こんにちは、ばしです。
久しぶりにグレンソンのペアを手に入れた。
ソックシートのロゴもまあまあ残っている。まあまあのコンディションと言ってよいのではないかと。で、最下段、「GENUINE ANTELOPE」とあります。
地模様が特徴的なこいつ。アンテロープ、レイヨウ、クドゥ、様々な名称がありますがウシ科の動物らしい。そう、久々の(でもないか)エキゾチックレザーのペアです。
今回こいつをゲットした理由は3つ。
【理由その①】
マイサイズっぽいから。
UK7.5です。「FX」はウイズです。グレンソンのウイズは「E/EX/F/FX/G」ということらしいので、米国表記でUS8E、やや広めなのが気になるところですが、写真で見る限りそれほどでもなさそう。これはいくっきゃない。チャレンジしてみた。
【理由その②】
安かったから。
今回はebayで購入したのですが、お値段なんとGBP8.00。8ポンド!です。送料が32ポンドかかったのですが、合計でも8千円弱です。まあ、安いと言って構わないのではないか。
【理由その③】
ANTELOPEの靴を探していたから。
写真は随分前に転がしたDack’sのペアです。2019年にカナダのセラーから購入したカナダ靴なのですが、こいつもANTELOPEでした(過去記事「KUDU from CANADA」参照)。めちゃ気に入ったのですが、サイズが小さくて履けず終い。以来、マイサイズなやつでお買い得なANTELOPEを探し求めていたのでした。
色も形も異なりますが、独特な雰囲気は同じ。あ、いや、明るい色目の今回のほうが地模様がはっきり見えてエキゾチックであることをより強く主張しているようにも思える。
ヒトも靴も、自己主張の強すぎるのはあまり得意ではないのですが、この程度ならちょうどよい、程好い感じです。ストライクゾーン広めな私です。
お尻周り。
レイヨウだけどドッグテール。
トップリフトは積み上げです。
釘だくでガチガチと音が五月蠅めですが、レザーのアウトソールにへたりもなし。今回はようやく自分で履けそうです。となれば履き下ろしの準備です。日曜日にメンテいたしいました。
いつも通りまずは左足から。
LEXOL
まずは汚れ落とし。
うっすら汚れてる程度でワックスなどはなささそうです。
デリケートクリームもどき
いつもの百均のヒト用クリームで保湿。RenoMatリムーバーは多分不要、もしくは万一変なことになったらいやなんでやめといた。
少し色濃くなりました。若干染みたようです。
ちなみに、
見えますでしょうか。後ろ半分はレザーライニングで前半分はアンラインドです。タンの裏にも何もなし。ちなみに、革質はといいますと、割と厚手なのですがかなりしなやかで柔らかです。見た目から想像しがちな硬さは皆無です。
クリストフポーニー・レザークリーム
油分補給。
エキゾチックな雰囲気が際立ってきた。
さて、オイルクリーム塗りましたので少しだけ浸透を待つ。その間にアウトソールの手入れです。
ソールトニック入れて、Mモウブレイのトラディショナルワックスを塗り込みブラシで入れ込む。
踵にも入れといた。どうせ年に1、2度の登板ですので手入れも何もないのですが、長持ちするようにとのおまじないです。
さて、最後にアッパーの仕上げはいつものやつで。
コロニル1909(ムショク)
今回は色は入れません。ていうか、エキゾチックレザーには色やワックスは極力入れないようにしてます。
劇的な変化はないけれどすっきりしたのではないか。
トゥにキズがありますがご愛敬です。
コバ回りにはアウトソールと同様にトラディショナルワックスを塗り込んで、最後にアッパーと同様にコロニル塗り込んでしっかりとウエスで磨いてみました。コバ回りはきれいにしておきたいわけですが、ここも今回はカラーレスで。インクはやめといた。
右足も同様の手順で仕上げメンテナンスはさくっと完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
スッキリと整いましたでごザル。
いや、レイヨウでごザル。うん??
【BEFORE】
【AFTER】
見比べてみますと、やはり若干乾燥していたように思えます。年代はいつ頃なのでしょう。1990sくらい、ですかね。年代判別法が確立してないっぽいです。
履き口にもライニングもダメージはなし。あまり履きこまれていない個体のようです。このあたりの様子は写真だけではなかなかわからないことも多くて、状態に関しては今回はラッキーでした。
バックシャン。
まずまず、グラマラス、かな。
合せ目に沿ってステッチもあり、丁寧に仕上げられてます。ちょっぴり蛇行しているのはご愛敬です。
英国靴らしいすっきりとしたフォルム。
エキゾチックレザーゆえ趣がありますが、スタイル自体はシンプルでそっけない横顔です。2アイレットであることがそうさせるのか。で、思いますに、エキゾチックレザーを使った英国靴には2アイレットのシンプルなものをしばしば見かけます。
右はFIGHTINGSEAL=アザラシ革のチャーチのペアです。
グレンソンとチャーチ。
メイカーは異なりますがどちらも英国製で、
まあまあ似たフォルムです。
なぜ2アイレットなのでしょう?
何か理由があるのでしょうか?
羽根が小さいので、爪先からタンまでのエキゾチックな素材感がしっかりと見て取れます。贅沢な作りとも言えそうですが、そもそもケチケチするようなモノではないでしょう。
そういえば、転がしたDack’sは内羽根のホールカットでした。スタイルは異なりますが、素材感が「これでもか」ってな具合で感じられるシンプルな造りをチョイスしているのかもしれない。知らんけど。
まあ、細かい話はさておき、
エキゾチックレザーは定期的に欲しくなりますね。明るめの色合いが風合いを引き立たせている。素材感が強すぎるアッパーにはこのくらいシンプルな作りの方が見た目のバランスがとれてよいのかもしれない。
とはいうものの、
仕事向きではなさそうです。
夏場の週末に素足で履き下ろそうと思います。
それ何の革?とは聞かれたくないな。
説明がめんどくさい。
(おしまい)
ばしさんこんにちは!
グレンソン、渋くていいですよね^ ^
わたしもグレンソンを手に入れた時に色々調べてみたのですが、80s〜は基本的に西暦の下二桁と月が記載されているはずですし、デザイン的にもその頃の英国靴のペアに多く見られるタイプですので少なくとも70年代じゃないかな…と。
それほど知見があるわけでもないのにすみません!
素敵なアンテロープのペアをじっくりと見せていただきありがとうございます!
shuさん
こんばんは。そうなんですね、グレンソンの年代にも特徴があるんですね。不勉強でしりませんでしたが、1970sかもしれないというのは嬉しい誤算・・・・ありがとうございます!