マイファースト ROBLEE(後編)

こんにちは、ばしです。

 

「マイファーストROBLEE(後編)」

 

今回は前回の続きです(「前編」はこちら)。

先々週の週末から一昨日の日曜にかけてメンテいたしました。まあ、メンテと言いましても、履きこまれた感の薄いペアですし、ダメージもなく特段問題があるわけでもありません。「メンテ」というよりは「ケア」ですかね。

とはいえ、1960sと何分旧いペアです。それなりに乾いていたりするかも。

そして何より、ブラウン社の「アッパーライン」のはずが、あんまり上質に見えないアッパー。今が本来の姿なのか、きちんとケアすれば多少なりとも化けるのか、確認してみたい。そして、エプロンフロントの蛇行した切り返しのラインをビシッとよみがえらせたい。かつ、できれば、少し狭そうBウイズをほんの少し太らせたい。

上記3点を主眼に、手入れを行った次第です。今回もグリセリン保湿いたしますので、左右同時に作業進めていきます。

 

まずは紐を抜いて、シューツリーを入れる。

おお、しゃきっとしますね。ただ、ツリーがないと、

おお、ラインが蛇行してます。これはいただけません。

さてさて、どんな風になるのやら。いってみましょう。

 

 

ステインリムーバー

どういった革の種類なのでしょう。ガラスレザーではないのですが、ガラスっぽくもあり。

革質は高級そうには見えないのですが、どうなんでしょうね。

 

LEXOL

ワックスも汚れもそれほどではないのですが、いつもの手順で。

変化なし。

 

グリセリン保湿

コットンパフに濃度30%のグリセリン水をひたひたにして、全体を覆います。

 

3時間後。

ライナーにも染み拡がってきました。

コットンパフにアッパーの茶色も染み出てきました。剥がしましょう。

おお、かなり色が移ってます。百均のこのコットンパフ、リサイクル使用で今回で3回目です。お役御免です。

それなりに湿りました。

まあ、こんなもんでいいかな。

さて、乾燥させましょう。

ツリー入れて乾燥させます。湿らせてから乾燥させますと適度に縮んでパリッとするわけですが、今回少し幅出しもしたい。ツリーの甲側だけショートソックスを被せて、いつもよりテンションかけて乾燥させてみます。

お、なかなかよさげかな。

おお、切り返しのラインがシャープになりました。
グッジョブ、俺!
あ、いや、まだまだ途中です。

 

【翌・月曜日】

それなりに乾いてきたので、追いグリセリン。百均のデリケートクリームもどきを塗り込みました。

 

【火曜日】

さらに24時間後。見た目にはあまり変化はありません。オイル入れましょう。

毎度毎度のTAPIRレダーオイル。正しくは「レーダーオイル」なようですが、「LEDER」=「LEATHER」=「レザー」でいいよね、このままいきます。

おお、ギラリ。

両足とも、ギラリ。

 

【水曜日】

結構しみ込んだような。

もう1日このまま放置で。

 

【木曜日】

前日とあまり変わらず。

乾いた部分、上質に変化する気配なし。なもんで、

追いオイル。クリストフポーニーレザーセラム。

ギトギト。

 

【金曜日】

爪先以外は浸透しました。

使用による痛みやヘタリのない部分ほど浸透せずにそのまま残る。ということは、浸透のスピードの速い部分ほど傷みがち、ということなのかなと。

とはいえ、浸透した部分、見た目に上質に変化した感じはありません。

 

【土曜日】

早朝テニスの日は普段より早起きなもんで、昼飯食った後眠くなりがちです。昼寝したら寝すぎまして、気づけば夕方。靴のメンテはお休み。八尾グランドホテルのボナサウナでセルフケア。

 

【日曜日】

 

さて、いよいよ仕上げです。

日曜朝の状態です。

油分がまだところどころ浮いてます。

爪先と踵側面が浸透しきってません。

シューツリーの所為ですが、とりあえず切り返しのラインはシャープになりました。

 

リッチモイスチャー

今更感あるのですが、乾いた分は結構乾いて見えます。念のため潤い入れましょう。

しかしまあ、あれですね。あれやこれやしましたけど、アッパーの革質に大きな変化はないですね。で、右の甲と外側の傷が気になる。

補色も兼ねて、濃茶のコロニルで仕上げました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

茶色入れて正解です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお、ツリーなしでもシャープなラインに蘇りました。まあ、履いたらまた皺になるわけですが、一旦のところリシェイプできました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

靴紐は茶の平紐に交換しました。茶色のアッパーに黒の紐は好みではありません。で、どうせなら平紐が気分です。

 

他のエプロンフロントダービーと比較してみました。

右は、1960sのフローシャイム「The Plateau」です。青窓のレギュラーラインですが、アッパーの革質はこちらの方がクオリティ高いです。で、靴紐は黒の平紐。やはり、ビン靴の靴紐はアッパーと同色の平紐が気分です。

で、同じようなエプロンフロントダービーなのですが、フローシャイムの切り返しのラインは比較的シャープです。おそらく、縫製の仕方が異なるんだと思います。呼称は定かでないのですが、今回のROBLEEのような縫い合わせだとラインが三次元に蛇行してしまいやすいと思われます。

もう1ペア。

右は、COPEG by Scholl’s 。ラウンド型のトゥがぽっこりしてますが、アッパー切り返し部分の縫い合わせ方法はどちらも同じように見えます。

COPEGも内側親指あたりのラインの凹凸が一番強いです。この縫い合わせ方法の宿命なのかもしれません。

最後にもう1ペア。

右は「Amrerican Gentleman」のペアです。どちらもBrown Shoe Companyが保有するブランドのエプロンフロントダービーです。

どちらも茶色です。
どちらもブラウン社のペアだから?
何をおバカなことを笑。

サイズはROBLEEがやや大きいですが、形はほとんど同じです。ブラウン社傘下の両社は、使用する木型やファクトリーも共通だったのかもしれない。

 

そんなこんなで、リシェイプはオーケー。
あとはサイズがどうか。足、入れてみました。

おお、グッドです。素足で試し履きしてますが、靴下を履いたらジャストっぽい感じです。で、何より、羽根がしっかりと閉じてます。内羽根も外羽根も、羽根は閉じ気味が好みです。細身のBウィズですが、巧くストレッチができたようです。

あ、デニムに靴クリームが。今日の作業は仕上げだけだったんで、作業着に着替えずにおりましたところ案の定この有様です。やはり作業時は作業着で、が基本ですね。

 

さて、最後に再度全景。

今更ながら、なのですが、

靴は沢山触ってきましたし、製法とかブランドとかには多少は詳しくなりましたが、革そのもの製法とか種類はまったく勉強不足な私。そんな私でも、あまり高級そうに思えない今回のアッパー。

調べてみましたところ、

革の着色には「染料仕上げ」と「顔料仕上げ」というのがあるらしい。のっぺりしたこのアッパーは、どうやら「顔料仕上げ」なように思われます。顔料で覆われてるから、傷などには強いけど風合いはイマイチで、エイジングしないらしい。

君は顔料仕上げ、ということでいいのかな?

ま、どっちでもいいや。

傷のない丸く綺麗なこのお尻に免じてよしとしましょう。

 

(おしまい)

 

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