こんにちは、ばしです。
10月に買って紹介がまだなペアが5足あります。
11月もすでに5足買った(内2足は太平洋上)し、いい加減記事にしていかないとたまる一方です。なもんで、当面は個別のペアを順次ご紹介していきます。今回はその中で唯一のメンテ済なやつ。メンテだけでなく、出品も済んでいて、すでに売却済です。そう、8月から新たに設定した「転がす専用」なやつです。
あらためて「転がす専用」がどういう内容かといいますと、
「原則的に税別3000円以下の中古靴」
「出品後2、3日中には決着のつくもの」
「儲けを積み重ね既存の靴の修理に充当」
という趣旨・目的となります。
当然、右から左ではなく、必ずメンテナンスを施します。そのメンテナンス費用=儲け、なわけですが、その額は小さくても構わない。重要なのは、「確実に儲かるであろうものを目利きすること」と、「出品後1日も早く回収すること」の2点です。
8月に始めて以降、すでに5足旅立たせました。全て収支はプラスですし、大半が出品後24時間以内に、手こずった1足も1週間後には発送を完了させました(参考「転がす専用」記事一覧)。
この要件を自分に課して以降、
「2000円でお釣りなやつは迷ったら持ち帰る」という昔のマイルールが、今では「迷ったら持ち帰らない」に変化しました。1点1点を今まで以上に吟味するようになり、これまでのところ要件をクリアし続けてます。今後も取りこぼすことなく継続させることが目下の私のミッションの一つです(←バカ)。
6足目の今回は「24時間以内」とはいきませんでしたが、おおよそ36時間で旅立たせました。記録更新中です。
こいつ。
アンノウン・シングルモンク
近所のセカストで拾ってきました。2000円でお釣りなやつ。安い理由は2つかと。
ひとつめ。
腰裏に軽いダメージあり。使用にはそれほど問題なさそうです。
ふたつめ。
右足切り返しの上部に履き皺あり。なぜ、どうすればこの位置に皺がいくのか不明ですが、あるものはしょうがない。
ですが、
ソールは大変綺麗です。右トゥの皺や腰裏のダメージに似つかわしくない。ヒールも9割がた残っている印象です。そして、何より素晴らしいのが、
シングルモンクなんだけれど、甲全体を覆うようなスタイル。昔、ジョンロブの靴でこのスタイルのを見かけて以来、個人的には「最も美しいドレスシューズのスタイル」と思っているのがこの形です。
残念ながら私には少し大きい。なのですが、これを見て美しいと思わない人は絶対いないはず。秋になり、ジャケパンノーネクタイな季節も過ぎ去りました。スーツや結婚式の足元にはうってつけです。今こそその季節です。
とはいえ、相当にドレス感の高いスタイルです。スーツならなんでもいいってもんではありません。カッコよく履きこなすにはややハードル高めです。皆が欲しいと思うわけではないでしょうが、お買い得価格であれば是が非でも欲しい、そんな洒落者が絶対にいるはず。そう見立てて拾ってきました。
転がす前にメンテです。まずはくたびれ感を、特に甲の皺を何とかしよう。ということで、風呂場へ直行しました。
丸洗いしよう。
と、思ったのですが、それほどダメージが強いわけでもない。汚れもそれほどでもありません。丸洗いして逆におかしなことになっては目も当てられません。てなことで、丸洗いは中止。
代わりに、
靴下を使おう。
水に濡らして、
ツリーに被せて、
INです。
靴下の所為でタイトフィットになったツリーを入れて、湿って乾く過程でアッパーが若干縮むはず。右足爪先の履き皺が多少なりとも改善してくれたら嬉しいな。
翌日。
うーん、どうでしょう。
あまり変化はないかな。
タピール・レダーオイル。外側からもケアしときましょう。ちなみに、前日の時点でアッパーはステインリムーバーで汚れ落としは済ませてます。何がどの程度改善するかは別として、まあ、いつもの手順で。
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さて、その週末。
うーん、爪先の皺はほとんど変化ありません。甲のあたりの履き皺は多少伸びてすっきりしたかな。まあ、履きジわありのまま、その分安くして出品しましょう。さて、メンテ完了させましょう。
ブートブラックリッチモイスチャー
モチモチになるやつ。いつも通り左足から進めてます。
サフィールクレム(黒)
ドレッシーな靴なので、黒をいれましょう。10分ほど乾かします。
その間に、
踵に小石発見。
マイナスドライバーで除去です。
さて、10分経ちました。
ブラッシングなど
ブラッシングしてウエスで磨きました。
ま、少しは黒くなったかな。
M.モウブレイトラディショナルワックス
たまにはワックス。
まあ、ましにはなったでしょう。
右も同じ手順で仕上げてメンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
うん、よろしいのではないでしょうか。
【BEFORE】
【AFTER】
右トゥの皺、それほどには気になりませんかね。まあ、少しくらいのダメージは補って余りあるカッコよさです。
さて、こいつ、どこの何者でしょう?
