こんにちは、ばしです。
昨日、木曜の記事からの続きです。本日金曜の記事がまたまた長くなりそうだったので、変則的ですが前半部分を木曜日にアップしました。
リユースショップで拾ってきたジャパンビンテージ。私にはサイズが少し大きいようですが、相当に気に入ってしまいました。
【1】しっかりメンテして
【2】中敷きでサイズ調整して
何としても自分で履きたい。
強い思いを胸に、作業を進めました。
【1】しっかりメンテ
ステインリムーバー
汚れやワックスはほぼなし。
LEXOL
一応アッパーにも投入してますが、
メインはコバ周り。
すみません、左足の写真撮り忘れて右足メンテ時の写真です。LEXOLをハブラシにとってしっかりと奥までホコリや汚れを掻き出す。
布で拭き取るのですが、
奥まではとり切れない。
ちっちゃいブラシで残ったクリームを掻き出す。毎回こんな感じです。
デリケートクリームもどき
いつものDAISOのヒト用クリーム。
たっぷり指にとって、
しっかりと指で塗り込むわけですが、
すぐに浸透してしまう。
見た目にはそうでもなかったのですが、結構乾燥していたのでしょうか。結局3度塗り重ねました。
ブートブラックリッチモイスチャー
いつものもちもちになるやつ投入。
TAPIR レダーオイル
油分補給&保革。
さて、気休め程度ではありますが15分ばかり浸透させましょう。その間にソール周りのケアです。
コバの隙間に黒
ぱっくり剥がれているわけではありませんが、隙間があいて革の地の色が見えています。貼り合わせるのは難しいです。黒く塗って誤魔化そう。
歯ブラシに黒いワックスをとり、
ごしごしと塗り込む。
ウエスで磨けばこの通り。
遠目で見ればわからんでしょう。
お次。
ソールのケア
ヘタってはおりませんが、それなりに履かれてます。綺麗にしよう。
レザーソールリキッド。最近はこいつです。
本革底を保護してもらいましょう。
アンメルツヨコヨコみたいに塗り込む。
全体にしっかり塗り込んだら、
モウブレイトラディショナルワックスを投入。我流でやってますが、これまで特段問題や不具合はありません。
全体的に塗り込んだら、
ブラッシング。
3分ほど続けたら、
光り始めた。さて、仕上げです。
コロニル1909ニュートラルを塗り込む。
しっかりと塗り込んで、
布で磨く。
ソールはキスできるほど磨くのが好みです。
しないけど。
で、ソールから引き続きアッパーにもコロニル。最後に、右足も同じ手順で仕上げてメンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
うん、まあ問題なし。
元が綺麗だったんで変化あまりなし。
バックシャン。
非常にグラマラスなお尻です。
お尻のカタチの良い靴は大体いつも素晴らしい。
釣り込んだ跡が、
2か所。
メンテはこれで完了です。見た目は問題ないでしょう。あとは隠れたダメージなどが履いてるうちに表面化しないことを祈るばかりです。
さて、
【2】中敷きでサイズ調整
大きいのは分かってます。
どの程度大きいのかが問題です。
足を入れてみた。
おお、踵に隙間。
靴下履いてもでかそうです。
靴の中で足の左右に結構なスペースがあります。このスペースを埋めねばなるまい。長さよりも幅広なことのほうが課題です。どのくらい幅広なのかと言いますと、
右はリーガルのエプロンフロントダービー。こいつも同じ日にメンテして自作中枠でサイズ調整しました。
並んだ写真をみるだけで、今回のペアの幅広さが感じられます。アウトソールを比較してみました。
甲は明らかに高い。
アウトソールの最大幅も5ミリ以上違います。これはリーガルの時のような中敷きでは左右の幅の調整は無理っぽいです。こんなときは、
スニーカー用のインソールに限る。
自作中敷きはその厚みで上げ底となり、靴の中の空間を「高さ」の面で是正してくれます。百均で「スポーツインソール」「スニーカーインソール」という名で売られているこの手のやつは、周囲の湾曲が「幅」の面からも是正してくれます。
黒いのはスニーカー用でないクッションインソールです。今回は幅だけでなくかなり甲高っぽいです。加えて、スリッポンということで紐で締めあげることもできません。いつもより厚めの中敷きで調整です。2枚重ねとしましょう。
