こんにちは、ばしです。
リサイクルショップでは必ずレディスの靴コーナーもチェックする私。
おっさんが独りレディスコーナーへ。人気(ひとけ)のない頃合いを見計らって、なのですが、それでも最初の頃は勇気が必要でした。最近はそうでもありません。私自身が慣れてきたことに加え、私みたいにレディスコーナーをチェックしているオッサンが以前よりも増えてきたから。ぱらぱらと見かけますしニアミスします。
ここだけの話ですが、あれ、「セドリ」ですよ。きっと・・・。
って、別に声をひそめるような話ではないですね。実際、私も似たようなものですし笑。ただ、私の場合、転売を目的に徘徊しているわけではありません。これまで、メンズのビン靴がレディスコーナーにまぎれてるのを何度も目撃しています。持ち帰ったり、見送ったり、様々ですが、そんなこともあって漏れなくパトロールするようになりました。
で、メンズでなくとも、革靴女子的なペアを中心に素敵なやつを見つけたら、「妻か娘が気に入るかも」、ということで持ち帰るわけです。実際、最近もちょこちょこ、レディス靴拾ってきてます。
(参考:最近拾ってきたレディス靴の記事)
「BONTA de 靴修理(その4)Dolomite」2020/11/24
「妻か娘が履くでしょう」2020/10/16
レディス靴って、面白いですよね。メンズのものと比較して、形もデザインもバリエーションがものすごく豊富です。メンズには120%ありえないようなものも少なくありません。
方や、メンズと共通のオーソドックス&クラシックなデザインでも、小さいだけなのになんだか異なる雰囲気です。「ぎゅーっ」と縮まってるだけなのでしょうが、なんだか素敵に感じるんですよね。間延びしていない感じが凄くいい。
今回もそんなやつ。娘にはやや小さそうですが、妻にならちょうどかな、と、持ち帰ってきました。
こいつ。
FinnComfort 1000 VAASA
ドイツのコンフォートシューズのメイカーだそう。モデル名はVAASA。バーサと発音するのでしょうか? ちなみに、メンズにも全く同じモデルのがあるようです。確認したらメンズの方もVAASAでした。JIISA(ジイサ)だと面白いな、と思ってたのですが、残念ね。
で、見たまんま、足指が靴の中で遊べるようなコンフォートな感じです。この手のドイツ製といえばビルケンシュトックしか知りませんでした(過去記事「ビルケンシュトック・ケント」)。こちらは初見のシューメイカーです。
こんならしい。
1945年 子供靴メーカーを製造するヴァルディ社設立
1974年 婦人靴業界へ展開開始
1980年 整形外科医等と足の変形防止靴の開発に着手
1986年 “FinnComfort”ブランド誕生
2012年 新工場完成
現在に至る(同社ホームページより抜粋)
ビルケンシュトックと比べると歴史は浅いですが、ドイツ最大のシューメイカーであるビ社が従業員3000名なのに対し、同社も負けずと2200名規模らしい。輸出先は日本を含む48ヶ国。ドイツ国内から東欧の隣国に生産拠点を移すメーカーも多い中で、すべての製造工程と品質管理を一貫してドイツ国内で行う数少ないブランドだそうです。
今回のペア、サイズ表記は「36」=23cmですが、トゥが幅広ですから23.5cm相当でも行けそうな気がします。家内の足にうまくフィットするでしょうか。まあ、フィットしたとしても「気に入らない」という可能性もあるにはあるんですけどね。そうなったらその時に考えましょう。
まずは手入れです。
いつもどおり、まずは左から。と、その前に。
中敷き、ガバッ、と外せます。
中敷きだけ交換もできるらしい。まあ、まだしませんけどね。爪先ぎりぎりまでついたフットプリント。どうやら私の見立て通り、捨て寸ゼロくらいでサイズを想定して問題なさそうです。てなことで、中敷きを取り外した状態で中を綺麗に掃除したら、再度イン。で、アッパーの手入れです。
サクッといきましょう。
ステインリムーバー
サイズが合うツリーがないのでこのままで。
LEXOL
コバ周りをしっかりと。
デリケートクリームもどき
左右で状態がかなり違いそうです。
TAPIR LEDER OIL
いつも通り。で、ここで気になることが。
見えますかね?トゥのソールとの境目近くに白い横線が。上の写真は黒いワックスを塗り込んでみた後なのですが、白い線が残ってます。ということで、、。
じゃーん。マジックです。手品をお見せしましょう。ではなく、塗ります。
周りと黒の色目が異なりますね。ワックスでぼやかして馴染ませてみましょう。
