。完全には破けてはいませんが、その一歩手前まで来てます。そして、
右足外側にはクラック。
指で隠れてますが、2本あります。そんなことで安かったわけですが、まあ、しょっちゅうぼろい靴をメンテしては履いている私にとっては全くの許容範囲なのであります。
腰裏なんてそりゃ履いてるうちに擦り切れます。破れたらリペアすればよい。クラックも完全に破けたらチャールズパッチすればよい。一定以上のクオリティのペアであればそういう履き方で良いのではないかな。
使用感はそれなりにありはしますが、大切に履かれてきたように思える個体です。
オリジナルのトップリフトと、アウトソールはYANKOお馴染みの「ヨークソール」。ゴムなので「よおく反おる」、というのが語源、ではないな、たぶん。
サイズはUK7.5。マイサイズです。
結構分厚いアウトソール。ただ、
この境目部分でラバーが割れちゃうことがよくあるそうな。まあ、私はそんなガンガン履きません。出番はせいぜい年間でも1桁でしょうから、そんな劣化はしないだろう。
てなことで、その最初の登板機会をそろそろ儲けようと、もとい、設けようと、一昨日夜にメンテしたのでした。いつも通り、まずは左足から。
LEXOL
いつもの汚れ落とし。
アッパーの地色か、同色のクリームか。次に、
デリケートクリームもどき
いつもの百均のヒト用クリーム。
ライナーにもたっぷりと。
アッパーもしっかりと。で、ちょっと心配してたんですよね。水分を吸って色が濃くなり過ぎないか、色むらにならないか。ですが、
大丈夫だったみたい。ほっ。
クリストフポーニー・レザークリーム
オイリーなクリームを少しだけ。
良い艶感です。
さて、仕上げていこう。
サフィールクレム
同色のクリームがあります。折角なんでこいつを塗っとこう。
指でぬりぬり。
ほんのり色が濃くなりましたが、艶感は右足の方があるな。
少しだけワックスを入れましょう。
ビーズワックス(ニュートラル)
爪先と踵をメインに少しだけ入れてみた。
ぬりぬり。このあとウエスでしっかりと磨く。
まあまあ、こんなもんで。
で、今回のメインはこれ。
靴紐を替えた。
茶靴に黒い紐の組み合わせがあまり好きではありません。ほんとはもう少し明るめの平紐にしたかったのですがストック切れ。とりあえず何かのペアについてたやつに変更です。
右足も同様にメンテ&紐を交換したらメンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
元からしっかりと手入れされていたので大きな変化はありませんが、色が少しだけ濃くなったようです。
【BEFORE】
【AFTER】
やはり茶靴には茶色の紐が好みです。
右足のクラック。
まあ、どうしようもないのでこのままで。
バックシャン。
トップリフトは半分ちょっと削れてます。「Y」のロゴマーク入りのやつなんで、交換はせずにシューグーで足しておこう。硬化しやすい夏場に施術しよう。
左足のトゥに若干傷がありますが、
まあ、そんな目立ちはしない。
履けばもっと気にならないでしょう。
昨日早速履き下ろしてみた。
うん、いい感じです。すっきりしてて男前です。
サイズ感ですが、全体的に細身の造りで私好みなのですが、UK7.5にしては少しだけ全長が長めかもしれない。このままでも全く問題ないのですが、薄手の中敷きを1枚足せばよりフィット感が向上すると思われます。
仕事の途中、通りかかった百均で薄手のやつを1枚ゲット。「薄型設計」とのことですが、
まあ、薄手といえばそうなのでしょうが、足してみたらところ今度はややタイトになってしまった。窮屈なので結局外して1日を過ごす。やはり自作のソックシートが調整には一番ですね。夏の踵の施術時には折角なんで薄手のコルクと薄手の革でジャストサイズなやつを自作しよう。いや、夏までは待てないな。早々に対応せねば。そんなこんなで、
最後に、再度全景。
スタジオ風に撮ってみた。
薄茶の色目。
オレンジが濃すぎないのが良い。
色もスタイルも大変大変好みです。
いい買い物ができて大満足です。
大切に履いていこうと思います。
(おしまい)
ヤンコ、低価格での入手おめでとうございます!
屈曲部のクラック、いよいよレザーパッチパテの出番ではないでしょうか?
私も黒キャップトゥのクラックにやってみましたが、なかなかうまくいったように思いますー
ばたさん
こんにちは、ありがとうございます。
おっしゃるとおり、ちょうどいい感じでいよいよ出番ですね。
購入したもののまだ一度も使ってませんで、近々やってみます!