こんにちは、ばしです。
仕事始めの本日は、ワーク系のビンテージ、変わり種のボストニアンです。
Iron Age by BOSTONIAN
「Iron Age」というのは、アメリカの安全靴メーカーの名前です。
「アイアンエイジ」「靴」でググってみてください。いろんな安全靴、スチールトゥの靴が出てきます。
今回は、このアイアンエイジ社がボストニアンに別注をかけたペアです。売ります・買います系のリサイクルショップでお安く購入しました。
・サイズ:8EEE/E
・茶色のシボ革ロングウィング
・360度グッドイヤーウエルティッド
・1967-1975年製造
・スチールキャップ
・グッドイヤーのリフトトップ
傷なし、履き込まれた感なし、非常にグッドなコンディションです。
インソックの周囲に等間隔に並んだドット。何の跡かとよーく見てみると、単なるデザイン・飾り、でした。ワークシューズの見えない部分に、こんなの普通はいらんでしょう。何を求めて、何やっちゃってるんでしょうね(笑)。
スチールキャップ
ぱっと見、ただの革靴ですが、つま先にスチールキャップが入っているのが最大の特徴です。要は、安全靴、ですね。調べてみたところ、「アイアンエイジ」社は、1817年から続く老舗のワークシューズ・安全靴メーカーのようです。そこのボストニアン別注品。
当時のスチールキャップ入りの革靴は、黒で、ホテルマン向け、なんてのを見たことがありますが、茶色のこいつはどうなんでしょう?
勝手な想像ですが、建設会社のマネージャークラスやお偉いさん向けのものでしょうか。スーツ姿で、たまの現場の視察の際なんかで、安全面から念のために履いたもの、のような気がします。
履き込まれた感は皆無ですし、わざわざビジネスシューズ仕様のスチールキャップなんて、普通の人には不要ですもん。ましてや、シボ革。意味不明です。
「ANSI」
内側に、「ANSI Z41.1/1967/75」との表記があります。
「ANSI」とは、「米国規格協会 (American National Standards Institute)」のこと。日本でいうところのJIS規格みたいなものようです。
「Z41」は、 安全靴の規格基準。その横の「.1」は意味不明です。
「1967」は、1967年に定められた規格。
「75」は、安全靴としての耐久度。
・・・らしい。
ANSI規格そのものは8年ごとに見直されるようです。
なので、これは1967年~1975年ころまでに製造されたペアということになります。
まさにアラフィフ。私と同世代。
1960年代の特徴、巻き上がるヒールカップ
トゥの切り返しが「W」形状のものを「ウィングチップ」といい、Wの両端が踵まで長く伸びたものを「ロングウィング」といいます。米国靴に多いこのロングウィングですが、つま先からの羽根の先が、踵まで一直線に伸びたものがほとんどです。
今回のペアは、羽根の先が上部にくるんと巻き上がっています。これは、1960年代頃までのロングウィングに良くみられるデザインです。フローシャイムほか、他のブランドでも同様のようですが、いやー、これだけで随分雰囲気違いますね。個人的にはこのデザイン、好きです。
あなたの手元のロングウィングが同じようなヒールカップなら、きっとそれも60年代製のビンテージかもしれません。
長々と蘊蓄めいたこと書きましたが、これ履いて街に出ても、だれもスチールトゥだなんて分かりません。横断歩道で車やバイクに足を轢かれてもへっちゃらです!なのに、革靴として完成度高いです。
安全靴だ、ANSIだ、なんて、どうでもいいですよね。そもそも、買った時点ではBOSTONIANということ以外、何も知らなかったわけで、中敷き入れて、気にせず普通に履こうと思います。
それではまた。
ごきげんよう。