こんにちは、ばしです。
9月というのに相変わらず暑いですね。
靴メンテは屋外派な私は、先週末も暑さに負けてサボタージュ。お盆休み以降サボりっぱなしですので、流石に今週末の3連休あたりからは再開せねばと心に誓う今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
サボタージュ中につき記事にできるメンテ記録もないため、今週は靴の話題はお休みさせて頂き、今回は8月末に涼を取りに訪れた和歌山県日高郡界隈でのサンダル崩壊の顛末などをしたためようと思います。
和歌山県日高郡、といってもお分かりにならない方も多いと思います。関西人でも「え、それってどの辺?」という向きも多いのではないか。私もピンとこなかった。
地図ではこのあたり。
赤い部分が「日高郡」。和歌山市の南側で白浜の北側のエリア。結構広そうですが、今回巡ったのは海に面した西側三分の一ほどのエリアです。やはり夏は水辺が涼しくて良い。なもんで、行先は水辺の近くを中心に以下の通り。
【1】道成寺参拝
【2】白崎クルーズ
【3】戸津井鍾乳洞
【4】産湯海岸
【5】日ノ御埼灯台
初めて訪れた場所ばかりでしたが、これがまた期待してた以上に楽しかった。実は、そもそもの目的は【4】産湯海岸でした。遠浅の海水浴場で膝から下だけちゃぷちゃぷやってリフレッシュしたい、とのことだったのですが、それだけで1日過ごすのは無理とのことでネット情報をもとにほかの四箇所をピックアップ。こんな位置関係です。
なかなかに盛沢山ぽく見えますが、
遠いところでクルマで30分以内の距離です。まあ、こじんまりしたエリアながらもクルマでないとどうにもこうにもならないわけですが。関西圏からなら2時間前後ですし、関西以外の方ならJR紀瀬本線のどこかの駅からレンタカー、というのがよろしいかと。
ちょうど今週末は三連休ですし、日帰りドライブにいかがですか? 翌週も飛び石で祝日がありますし、夏でなくとも肌寒くなるまで、秋口頃までは十分に楽しめそうです。クルマでしか行きづらい立地ということもあってか人出はさほど多くはなく、外国人観光客はほぼゼロでした。のんびり田舎を満喫するにはおススメかな。私自身もまた訪れようと思っておりますもので、自身への備忘録を兼ねて、順次ご紹介です。
【1】道成寺参拝 (9:50)
自宅から約90分。
阪和道川辺ICを降りて十分ほどのところに「道成寺」というお寺があるそうな。大宝元年(七〇一年)創建の和歌山県最古のお寺なのだそう。本堂などの建造物は重要文化財で、国宝・文化財指定の仏像などが祀られています。
なるほど確かに見応えのある仏像群でありました。が、最近は映画「国宝」ゆかりのお寺とのことで訪れる参拝者も増えている様子。ちょうど家内が原作・映画ともに楽しんでいたので、聖地巡礼ではないですが立ち寄ってみることにしてみた。
時間が前後します。門をくぐったらまずは左手の宝仏殿・縁起堂入口にて有料拝観の受付を済ませて建物の中へ。あちらこちらにポスターも貼られてました。
ただ、映画「国宝」というよりは、それ以前から歌舞伎の演目である「二人道成寺」の舞台ということで有名らしい。なので、
そこかしこに歌舞伎関連のポスターが多数。
屏風も二人道成寺。道成寺物というそうです。そもそもどんなお話かといいますと、
創建から230年経った、延長6年。参拝の途中、一夜の宿を求めた僧・安珍に清姫が懸想し、恋の炎を燃やし、裏切られたと知るや大蛇となって安珍を追い、最後には道成寺の鐘の中に逃げた安珍を焼き殺すという「安珍と清姫の物語」。
というものなのだそう(道成寺ホームページより引用)。で、その物語は「道成寺縁起」という絵巻物だそうで、住職自らその絵巻の写本を広げ、安珍と清姫の物語を紙芝居風にお話いただけます。
写真はホームページからの転載ですが、私が参拝した日は私と家内と、他に1組の4人だけ。大人数でも、一人でも、「絵とき説法」を頂けるそうです。開始時刻が決まっているわけではないとのことで、受付で拝観料(大人700円小人350円)を払って、そこでお願いすれば10分ほどで始めてもらえます。
右が案珍(あんちん)、左が清姫(きよひめ)。
ご住職曰く、日に数度、年に千回ほどを何年も説法されてるとのこと。そんな催しがあるとは露知らず伺いましたが、笑えるアドリブもあったりなかなか楽しい20分間でした。団体の場合は事前予約くださいとのこと。絵とき説法のあとは宝仏殿で冒頭の仏像群を、そののち本殿等を参拝し小一時間。思いがけず長居となりました。
最後に御朱印を頂いて、次の目的地へ。
【2】白崎クルーズ(11:40)
海の上は涼しいだろう、
