Florsheim Imperial 92315 “The Bradley”のメンテ

こんにちは、ばしです。

 

前回からの続きです。

8月最初の獲物であった1960s製のFlorsheimをメンテしましたのでその様子などご紹介です。前回記事で書きました通り、基本的なケアは出品者さんの方ですでになされておりましたので、今回の私の作業は「不具合箇所の重点的ケア」がメインとなります。

 

具体的には、

このクラックの芽がこれ以上ひどくならぬよう手当を行うとともに、

履き口のダメージの手当を行う。
この2点が主眼となります。

そんな頻繁に履くわけでもありませんのでこのままでも、このまま手入れしなくとも、と思わなくもないわけが、そこはそれ、儀式です。さっそく行ってみましょう。

 

 

LEXOL

念のため汚れ落とし。

変化はない。

 

 

リッチデリケートクリーム

アボカドオイル入りのやつ投入。

まあ、ルーチンどおりで。

 

 

TAPIR レダーオイル

油分補給。なんだけども、

こびりついてた旧いワックスの残骸も除去できたようです。
さてさて、懸案のクラックの芽はどうなったか。

とりあえずはしっとりと馴染んだようです。もう少し状態が酷い場合はサンドペーパーかけることも考えてましたが、今回はそれはなしでこのまま進めようと思う。代わりに、スペシャルなやつを投入。

 

 

クリストフポーニー・レザーセラム

アンティーク家具のリペア職人が調合した皮革用のスペシャルオイルです。そろそろ残り僅かで追加購入したいのですが、どのショップも未だに売り切れ欠品状態みたいで困ってます。販売中情報ありましたらお知らせ頂けるとありがたいです。

そんなやつを、

指でじっくりしっかり塗り込む。

いい感じにギトギトになった。

さて、どのように変化するのでしょうか。
右足も同じ手順を踏んで、

レザーセラムまで投入完了。

おお、先に塗り込んだ左足(向かって右)はすでにかなり浸透しているようです。

クラックの芽の部分。斑に浸透しています。

箱に入れて二晩ほど放置しました。

 

 





 

 

さて、2日後。

おお、なんか落ち着いてる風に見えるな。

すっかりしっかり浸透したようです。

小指付け根のガサガサ感も随分改善したっぽい。
よし、順次仕上げていきましょう。

 

 

コバ周りのケア

最近のマイブーム。スプーンでごしごしやって凹凸を均す。

左足(向かって右)完了。
滑らかになりました。
この状態でさらにコバインクを塗り込む。

うん、いい艶感です。コバはやはりこうでなくては。

よろしいのではないでしょうか。
さて、次は懸案その2への対処です。

 

 

捲れた履き口の手当

何がどうなってこの状態なのでしょう。

履き口のギザギザは均一です。どうやらパイピングのように丸まっていたものが剥がれた状態、のようです。ちぎってしまっても良いのかもしれませんが、そうするとそこからまたダメージが広がってしまうとも懸念されます。

なもんで、

当初の仕様とは異なりますが、外側にまで伸ばして糊付けしてみることにしました。はみ出すことになるけれど履いてる分には見えないし、履き口を覆いますのでこれ以上広がることも防げるのではないか。

のりを塗布して、

貼り合わせる。

十分ほど放置して乾いたら、

コバインクを塗って見た目を整える。
出番はせいぜい数カ月に1度です。
当面これで行きましょう。

ソールも軽くケアしたら、いよいよアッパーにもどります。

 

 

サフィールクレム

今回はいつもと違って、油性クリームを入れてみることにしました。

黒は黒い方がよい。ワックスは避けたい。ということでサフィールクレムをブラシで薄くされどしっかりと塗り込む。ウエスで磨いてブラッシングしたらメンテ完了です。

 

どうだっ。

 

【BEFORE】

【AFTER】

残ってたワックスが除去されて落ち着いた光り方になりました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

大きな変化はありませんが、甲周りは流石1960sと感じる肌理と艶感です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

クラックもそれなりに納まりました。やはり旧いワックスが残った状態だと「割れ」につながりやすいということなのでしょう。グッジョブ・TAPIR、と言っておこう。

この「ぷりっ」とした艶感が堪らない感じです。

履き口も整いました。
当面問題は起こらないでしょう。

 

 

さて、

残る問題はサイズ感です。

こいつ、表記は【9D】なわけですが、内羽根ということもあってか、そこまで大きいように感じられない。【8D】がジャストの私の足にどの程度大き過ぎるのか過ぎないのか、確認です。

おお、ベリーかっこいいです。
いや、そうではなくサイズね。

両足入れてみた。内羽根はぴったり閉じます。少しゆとりがある程度で問題なし。踵周りも履き口周りもほど良い感じですが、前半分がかなりゆったりとしています。靴下履けばどうだろう。締めあげれば余裕のある爪先も遊ぶほどではないかと。

ただ、実際に歩いてみないと何ともですね。

ただ、そもそもこいつとの付き合いはそう長くないかも。気に入らないわけでは当然ない。サイズも大きめとはいえ調整すれば問題なく履けるサイズ感です。そうではなく、理由は、

これです。

「BI」です。1968年2月製です。で、何を隠そう、二十代の頃から何くれとお世話になってる義兄が1968年2月生まれなのであります。

おお、それはまさに理想的な巡り合わせであります。サイズ【US9】も問題なし。問題はウイズ。やや狭いか。ですが、義兄は冬場でも素足なことが多い。革靴も素足。ひょっとしたら履けるかも。

 

義兄もあと2年ちょっとで60歳。

還暦祝いに送ろうかな。

それまでは私の元にステイです。メンテして状態を維持しながら大事に履いていこうと思います。こいつを旅立たせるまでに、僕もできることなら【FJ】=1969年6月製のフローシャイムをゲットできれば嬉しいのですが、巡り合えるのでしょうか。

(関連記事)

フローシャイムの魅力 ~FJの刻印を求めて~

 

旅はまだまだ続く。

 

(おしまい)

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