ヴィンテージシューズ界への入り口(私の場合)

こんにちは、ばしです。

 

今回は、私がこのヴィンテージ靴の世界に足を踏み入れたきっかけについて、です。
誰の、何の役にも立たない話ですが、ま、お付き合いください(笑)。

 

シェイプの効いた英国靴こそが皆の憧れ

私にとって、憧れの靴、といえば英国靴でした。

私が革靴に興味を持ち始めた1990年前後。バブル真っただ中の私は大学生。
当時、高級な革靴といえば、アメリカ製ではなく、英国製でした。

ジョンロブ、エドワードグリーン、チャーチ、クロケット&ジョーンズ、グレンソン、ポールセンスコーン・・・。同じ英国靴でも、無骨なトリッカーズの人気は今ほどではなく、シェイプの効いたものがもてはやされていたように記憶しています。

雑誌の靴特集でも、英国靴が主流。
米国靴、仏・伊靴は扱いも小さいものでした。

当時の「ブルータス」。

消費税が導入された年、1989年の11月号。380円。や、安いっ。
いやー、懐かしい。モノ持ちいいんです、私(笑)。

当時二十歳の私にとって、まさに大人の世界への扉を開けるような心持ちだったのを今でも覚えています。

表紙はポールセンスコーン。中面は英国のファクトリーなどが中心。アレンはもちろん英国靴以外は、「その他のブランド」的な扱いです。アレンエドモンズ、へー、そんなメーカーがあるんだ、アメリカ製なのね。そんな認識。

アメリカ靴なら、バスのローファーとかオールデンのアルゴンキン(Vチップ)あたり。オールデンは、「エミスフェールのヤコブソンモデル」という名称が先で、「オールデン」というブランド名は後で知ったような。

いずれにしても、バブル絶頂期のあの頃、アメリカンなロングウィングは、当時のファッション・スタイルの面であまりマッチしなかったことも要因のひとつであったように思います。

大人に至る過程で、私くらいの世代にとっての本格靴とは、無骨な米国靴ではなく、英国靴なのでした。

土踏まずあたりの「シェイプ」にこそ価値があった時代、のように記憶しています。

 

Allen Edmonds , Dickson

この靴との出会いが、今の私のルーツです。
2002年からラインナップされたモデルのようですが、つま先から甲にかけて縦にステッチのある、あまり見たことのないでデザインです。

初めてこいつと出会ったとき、もの凄い違和感でした。
このデザイン、変ですよね?多くの人がそう感じたようで、今ではこのモデル、ラインナップから消えてしまったようです。

当時私は、この変なデザインの靴を買うべきか否か、散々悩みました。1カ月くらい何度も店に足を運び、逡巡している内に、この、へんてこりんなデザインが病みつきに。

1カ月経っても売れ残っていたら買う!
と決めて1カ月後、なんと、売れ残っていました(笑)。

今もこの、へんてこりんなデザインに魅了されています。
デザインもそうですが、分厚いダブルソールと、ジャストマイサイズであったことも持ち帰ることを決めた最大の理由です。

米国製の中古靴を購入したのはこいつが初めてでした。
ヴィンテージではない、かなり程度の良い単なる中古、で、ジャストサイズ。

この靴との出会いがなければ、このブログも存在しませんでした。
まさに、きっかけとなった一足です。

 

 

ヴィンテージシューズ、を知るきっかけ

前述の通り、この靴は2000年以降のモデルであり、ヴィンテージと呼ぶには新しいペアです。せいぜい十数年前の靴。私の元にやってきてからもまだ4~5年ほどです。

リサイクルショップでこの靴と出会い、ネットでその素性について調べていく過程で、私は「アレンエドモンズ」というブランドを再発見し、「米国ヴィンテージシューズの世界」に出会います。

アレンエドモンズは、ヴィンテージシューズの一角をなすブランドありながら、今も尚、昔の製法にこだわり、米国内で生産されている稀有なブランドです。昔ながらの製法で、米国内で生産している米国靴は、今ではアレンとオールデンの2社だけになってしまったそう。

しかし、時は流れ、アレンも昨年、大手資本傘下となりました。果たして、今後も従来の品質が維持されるのか、不透明といわれているようです。

米国靴と言えば、日本ではオールデンの人気のほうが高いですが、米国内で本格靴といえば、アレンのようです。特に、釘を一本も使わない製法による、ごついのに柔らかでしなやかな履き心地に、多くの人が魅了されています。

ま、私は、釘あり・釘なし、どちらも好きですが(笑)。

(左:アレンエドモンズ、右:フローシャイムロイヤルインペリアル)

 

フローシャイム? どこかで聞いたことあるなぁ

アレンのディクソンをきっかけにアメリカヴィンテージ靴の世界へと、まさに「足」を突っ込んでいくわけです(笑)。

思い起こせば、社会人ほやほやの頃。取引先で趣味の話になり、英国靴に興味があることを話したら、「ばっしゃん(わたくし、ばし、のこと)、イギリスもええけど、靴はアメリカ製、フローシャイムやで!」と、当時50代後半のおやじさんが熱くのたまっていたのを思い出します。

当時は全く興味が湧かず、「えー?浮浪者いむ?何それ?」てな感じで聞き流してました。四半世紀の時を経て、フローシャイムって、このことだったのね!と、感慨に浸っています。

ああ、フローシャイムとフローシャイム好きの松本さん(前述のおやじさん)、ごめんなさい。

 

今、私の手元にある米国ヴィンテージ靴は、フローシャイムが一番多くて6足、次いでボストニアン4足、続いてアレンが3足です。私にとっては、フローシャイムとアレンが思い入れあるブランドです。

次回あたりから、個々の個体について、もう少し詳しくご紹介していきたいと思います。

 

お楽しみに~。

 

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