こんにちは、ばしです。
今回の記事タイトルを見て、
何それ?
里帰りってどゆこと?
zazaコレクションってなんぞや?
とお思いかと存じます。
ですが、ええ、そうです、タイトルの末尾に「その0」とあるとおり、「1」「2」「3」・・・と続くシリーズ企画であろうことは皆さんお察しの通りです。今回は「その13」まで続く予定のシリーズ企画の第一弾であります。
どんなシリーズかと申しますと、
この度、ブログがご縁で貴重なビンテージ靴を沢山たくさん譲り受けることとなりまして、今後それらの靴を順次ご紹介していこうというものです。今回は「その0」。序章としまして、譲り受けた十三足の顔ぶれと、そもそもどんな経緯でそのような状況に至ったのか、についてご紹介するものです。
勿体ぶって経緯からご紹介。
【里帰りに至る経緯】
つい先日、zazaさんという方からコメント欄に、
そろそろ終活の準備に差し掛かる時期でして、ついては私のビン靴コレクションをもらってくれないか。
とのメッセージを頂きました。
おお、そんなことがあるのね。で、レアなモノを含め十数足ある、とのこと。おお、そんなにもあるのね。大変有難いお話ですが、私もいい歳した大人です、お会いしたこともない方からいきなりそんな貴重な品を頂くだなんて、ね。
ただ、頂戴するしないに関わらず、どんなコレクションなのか是非とも拝見したい。ということで先週日曜日、厚かましくもご自宅にお伺いすることになったのでした。
zazaさんは5年ほど前から拙ブログをお読み頂いてたそうなのですが、実はブログ以外にも繋がりがあったらしい。
それがこいつ。
1968年製の青窓フローシャイム。
昨年8月にゲットしたこのペア、なんとこいつ、zazaさんがセカストに流されたものだったのだそうです。セカストでは他店の商品を近所の店舗に取り寄せて現物を確認できる、というサービスがあるのですが、どうやらこのペア、zazaさんが持ち込んだ店から私がゲットした店舗に移されていた、との経緯らしい。
記事で私が持ち帰ったことを知ってzazaさんも驚いておられたのだそう。そりゃそうですね、そんな偶然はなかなかないでしょう。しかしまあ、それにしてもやばかった。取り寄せた方がそのまま購入していたら私はこのペアを履くどころか見ることすらできないままでした。なんとラッキーな私です。
そのような数奇な縁も手伝って、コレクションの引き取り手の候補に私を挙げて頂いたとのことでした。
なもんで、
日曜日はこいつ履いてzazaさん宅へ。
里帰りさせてみた次第であります。
言うなればこいつが「zazaコレクション(その0)」である。
人はこれを「里帰りフローシャイム」と言うとか言わんとか。
【貴重なビン靴を手放す理由】
お伺いしたら早速一連の品々をご紹介頂いたのですが、これがまた素晴らしい靴、靴、靴。お言葉に甘えて2、3足頂いちゃおうかな。なんて思ってたら、「これ、全部持って帰ってくれ」とのこと。
おお!嬉しい!
けど、そんな、またなぜ?