あ、いや、流石にこれは厚すぎますね。
厚すぎる黒はやめて、厚さ2ミリのコルクシートに変更しました。既製品とお手製のハイブリッド仕様で行ってみましょう。
タイトめジャストサイズにすれば中でずれることはありません。糊貼り等はなしで、このまま二枚を順番にINしました。
色目は素っ気ないけど気にしない。
履けば見えませんし。
幅も踵も、スポーツインソールの端がいい感じにまくれあがってます。履いてるうちに前へと力がかかりますので、このくらいタイトに突っ込むくらいがちょうどよいです(←経験者は語る)。
さて、準備完了です。
良さげなふうに見えますがどうでしょう。
昨日早速履いてみました。
見た目には申し分なし。メンテ中はそれほど意識してませんでしたが、ややオブリークトゥなフォルムです。丸っこいフォルムが愛嬌ありますが、シンプルなデザインで主張し過ぎないのに存在感があって、唯一無二な感じでグッドです。
スリッポンですがプレーントゥで、かつヴァンプも短くないのでカジュアル感はそれほどではない。ジャケパンに合わせてみましたが、ローファーのように軽くはならないのが良い。スーツスタイルでも違和感なく納まりそうに思います。まあ、ジャケパンの方がベターではあるでしょうけどね。
で、肝心要のサイズ感ですが、
事前に想像してたよりいい感じです。夕方時点でもきつくもなく緩くもなく。厚手のシングルソールにクッション性のある中敷きを追加したことで、歩き心地も大変ソフトです。きつけりゃコルクシートを取り外す、緩けりゃコルク層をもう1枚足すなど調整するつもりでしたが、このままでグッド、このままがグッドです。
そして何より、先日のリーガルのように、「履いてるうちに壊れた」「隠れたダメージが表面化した」なんてこともなく無事1日を過ごしました。サイズ感よし。履き心地もグッド。疲れもなし。見た目にもグッドで、こいつはヘビーローテーションとなりそうな予感です。大事に履かねば。
ところで、革靴のサイズ感につきまして、
当然ジャストサイズで履くのが一番なわけですが、中古に限って言えば、あえてワンサイズ大きいのを中敷き追加して調整するのも結構オススメです。ユーズドの靴は(ミントなコンディションのモノを除き)、たいてい靴の中に前の持ち主の足型=フットプリントがついています。それが自分の足型にフィットすれば申し分ないわけですが、微妙に異なることも多い。
過去の例をご紹介しますと、私にはジャストな感じのサイズ表記US8.0Dの靴の中に、7.0EEくらいと思しきフットプリントがついてました。幅がジャストで爪先にやや捨て寸ありの状態で履かれていたようで、ご本人には良い履き心地だったのでしょうが、そのまま履くと足指の凹凸が変な場所にあって気になる。サイズはちょうどなはずなのに履き心地が悪い。
その点、中敷きを足せば気になることはありません。履くごとに追加した中敷きに自分の足型が付いてきてフィット感も履き心地も増していく。そのように「感じる」だけでなく、実際に中敷きを確認すると自分のフットプリントがついています。
とはいえ、今回ほどに大きめサイズを調整したことはこれまではありませんでしたので、難しいかと危惧していたのですが、意外といけるもんですね。ホッとしました。
なぜって、
もう1足、あるんですよね。
サイズ感もほぼ同じハンドソーンが2足。同じ持ち主のものと思われるこの2足、まとめて拾ってきたのでした。どちらも紐なしのスタイルですので、左をスリッポン、右をローファーと呼ぶことにしよう。
ローファーも近々メンテして中敷き足すつもりですが、モカ縫いの形状ゆえか、スリッポンと比べて中の空間が少し大きいように思えるんですよね。うまくサイズ調整できるのでしょうか。
いずれにしても、
この手の誂えのジャパンビンテージはクオリティが素晴らしいです。ただ、これまでの経験では、出会えてもサイズが小さめで私には履けないものの方が多い。25センチ程度のものが多い印象です。今後は球数そのものが減る一方な中で、大きめサイズのものは益々貴重です。そんなやつは逃しはしない。決して手放しはしない。私にでかけりゃ息子に履いてもらおう。
こいつは自分で履く用です。
(おしまい)
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