こんんちは、ばしです。
今回は前回からの続き、後編であります。
ごく簡単におさらいしときますと、
ばね式のシューキーパーの所為でソールが変形してしまったワシントンのブーツ。シューキーパーの所為だけではないのでしょうが、長い時間をかけて形を崩し、同時並行で乾燥も進んで最終的にこの形で固まった。いわば、「干しシイタケ」といった趣であります。
このままでは履けない。本来の形に戻さねば。【リシェイプ】です。手順はシンプル。干しシイタケですので、まずは水で戻しましょう。一旦「ドボン」とつけてしっかりと水分を含ませる。その上で今度は、シューツリーで形を整えつつ再度乾燥させる、というものです。
水を注ぎ始めたところまでが前回でした。
さて、以下、続きです。
じゃんじゃん水を入れる。
全体がしっかり浸かるよう容器いっぱいに水を張り、
蓋をして一晩寝かせます。
しっかり浸かれよ~。
ここまで、7月最後の土曜日のことです。
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翌日曜日朝。
蓋に水滴がびっちり。朝日を浴びて水温がかなり上がっているようです。
うげっ。水が茶色くなっています。干しシイタケから出汁が出た、わけではあろません。この色は何から染み出た色目なのでしょう。ソール、かな。アッパーに茶が移ったりしてるのでしょうか。取り出して確認です。
レザーライニングは白いままですので色移りはなさそうです。に思えるが、ファブリックのアッパーはどうなんでしょうね。
そういえば以前、コールハーンのホワイトバックスを似たようなやり方で汚してしまった。あの時はコーヒーで全体を茶色くした上で転がした(「COLE HAAN ホワイトバックスのその後②木は森に隠せ」参照)。履いてくれる人見つかったし、今回はコールハーンの時ほどひどくはない。
まあ、なんだかんだ言ってもいまさらどうにもならないわけですが。
反対側から。アウトソール、爪先が上方向に反りあがっています。水に浸けただけですが、水分を吸ってだいぶ元の形に自然に戻った、のかもしれない。
じゃぶじゃぶと数度濯いだら浸け置きフェーズは終了です。
あらためて、平らに伸びきっていたアウトソールは自然な感じに戻りつつある。
水分を吸ったレザーソールは柔らかく撓ります。
よし、いい感じです。タオルで水気をしっかりと拭ったらいよいよ乾燥です。
手で形を整えて、
シューツリーを入れてジッパーを締める。
形としてはこんな感じ。この状態で乾燥させます。
アウトソールが乾燥しやすいよう自転車のかごで乾かそう。風通しはオーケー。直射日光を避けるため上部をタオルで覆います。
夏場は乾きやすいからありがたい。
近所の畑の向日葵もそう申しております。
翌・月曜日朝。
5時起き早朝ジョギングのあと乾燥具合を確認です。
だいぶ乾きました。次の週末までしっかり乾燥させるつもりですが、内側のレザーライニングにデリケートクリームを入れておこう。
革靴を丸洗いした際は、完全に乾燥する前にデリケートクリームを塗布しておくことが大切です。今回はブーツで面積も大きいこともあり、百均の「もどき」をたっぷり塗り込んでみた。
さて、1週間後の一昨日日曜日。
すっかり乾いた。
シューツリーは木曜に外しました。
中には何もない状態です。
ジッパー下げてもこの通り。
アウトソールの形はしっかりと整ったようです。
紐を通してビフォーアフターで確認です。
【BEFORE】
【AFTER】
形はとてもよろしい。
【BEFORE】
【AFTER】
しっかり整いました。色目は、やはり少し着色されてしまったようです。一晩は少し長すぎたか。あるいは、こまめに水を替えるべきだったかもしれない。けどまあ、周囲に「ビフォー」の色目は分からないわけで、皆「最初からこんな色目」としか思わんでしょう。
うん、よろしいのではないでしょうか。
グッドです。グッジョブ、俺。
ところで、
「ファブリック」なわけですが、このアッパーの素材は何ですかね。以前、似たような感じのペアを1足持ってました。
すでに転がしたこいつは、ハードマンズという会社のアイリッシュリネンを使用したリーガルの限定モデルです。
このリーガルのほうが織りの目は詰まってますが、雰囲気は結構似てるような。
おそらくこいつもリネン=麻素材でしょうかね。汚れやすいのが玉にキズなのですが、独特の風合いが素敵です。どんな服装に合わせるのがよいのでしょう。ブーツだし、やはり秋以降ですかね。とりあえずサイズ感の確認です。
足を入れてみた。
うげっ。
タイトです。タイト過ぎる。全長もパツパツな上、小指が当たって痛いです。
サイズ表記は「26」「9C」だったのですが、実感としては「25」「7.5C」です。
すごくきれいでかっこいいのですが、
もしかして、ひょっとして、こいつレディースのペアなんていう可能性もあるのでしょうか。丸洗いして縮んだ、との可能性も否定はできませんが、シューツリー入れて乾燥させましたし、ライニングにもクリーム入れましたのでそんな極端なことにはならないはず。そもそも、当初からアウトソールが細身で小ぶりだとは思ってたんですよね。
コバインク入れてメンテ完了です。
内羽根のファブリックのブーツ。このシェイプの効いた爪先を見ますと、やはりレディス仕様だったのかもしれない。まあ、色も形も男性が履いても何ら問題ないわけですが、自分で履くつもりだったのにね。残念。
やむなし。転がしましょう。そういうこともある。
まあ、しっかり整いましたし、いいことした気分。
最後に、今回の「教訓」。
乾いた靴を水に「ドボン」と浸け混む際は、「放置時間」と「水の入れ替え頻度」に留意しましょう。特に白やベージュなど明るい色目のペアは要注意です。
なんだけれど、またやらかしそうか気がしなくもない。
(おしまい)