いい感じかな。まあ、元のままでも履けばほとんど分からないんですけどね。で、白線以外にも、コバの側面(アッパーとソールの継ぎ目部分)にしっかりと黒を塗り込みました。しっかり拭き取ったら、仕上げです。
コロニル1909
おお、良い感じではないでしょうか。
爪先、名残はありますが、まあ、分からんでしょう。コバ周りもいい感じです。
右も同様に手入れです。で、右のアッパー、左よりも状態が悪いです。
皺に傷。左右でこんなにも差が出るものなんですね。
黒いワックス入れてみましたが、斜めの傷はあまり変化がありません。
マジックを投入です。手品のように傷が消えればうれしいのですが・・・。
おー、目立ちますね。再度ワックスで全体を馴染ませてみます。
あちゃー、手振れが酷く、ピンボケです、すみません笑。
ビフォーアフターで確認しましょう。
【BEFORE】
【AFTER】
あ、いや、あのね。それだと右アッパーが見えないよ・・・。
右アッパー、カット、って、ボクシングかいな。
もとい、別の角度から。
【BEFORE】
【AFTER】
うーん、右の傷の改善の程度はイマイチですが、それ以外は、まあ、マシにはなりましたかね。
ソールはPU(ポリウレタン)。側面も綺麗にしましたが、踵がまあまあ削れてます。このままでいくか、ソール交換するか、シューグーで補修するか。税込み800円のペアにどこまで追加費用を投じるか、なかなかに悩ましいです。
あ、虫がとまっている。
と思った貴方、ちがいますよ笑。ロゴマークがついてます。人目に付く部分にこの手のロゴは、個人的には無いほうがいい派なのですが、ついてるもんはしょうがないですね。
で、冒頭にも書きましたが、同じスタイルでもメンズサイズのデカいやつだと、なんだか間延びした感じなんですよね。
上:メンズEU42=26㎝相当。中古の写真をネットから拝借しました。
下:レディスEU36=23㎝相当。今回のペアです。
ね、同じ形なのに、メンズの方がなんか、大味な感じしません?
思いますに、メンズを基本にレディス作ってるからかな。あ、いや、ここのメーカーは最初子供靴、その後レディス靴に進出、でしたので、メンズは最後なのかな?
ただ、レディスサイズの靴をそのまま大きくすれば、そりゃ間延びしますよね。例えば、23センチの靴を26センチサイズにしようとすると、簡易な計算ですが、
(26センチ÷23センチ)=113%
13%も大きくなります。ということは、靴紐を通す鳩目と鳩目の間隔も13%広くなるわけですが、鳩目の直系が13%大きくなるわけではない。かつ、靴紐の幅も太くはなりませんから、そりゃあ羽根周りがスカスカした感じになりますよね。
また、革の厚さもそのままでしょうから、小さい時と比べて「ぺらっ」とした感じになるでしょう。総じて、小さいサイズの方がギュッとした雰囲気で「塊感(かたまりかん)」があるような気がします。まあこれはこのペアに限ったわけではなく、レディスサイズの靴を見ていて、前々から思っていたことなんですけどね。
少し脱線しますが、
レディスサイズの靴ほど中古はお買い得、だと思うんですよね。レディスの中古靴は、良くも悪くもワックスの類がほとんどありません。ないものが多い、経験上では。ワックスなどを使用して靴を磨いたり、プロにポリッシュしてもらうことが男性の場合と比較して少ないのでしょうか? とにかく、薄汚れてはいても、厚塗りのワックスやクリーム、ならびにそれらが原因と思しきアッパーのひび割れはあまり見たことがありません。
また、体重も総じて軽いせいか、メンズサイズの方が過酷に履かれている印象です。レディスサイズの場合、見た目に履きこまれている風でも傷みの程度は軽微なことが多いように思います。特に、ソールのへたり方がメンズのものと比べて非常に軽微かなと。総じて、しっかり手入れすれば、まだまだ活躍できるペアが多い印象です。このあたりのことは別の機会に少し掘り下げてみようかと思ってます。
で、戻りまして今回のペア、サイズ感です。
娘のマーチンと比べてみました。
左:EU36、右:UK4です。
どちらもおおむね23cm。表記でいえばほぼ同じサイズです。ただ、UK4はハーフサイズがない場合は23-23.5相当のようなので、やや大きめで良いのですが、ハーフサイズどころかワンサイズ大きな印象です。
そう感じるのは、爪先の捨て寸の有り無しが要因でしょうか。この手のコンフォートシューズは、オックスフォード靴よりもハーフサイズ~ワンサイズくらい小さい見た目なのかもしれません。
まあ、ぐちゃぐちゃいっててもしょうがない。
家内に実際に履いて確かめてもらいましょう。足を入れるだけではなく、履いて歩いてみないとわからないこともあります。
やはり、靴は履いてなんぼ、です。