こんにちは、ばしです。
3月も今日で終わり。あっという間でしたね。
休校に卒業式の中止に外出の自粛など、日本国内でもコロナの影響が大きくなったひと月でした。出口はまだ見えませんし、まだまだ予断を許さぬ状況ですが、1日も早い終息を願ってやみません。
せめてブログはいつも通りでいきましょう。
このところの古靴漁り。
自粛要請もあり、リユースショップ巡りは先週末はお休み。
ですが、それ以前から、近所のいつもの店ではめぼしいものに出会えてません。春は衣替えの季節ですから、本来であればもっといろんなペアが店頭にならんでもいいようにも思えるですが、持ち込まれる「箪笥の奥の肥やし」が普段より少ないのでしょうか。
やはりここでも自粛ムードが影響しているのでしょうかね。
で、軸足はネットへ。最近は特にメルカリです。値段の上限を安く設定した上で検索をかけ、どんなペアが出品されてるのか、片っ端から見ていきます。
稀に、お宝が単なる中古靴として出品されていたり、お宝と分かった上で「好みが変わったから」などの理由でお安く出品されていたりしますので、そんなやつを探して巡回するわけです。
で、良よさげなのがあれば「いいね」でチェック。氏素性を調べてみて、買うか、買わないか、様子を見るか、検討していきます。
で、いくときはソッコーでいきます。私みたいな人が沢山いるようで、お宝は油断してるとすぐに他の人に持ってかれちゃいます。即断が大切、なもんで、予算を決めて、価格の上限を縛って検索探索することでスピード感も出てきます。
今回もそんなこんなで私のもとにやってきたやつ。
こいつ。
Allen Edmonds , Boot-Skos
アレンのチャッカ、といっていいんでしょうか。それまで見たことのないアレンで、思わず手が止まりました。
出品時の写真で、インソックの「Nailess」「Boot-Skos」の文字が見え、出品者さん曰く、サイズは「25.5センチ」、と、ぎりぎりマイサイズ。こ、これは行っとくべしペアと思い、ぽちっと行かせていただきました。
出品時の写真どおり、ロゴも斜体期のもの。アレンの年代判別はインソックの表記と小窓のロゴが手がかりとなります。このペアは1960s、ということでいいのでしょうか?
ソールはラバー。ガンガンいけそうな感じ。
で、このペア、アッパーが特徴的です。
「ペッカリー」という、豚やイノシシ系の革だそうです。毛穴が3つ空いているのが特徴のようですが、豚革でよく見かける雰囲気です。
1968年のカタログに載ってます。
昔のカタログが参照できるのがアレンのいいところです。カタログの件は後述するとして、左上の「BORHIDES」というのがペッカーリーの革のことのようです。
ペッカリーのメンテなどしたことありません。比較的柔らかな革みたいですが、今回のペアは結構硬いです。結構分厚い、で、乾燥気味なのでしょうか?
