こんにちは、ばしです。
前々回記事、先週金曜日からのつづきです。
あまり見かけたことのないビブラム社の「apollo」なるソールが装着されたジョンマー。「ジョンマーWEEK」の今週に履き下ろすべく、先週土曜日、小雨のぱらつく中をメンテナンスに取り組みました。
まずはこのタッセルをどうするか。中央が空洞になっていてそこに紐を通した上で結び目をつくる、というのが一般的だと思いますが、こいつ、紐とタッセルを縫い付けてあるのです。
次に、紐をどうするか。このままでいこうかと思ったのですが、あまりに薄汚れている。やはり紐は新しいものに交換しよう。ということで、まずはタッセルを紐から外しましょう。
カッターで縫い糸を切る。
おおっ、うまいこと縫い留めてあったようです。紐交換後もこんな風にうまく縫い留めることができるのでしょうか? いや、出来る出来ない以前の問題として、縫い留めない方があとあと便利なのではないか。
あるいは、タッセルなしとする、というのもあるかな。
うーむ。どうするか、それはあとで考えるとして、まずはこのお世辞にもキレイとは言えないアッパーを整えましょう。いつも通りまずは左足から。
LEXOL
アッパーにはワックス等はあまり塗り込まれていないかったみたいです。
アッパーよりもコバ周り特に出し縫い糸が問題です。歯ブラシでしっかりと掻き出す。
向かって左の右足よりはましになりましたが、それでもまだひどい有様であります。
RenoMat リムーバー
こういうときは強力リムーバーの協力を仰ごう。切らしていたのでAmazonで購入、先日届きました。ボトルラベルのデザインが変更されているみたいですね。まあ、使い心地が同じならラベルくらいどうでもよい。
アッパーはウエスにとって軽く撫でるように、コバ周りは歯ブラシでしっかりと掻き出しました。
先ほどよりは少しほどマシになったかな。
デリケートクリーム
最近はスタンダードプロダクツのやつを使ってます。
水分&栄養補給。見た目にはあまり変化なし。
クリストフポーニー・レザークリーム
油分補給。
見た目の変化が分かりづらいアッパーです。
まあ、それは色が抜けていることも理由か。ですが、出し縫い糸が本来の生成りに戻り、ビンテージらしい雰囲気になってきた。15分ほど放置してから仕上げです。
コロニル1909(ブラウン)
補色をかねて茶を入れてみた。
あまり補色されないな。
削れた部分も白っぽいままです。
よし、追い茶しよう。
KIWI パレードグロス(ブラウン)
今回はキウイにしてみた。理由は特にありません。
ましにはなった。ただ、十分ではない。もっとやるべきなのでしょうが、スキルがありません。こんなもんで勘弁な。右足も同様にメンテしたら、あとは紐とタッセルををどうするか。
とりあえず茶の平紐を通したら一旦はメンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
おお、悪くないかも。
【BEFORE】
【AFTER】
まあ、それなりには見れるようにはなったかと。
やはり、コバ周りと靴紐がきれいになるとそれなりに見違えますね。こいつ、メルカリで5500円だったんですよね。ダメージは避けたいわけですが、この手の「薄汚れてるだけ」ってやつは皆が敬遠するからかお買い得価格になりがちです。私なんかにとってはありがたい。
とはいえ、爪先の色抜けは改善せず。
なんだけれども、出し縫い糸が小綺麗になったことで、そちらに目がとられてトゥ自体はそんな気にならない、かも。
あ、いや、多少は気になるかも。機会があればプロにきれいにしてもらいましょう。機会があれば、ね。
角度を変えて斜め後ろから。
360度ぐるりと生成りのステッチ。1980s以前のいつ頃のモノかは判別しかねますが、見た目としては1950s-60sころのビンテージ、といった印象なのがグッドです。まあそんな古くはないのでしょうが。
年代判別については、このアポロソールがいつ頃登場したものかが分かればもう少し絞り込めるかもしれません。まあ、それはまたそのうち。
最後に、
このタッセルをどうするか。
装着しようかとも思ったのですが、色目が、ね。メンテされたアッパーに薄汚れたタッセルはあまりいただけません。こいつを再度装着するかとどうかは、タッセル自体をきれいにしたあとで、その仕上がりを見て検討することにします。
まあ、オリジナル通りタッセルがあったほうが良いわけですが、なくてもおかしくはない。何より、
タッセルよりもコバのほうが目を惹くのではないか。
であるならタッセルなしでもよいのではないか。
当面はタッセルなしでいきます。
サイズはどうでしょう。こいつ、【US8.5D】です。このままで行けるか、薄手の中敷きでサイズ調整が必要か。いずれにしても、今週、というか、明日履き下ろすつもりです。履き心地などはまた別の機会にレポートします。
で、実のところ、想像していたものとは異なる仕上がりとなりました。購入前も到着後のメンテナンス前も、風変わりなソールとタッセルにばかり気を取られておりまして、生成りの出し縫い糸とは気づいておりませんでした。チヨダのカタログを見てもこんな風には見えなかったし。
いずれにせよ嬉しい誤算です。買ってよかった、なかなかに気に入りました。これはずっと手放さない一足になりそうです。振り返れば二十代の頃、初めて買った米国靴がジョンマーのオプティマでした。そんなこともあって、なんだかんだ言って今も結構ジョンマー好きな私です。
(おしまい)