そろそろ終活の準備、なんておっしゃってますけど、zazaさんは私より10歳ほど上なだけだし、まだ仕事も現役だし、準備とはいえ流石に終活はないな。なのになぜだろう。と思っていたら、なるほど、お話を伺って合点がいった。
zazaさんの足は日本人には珍しいサイズ感です。
全長はかなり大きめ、幅は普通~細身、なんだけれど甲は高い。日本製の既製靴でフィットするものを見つけるのはかなり難しそう。何より、日本の靴はウイズ展開がわずかです。「日本人向けに幅広甲高です!」なんてものばかりなわけですが、幅の広すぎる靴を履くのは相当辛いものです。
それに比べて、フローシャイムやアレンのカタログに記載によると、米国靴のウイズ展開のなんと多いことよ!てなことで、ebayでサイズUS9.5B~10.0Aあたりの米国ビン靴を買い求めるようになられたのだそう。
ただ、ご存知の通り、例えば「9.5B」と言っても実際のサイズ感は年代やメイカーによって様々です。ジャストのモノもあればタイトなもの、大きめなものなど一筋縄ではいかない。そんな海外から取り寄せた靴たちを、時に窮屈なのを我慢し、時に中敷きを足してサイズ調整しながら履いてこられたとのこと。
そんな風に「靴を足に合わせる」のでなく「足を靴に合わせる」ことでマイサイズぽく履いてたzazaさんでしたが、数年前にご自身の足にぴったりフィットする木型を見つけたのだそう。それが、「既製靴の最高峰」と謳われるハンガリーの「VASS」と、リーガルの靴を手掛ける東立製靴のオリジナルライン「ショーンハイト」の「ブリティッシュトラッド」のラスト。
以来、この2ブランドをオーダー等で新調しながら、アレンやネトルトンにサージェントなどこれまで入手された中でフィットするものと、ドクターマーチンの短靴やブーツなどをメインとすることにしたのだそう。全部拝見したわけではありませんが、それらの靴だけで20~30足はありそうです。
結果として、これまで「足を靴に合わせて履いてきたビンテージ靴たち」の出番は減る一方。今後はさらに機会自体がなくなりそう。であるならば、ここらで処分してしまおう。ついては、セカストに流すくらいなら価値を理解できる人に譲ったほうが靴にとっても良かろう。とのことで、私に白羽の矢を立てて頂いたとのことでありました。
おお、これは感謝せねば。
zazaさんには当然もちろんのこと、彼の足にフィットする靴を手掛けるVASSと東立製靴。この2社との出会いがなければ、今回の貴重なビンテージ靴が私の元にやって来ることはなかった、ということです。おお、VASS&東立さん、
サンキュー&グッジョブっ。
【zazaコレクション全容】
そんなことで、1足ずつ説明を頂きながら片方ずつプチプチにくるんで頂き、数えること13足。
自宅にて早速箱詰め&眺め中の図。
私の足にちょうどなモノ、中敷き追加が必要なものなど様々ですが、手入れについては、すでにビン靴に必要な手当ては済んでいる。長年履いてこられたにしてはコンディションは大変良好です。ええ、私より相当長い先輩ビン靴愛好家の品々ですの当然です。
今後は週に1足ペースで順次履いて、履くたびごとに1足ずつ記事にと思いますが、今回は13足の顔ぶれをさくっとご紹介しておこうと思います。
刮目して見るべし。
【1】NETTLETON ALGONQUIN 1940s-50s(?)
絶滅危惧種のビンテージネトルトンの中でも超絶貴重なやつ。こいつは私の足にだいぶ大きくて履けませんが、そもそも日常履きしてはいけないやつかも笑。
【2】NETTLETON TRADITIONAL PTB
シボ革のPTBは「TRADITIONAL」のライン。1970-80s頃でしょうか。アッパーもアウトソールもコンデイションはとても良好です。サイズでかめですがウイズが細いため、ロングノーズ気味に履けそう。
【3】NETTLETON ALGONQUIN
またもやネトルトンのアルゴンキン。こ、これはずっと前から履きたいと思っていたやつです。ソックシートには初めて見る種類のロゴが。どういったものなのでしょう。それが判明するよりも先に履き下ろしてしまいそうです。
【4】FRENCH SHRINER & URNER Oxford Spectator
ずっと欲しかったフレンチシュライナー。旧いのは最近球数ないんですよね。こいつはサイズに比べて小さめな造りで中敷き調整なしで行けそうです。状態も抜群に良くて、見てるだけで興奮します。「& URNER」ですので1950s頃と思ってましたが、なんのなんの、相当に旧い。zazaさんによるとCLASSIC SHOES FOR MENに掲載のペアの色違いです。ビンテージではなくアンティークです。履きたいけど、履いていいのかな・・・。
【5】FRENCH SHRINER & URNER Ventilated Spectator
またもやFRENCH SHRINER & URNER。これも相当に旧い、にもかかわらずコンディション超絶グッドであります。やはりこの年代のビンテージ靴の造りは圧倒的に素晴らしい。これもマイサイズ。涙が出そうです。