との目論見で白崎海岸から漁船クルーズ。道成寺からクルマで30分ほどの距離です。クルーズは定期的な便があるわけでなく、事前に予約すればその時間に船を出してくれる、というものです。12:00からの予約のところ少し早めに到着したのですが、12時を待たずすぐに出航いただけました。
定員十数人。船は小型の釣船でしょうか。釣り人も多く訪れるようですので、夜半から早朝にかけては釣り人を、日中は観光客を乗せてクルーズしているのかもしれない。今回のこの便では乗船客は私と家内の二人だけの貸し切り状態。実は、同じ時間に8人の家族連れの予約が入ったそうなのですが、大人数になるということで、我々だけ別便で先に船を出していただけとのことでした。
乗船に当たっては準備されたライフジャケットを着用。洋上で切る風は涼しいのですが、8月末の快晴の空からの陽射しはとても暑く、背中がじんわりと汗ばむほどでした。9~10月頃の方が快適かもしれないな。尚、海から照り返す陽射しが強いですので、帽子とサングラスは携帯されたほうが良いかと思います。
クルーズは30分(大人2000円)もしくは60分(同2500円)。
今回は初めてということで30分にしてみましたがちょうどよかったかな。和歌山と淡路島と四国に囲まれた内海を白崎海岸沿いにクルーズするのですが、石灰岩で形成された海岸沿いは白く、日本のエーゲ海と呼ぶ人もいるそうな。
実際そうなのかはエーゲ海行ったことないんで分かりませんが、青い海&青い空と白のコントラストはなるほどとても美しい。途中、船の横を並走するようにトビウオが10秒近くも滑空する様子なども見れて家内も大感激。内海だからそんな揺れないし、子連れ家族連れの方も楽しめそうでおススメです。
(予約はオンラインまたは電話で、こちら参照)
てなことで、少し汗ばんだ背中を冷やすべく次の目的地へ。と行きたいところ、昼を過ぎてお腹が空いてきました。昼飯です。どこで食べるかは決めていなかったのでなりゆき任せ。近くのビーチにカフェやらハンバーガー屋があると聞いていたのでとりあえずそちらへ向かってみた。
【ランチ】Fitam フィータム (13:00)
クルマで北東へ10分ほど走ると綺麗でこじんまりしたビーチが。衣奈ビーチというらしい。
駐車場とかはなくて、皆さん海沿いの道路に駐車して各々目的地へ。写真はどこかよその人のクルマです。で、その向かいにハンバーガー屋を発見。
星条旗はためくそこは「Fitam」なるハンバーガーショップです。ネット情報によると結構旨いらしい。
ハンバーガーの種類は様々あるのですが(こちら参照)、月替わりのメニューがおススメとのこと。8月は「パイナップルハニーマスタード」で、ちょうどこの日が最終日。よし、そいつにしよう。沖縄豚ベーコンをトッピングで、飲み物は辛口ジンジャーエールにしてみた。
席からオープンキッチンの様子が見えるのですが、どうやらオーダーしてからひき肉を捏ね始めた様子。なもんで、待つこと20分ちょっと、出来上がる頃には私の腹ペコ加減もマックスです。
どすんっ。
うおお、背が高いです。
でもって、ベーコンのなんと分厚いことよ。バンズもトースターで炙ってあるのか表面が少しパリッと硬くなっています。味はもう、抜群であります。飲み物とハンバーガーで2千円ほど。この手の少し値の張るスペシャルなハンバーガーは結構好きで時折食べますが、正直、今まで食べた中でも一、二を争う感じ。相当に美味かったです。
ただ、周りを見渡せば若者ばかり。若者や小さな子供連ればかりな中、私と家内の二人だけが彼らの親世代という少し場違いな感じも笑。お客さんだけでなくお店のスタッフも若者ばかり、なのですが、ハンバーガーは旨いし、スタッフの対応は優しく気持ち良くて、ここにはまた食べに来たい、次も期待。そんなお店でありました。ご馳走様でした。
満腹なお腹を抱えて次の目的地へ。
【3】戸津井鍾乳洞
衣奈ビーチから車で5分。
そこは鍾乳洞の入り口です。なんでも、年間を通じて中の温度は15度程度とのこと。おお、くそ暑いこの季節にはサイコーです。入場料(大人400円)を支払ったら早速中へ。
中はこんな感じ。
ペルム紀(2億5000万年以上前) の石灰洞穴なのだそう。規模は小さいです。大人は腰をかがめないよういけないような狭い箇所も多く、小さな子供さんには探検気分が味わえていいかもね。ただ、辺鄙な場所にある穴場でマイナーな鍾乳洞ということで、営業は週末のみ、平日はクローズらしいので注意が必要です。
あと、天井が低いだけでなくところどころ幅もかなり狭いです。太り気味な人は注意が必要です。お腹や背中をぶつけないよう気をつけて。けどまあ、涼しいです。涼しくて良かったのですが、十分ほどで出てきちゃいました。そもそも規模が小さいことに加え、私、狭いところは苦手なんですよね。それに、今ここで地震が起こったらどうしよう、なんて考えたり。まあ、そんなスリルも涼しさに拍車をかけたとかかけなかったとか。