ソックシートのロゴは擦り切れてしまって何も文字が見えません。
爪先側にも文字の類は皆無。
印字もこれだけ。「8」がサイズ、なのかな。もしそうであるなら「UK8」と思われます。
お、羽根の内側部分にも文字が。「MADE IN INDIA」。インド製です。
このペア、スーツなどが中心のアパレル「ONLY」が「MEERMIN(メルミン)」に別注しているペアと思われます。
ONLY
京都発のスーツスタイルのアパレルです。
靴の価格は1万円ちょっとから2万円くらいまで。1万円台半ばくらいがボリュームゾーンぽいです。今回のモデルは過去のラインナップの様で、現在は扱いがなく新品時の価格は不明です。ただ、恐らく1万円半ばの価格帯のラインかと思われます。
実は、近所の駅前にここのお店がテナントで入ってまして、
このソールに見覚えがあったんですよね。で、このメルミン別注のシリーズも何度か見かけたことがありました。よくできてるな、そんな印象のグッドイヤーの靴であったことを記憶しております。
同社の最近のインド製のペアは必ずしもメルミン別注ではないようで、このペアが100%そうなのかは定かではないのですが、まあ、しっかりしたつくりであることは間違いない。息子が社会人になったら、何足かの内1、2足はここの靴も悪くないな、同じ価格帯ならここのがいいんじゃないかな、そんな印象です。
で、すみません、記事書いてて気づきました。ソックシートに「ONLY」の文字とロゴがうっすらと。やはり間違いなさそうです。
私自身はここの靴を買ったことないのですが、シャツはちょこちょこ買ってます。
あ、いや、ちょこちょこどころか、ほかにも2枚で計7枚。気づけば仕事用は全部こちらのシャツになってました。ああ、なんか回し者みたいですね、すいみません。利害関係等は一切ございません。
シャツはサイズ感が大事です。写真のはたしかネック40の袖83。袖はホントは84があればありがたいのですが、大体どこのメーカーにもないんですよね。しゃあないです、そんな贅沢は言いません。で、八尾のONLYのお店はアウトレット店らしく、結構安いんですよね。モノもそんな悪くなくて、コスパなかなかグッドです。
そんなスーツスタイルがメインのお店だからこそ、このスタイルの靴も企画されたんでしょうね。この価格帯でこのスタイルはほかではなかなか見かけません。なかなかグッドな選択だと思います。
ただこのペア、若者が履くにはやや背伸び感のあるスタイルかも。
ここはオッサンが「ばしっ」と、いや、「びしっ」と手本を見せたいところでしたが、でかいもんはしょうがないです。て、もう売っ払ったし。で、今もこのスタイルがあるなら新品でも買ってみたいところですが、ないものはしょうがない、ああ、残念(笑)。
そんなオンリーさんの靴ですが、メルミン別注品以外にもなかなか素敵なドレッシーな靴を良心的価格で提供されているとの印象です。ぜひともジャストサイズで、間違ってもワンサイズ上の靴を進めないようお願いしますね。でかいと七五三みたいになっちゃいますし、何より履き心地が悪いです。特にロングノーズ気味な靴ほど要注意です。
スーツも、シャツも、靴も、日本人は大きめサイズを選択しがちなようです。シャツやスーツの大きめサイズは、だらしないだけで着心地が特段悪いわけではないでしょうが、靴に関してはジャストでないと疲れます。
若者の革靴離れは、ジャストサイズを選択しないことにより「履きづらさ」を感じることが一つの要因と思っています。若者向けのこの手の店は、価格帯も良心的です。靴のサイズ感のことまで細かなアドバイスは手間かもしれません。が、スーツスタイルの初期の時点で「着心地・履き心地の悪さ」を感じさせてしまうと、益々若者がこの手のスタイルから離れてしまいかねない。何事も最初が肝心です。
色やデザインやブランドもさることながら、「ジャストサイズ」であることが何よりも大切であり、サイズ感こそがオシャレかそうでないかの要諦・前提となるとなります。そういう意味で、オシャレなスーツスタイルの若者が増えたら、オッサンとしては嬉しい限りです。
またまた脱線しました。今回はこの辺で。
(おしまい)