いつも通りな感じで行ってみました。
ステインリムーバー
そんな汚れてません。で、水分吸い込みます、まだらに。こういうの、あまり得意ではありません。なんか、仕上がりも斑になりそうで怖い。
LEXOL
ここまではいつも通りのルーティーンで。コバ周りもそれほど汚れはない。最近はあまり履かれていなかったのかも。まあ、だから出品されてたのでしょう。
DAISOのヒト用ローション
グリセリン保湿替わりに最近よくやるやつです。乾いてるくせに染み込み方がいまいちです。斑になりそう。かつ、十分に保湿できないかも。よし、久々にやりましょう。
グリセリン保湿
濃度30パーセント程度のグリセリン水で保湿です。最近霧吹きを使用してます。湿らせたコットンパフでアッパーを全面覆います。で、さらにその上から全体を霧吹きで湿らす。
履き口周りは念入りに。ここが乾燥していると、履いたときに割れてしまうことがあります。過去に1度だけありました。苦い思い出です。
1時間ほど放置して、全体が湿ったあと、踵部分に保湿できていない部分があり斑だったので、踵だけ重点的に追加で保湿しました。甲のあたりが乾き始めてるのはそういう理由です。
履き口は内側までしっかり湿ってますので、まあ、十分でしょう。水分を吸い込んでますので、追加のクリームも浸透しやすい状態です。なもんで、ここでさらに栄養補給。デリケートクリーム替わりのDAISOヒト用クリームをたっぷり塗りこみます。
ブーツは面積大きいですが、100円だから惜しみなく塗りこめます。いやというほど塗りこみました。
独特な革質です。
トゥに傷ありますが、細かなことは気にしない、気にしない。
半日経てば、すっかり乾いちゃいました。この後、さらにも一度ヒト用クリーム塗りこみ、就寝です。
翌日、朝。
わお。すっかり元通り乾いてます。メンテ前はこんなでした。
多少色は濃くなりましたが、艶感はなくなりました。ちゃんと保湿できてるのでしょうか?けどまあ、あれだけやりましたし、これ以上やってもおなじでしょう。そもそも、これがペッカリーの普通な状態なのかもしれません。
TAPIRでオイルアップしたいところですが、色が濃くなり過ぎそうです。コロニルだけで仕上げました。まず左に。
表面のカサカサ感はましになったかな。やはり適度の艶がないとみすぼらしいですね。右もコロニル入れて、ブラッシングでメンテ終了!
うん、まあまあな雰囲気ではないでしょうか。
【BEFORE】
【AFTER】
うん、オーケーです。ペッカーリーの革の雰囲気もより感じられるようになりました。
アレンの年代判別~カタログチェック
前述したとおり、アレンは昔のカタログがWEB上に公開されています。
こんな感じ。
https://issuu.com/allenedmonds
↑ こちらで見れますので、ロゴなどの表記に加え、当時のカタログで年代の検証が可能です。ざっと眺めてみましたところ、1957年あたりが一番古いようです。
で、今回の「Boot-Skos」を調べてみました。
1963年のカタログに載ってます。しかし、履き口の仕様が異なります。今回のペアは履き口が二重になっていて、ミシン目の位置も履き口から1センチほど下です。
63年のカタログの履き口はこんな感じ。
スパッと革の断面があり、履き口にそってミシン目があります。
あ、余談ですが、手前と奥でサイズ違いますよね。並べて撮影したら手前が大きく映るはずなのに笑。
で、戻りまして、モデル名は「BOOT-SKOS」ですが、品番は異なります。
1963年のBOOT-SKOSは「5969」。
今回のは、、、。
「5960」です。同じモデルでも、仕様のマイナーチェンジに伴い、品番も変更になったんですかね。しかし、古い型の方が番号が小さい、って、どんな規則でのナンバリングなんでしょうね。
で、今回と同じ履き口の仕様で、同じ品番5960なのがこいつ。
1965年のカタログです。この時点では5910の黒もあったようですね。
で、1968年も同じ仕様です。
ていうか、カタログの写真そのものが同じです。黒はなくなったみたい。
で、1970年もそのまままったく同じ。
ですが、少しとんで1974年。
履き口の仕様は同じですが、写真も違うし、トゥの形状が違います。そして何より、、、
品番が違います。「5961」に変わってます。
5960はどこにいった?色違いで異なる品番があることも当然ありえますが、それならカタログに複数の品番が記載されているはず。なにより、5960も5961も「Briar-Tan Borhides」と同じ色目です。1965年のカタログには、「5910 Black Borhide」の記載もありますし、5960は色目ではなく、ラストが変わった等により廃番になった、と考えるのが妥当でしょう。
ということで、今回のペアは、1964年以降1974年未満、おおよそ1960後半から1970年の初め頃のペア、といえそうです。私と同世代の古いやつです。
どおりで、ケミカルなミッドソール部分が経年で崩壊するわけです。
まあ、履く分には問題ないですし、転がすわけでなく自分で履く用ですし、そもそもビンテージですから、この程度のことはあまり気にならない性質です。
まあ、何より、自分と同じアラフィフ同世代なやつが仲間に加わったことが嬉しいです。
素足でジャストな6足目のアレン。
これ履いて、早く週末に外出したいものです。
楽しみに待ちましょう。