洞窟の入り口は結構な高台です。で、ここからも海が。今回訪れたエリアの多くはこのような山間部が大半で、山道を抜けるといきなり小さな港や浜辺が現れる、といった感じでした。恐らく、住んでおられる方もさほど多くはなく、観光地化もあまり進んでいない様子。穴場的なロケーションにつき賑やかではありませんがそれがまた良いね。そんなことを考えていたら、旅は早くも後半戦です。
ちなみに、今日ここまでの足元はこんなでした。
ナイキ・エアリフト。船に乗ったり鍾乳洞を歩いたり、ということで、グリップ性の良いやつにしてみた。次はいよいよ砂浜へ向かいます。サンダルに履き替えて向かったのは、
【4】産湯海岸(14:45)
遠浅の海水浴場。こちらは真夏は結構にぎわうらしく、広い駐車場やシャワー施設も完備されているようですが、この日は海水浴シーズンもピークを越え人影もまばら。
とりあえず足元だけも涼しくなろうと海へ入ったものの、なんと、海水温の高いことよ。水着で全身浸かったらそれなりに冷たく感じる?いや、感じないだろうな。冷たく感じれるのは10月頃かもしれないな。当初の主たる目的地でしたが10分ほどで切り上げて最終の目的地へ。
【5】日ノ御埼灯台(15:10)
産湯海岸からクルマで15分ほど。
海の近くと思っていたら予想に反して山道をくねくねと走り高台に到着。この先が灯台のようですが、灯台の脇には駐車場がありませんでした。灯台の少し手前左手に「駐車場」という看板を発見。車5~6台が停められる駐車場とは名ばかりのただの空き地なのですが、無人&無料のそこに停車して坂を海に向かって数分下ると、そこが日ノ御埼灯台。
南西に向かって広がる海。夕日が綺麗、とのことだったのですが、思いがけず早い時間に到着してしまいました。ですが、夕日はなくとも眺めは素晴らしい。
水平線の向こうには淡路島が見えるはずが、ぼやけて島影は見えない。
この向こうは四国、なはずが、こちらもぼやけて見えず。なのですが、
それがむしろ好都合でした。岬からぐるりと眺める先はまるで何もないような大海原で水平線が見えるだけ。これはこれでラッキーだったかもね。次は夕方に来よう。などと話しながら駐車場へと引き返そうとした正にその時です。
うげっ、サンダルが壊れた。
ソールはラバーを2枚貼り合わせた造りのようです。一応新品で購入したものですが、何年前にどこで買ったかも覚えていないような安物です。まあ、サンダルですので、海の近くで役目を終えられてこいつも満足ではないかな。と思ったその時、流れ星が。
いや、飛行機雲でした。
さようなら日ノ御埼灯台。さようなら安物のサンダル。また会う日までご機嫌よう。サンダルは家に帰ったらポイしよう。
☆★☆
和歌山県日高郡界隈を巡る旅は以上です。
思えば、和歌山とは浅からぬ縁があります。私と父は生まれも育ちも大阪なのですが、祖父は和歌山の出身だったらしい。若かりし頃、祖父は和歌山からアメリカへ渡るべく様々準備をしていたらしいのですが、旅立つ直前に戦況か何かの影響でとん挫、結局海を渡ることは出来なかったのだそう。
もし彼が当初の予定通り移民としてアメリカに渡っていたら、祖母と出会うこともなく、父も生まれず、私も今この世にはいない。
私にとって馴染は薄いモノの縁ある場所、それが和歌山。祖父のことはなんせ百年も前のことで、何歳ころの話か、和歌山のどのあたり出身なのかも分からないのですが、ひょっとした爺ちゃんも子供の頃この地を踏んでいたかもしれないな、なんて想像しますとなかなかに楽しかったです。DNA的には和歌山がルーツな私。とりあえず、またハンバーガー食べに来よう。
で、ここからが本題です。
ビン靴フリークといたしましては、初めての地を訪れる際は必ずリユースショップを巡るのがミッションでもあります。この日も当然そのつもりでおりましたが、なんと。
灯台から最寄りのセカストまではクルマで一時間以上かかるようです。白浜は帰路とは逆方向だし、海を渡るわけにもいかないし。セカスト以外のリユースショップもないみたい。となりますと、唯一の選択肢は、大阪へ帰る道すがら和歌山市内の店舗に立ち寄る、ということになりますが、そうまでしてパトロールしたいわけでもない。
いや、仮に立ち寄ったとして、釣果がゼロだとお前はアホかと言われそうです。なもんで、やめといた。次のショートトリップはセカストのあるエリアにしよう。
白浜まで足を延ばすか。パンダがいなくなって以前ほどは混雑してないらしい。あるいは、日高郡にセカストができるのを待つか。それはだいぶ先のことかもね。いずれにせよ、いやはや、ショートトリップなのに長文になっちゃいました。
今回はこのへんで。
(おしまい)