【6】PEAL&CO by ALFRED SARGENT
サージェント製のピールのペア。白いスエードに汚れはほぼなし。何に合わせて履けばよいのか、若干敷居高めです。サイズもやや大きめ。息子に履かせようか。思案中。
【7】PEAL&CO by ALFRED SARGENT
またもやサージェント製のピール&コー。先ほどの白と比べてサイズ小さめです。薄手の中敷き1枚で普通に履けそうです。ほんとは中敷きでキツネのロゴを隠したくはなかったりもしますが。傷もなくコンディション良好。久々にスーツが着たくなる、そんな1足です。
【8】FLORSHEIM 1960s
詳しい確認はまだなのですが、恐らく1960sと思われるフローシャイム。ブルーデニムかベージュのチノパンに合わせて履きたい。多彩な趣味をお持ちのzazaさんのコレクションはバイカラーとエプロンフロントダービーが結構な割合を占めてるいようです。
【9】Bostonian flexaires Perforated Spectator Shoe
これもコンビ靴なのですが、もうほんとにこれも激ヤバにかっこいい1足です。1950sと思われますが、もうほんとに怖いくらいコンディション良好、なうえに、マイサイズ、履けてしまいます。うーむ、履きたい。履いてよいのだろうか。そんな1足。
【10】Allen Edmonds Byron
zazaさんがビン靴に目覚める以前に履かれていた3Eウイズのアレン。アレン、大好物です。中敷き足して履きます。
【11】Scotch Grain
こちらも同様に3E。最近はまったく履いていないとのことで、中敷きが加水分解してロゴも何もありませんが、普段履きされてた割にコンディション良好です。手入れの跡が伺える。これも中敷きINしよう。
【12】ガルジョンマー・ストラップチャッカ
こちらも普段履きされてたやつ。MADE IN USAの表記のないジョンストンマーフィー。日本製でリーガル製の所謂「ガルジョンマー」のチャッカ。私にはやや大きいのと同モデルの黒を持ってます。茶のこいつは息子の足にちょうどよさそうです。
【13】Andre Marseille By Hanover
箱付きデッドということで購入されたものの一度も履いていないそう。靴袋つきで、問屋への発注用のカードつきとかなり稀少な完全品です。このソックシートのタグとロゴ、以前に一度だけでebayで見かけたことあります。確かハノーバーのデザイナーコレクションであったかと思いますが、あらためてどんなやつだったか、調べてみよう。
【おまけ】Winthropの靴箱
ebayで買った靴がこの箱に入って届いたそうな。おおっ、その箱欲しいです。1足だけ持ってるWinthropeのペアを入れます。
入れてみた。
おお、なんか嬉しい。
人はこれを「里帰りWINTHROP」と言うとか言わんとか。
☆★☆
以上、13足+1箱のご紹介でした。
毎週1足ずつ履いて・・・と書きましたが、いやはや、履いていいのかな、なんてペアが多数であらためてびっくり仰天です。貴重なビンテージがこれだけの数量で一堂に会すると見てるだけで圧倒されます。あらためてzazaさん、ありがとうございました。
思いますに、
半世紀前のビンテージ。下手すりゃ百年近く前のアンティークともいえる貴重な品々。そんなのが自分の手元にやってくるということ。それは「所有する」ということではなく一時の間「預かる」ということなのであろう。今回あらためてそう思った次第です。
zazaさんから私へ。で、先々は私もこの13足はビン靴愛好家の後輩に譲ろうと思います。それまでは履いて愛でて、楽しませて頂こう。そしてそれはほかの私の手持ちの靴も同様で、百足超の大半がいずれそうしていくことになるわけで、それまで間、大切に預かろうと思う。
いずれにせよ今後、週1足もしくは2週に1足ペースで全13足を順次ご紹介いたします。楽しみにお待ちください。
最後に、
【更新頻度変更のお知らせ】
減らしてた記事の更新頻度を少しだけ戻します。
現状:火曜と金曜の【週2回】
↓
今後:火・金+日の【週3回】
とします。
高齢の母を施設に入れる準備等で多忙となるため、週4回更新だったもの週2回に減らしたわけですが、母の件は諸々あってまだ継続中なものの当初よりはだいぶ落ち着きました。
方や、手元の靴は増える一方。それも爆裂なスピードで笑。結果、週2回更新ではとてもとても紹介しきれない状態にもなってきましたので、今週より更新頻度を【週3回】に増やします。
週2を週4にいきなり戻すのはしんどいし、記事も雑になってしまいがちなので、今後は落ち着いた以降もしばらくは週3回がいいかな、なんて思ったりもしますが、それはまた先々考えることにします。
とりあえず当面は【火・金・日】。余裕があるときは不定期でもう1記事アップするかも、といった予定です。引き続きお付き合いのほどよろしくお願いいたします。てなことで、次回の更新は明後日【10月18日日曜日】です。
See you next Sunday morning !
(おしまい)