こんにちは、ばしです。
今回はzazaさんから譲り受けたビン靴の紹介の第2弾であります。
経緯は上記記事ご確認ください。
で、今回は比較的最近のジョンマーです。貴重なアメリカンビンテージを沢山譲り受けたのならそれらを差し置いてなぜ最近のジョンマーなのか。といいますのは、そえ、冬も近い、ということで先週同型で黒のストラップチャッカをメンテナンスいたしまして、その際に同時に手入れ&比較など行った次第であります。
左の黒がすでにメンテ済の旧いリーガル。
前回記事「黒いストラップチャッカ(中古のリーガルその41)」でご紹介した通り、日本製靴時代のリーガルです。今回は右の茶なわけですが、黒と大変よく似たスタイルであります。理由は明白です。なぜなら、こいつもリーガル製だから。
ガルジョンマー
リーガル製のジョンマー。略して「ガルジョンマー」。ソックシートには米国製と同じアリストクラフトのロゴが。改めて説明いたしますと、ジョンマーのこのロゴには2種類あります。
上の写真はすでに転がしたシングルモンクのソックシートなのですが、違いがわかりますでしょうか。そう、ARISTOCRAFTの文字の上に「MADE IN U.S.A」の文字があります。1970年代末~80年代後半までの間に製造されたペアです。ロゴには「USAあり」と「USAなし」の2種類があるわけですが、「USA表記なし」にも2種類のジョンマーが存在します。
上のUSAなしはトンネルストラップスリッポンのソックシートなのですが、こいつは「USA表記あり」よりも以前の古い個体となります。こいつのライニングの印字はといいますと、
こんな感じ。見るからに古めかしくて年代を感じます。で、おなじくUSA表記なしの今回のチャッカブーツのライニングはといいますと、
おお!メイドインジャパンです!
そして「LB」の文字、これこそがリーガル製のジョンマーであります。ちなみに、日本製のジョンマーにも2種類あって、一つがリーガル製でもうひとつが大塚製靴製。年代はUSメイドのそれよりも新しいわけですが、1970年代以降米国靴の品質が落ちていく中で1990年前後に日本でライセンス生産されたジョンマーはハイクオリティで今でもその中古は人気のようです。
今回こいつはzazaさんが米国ビン靴に手を出すより以前にご自身で買い求められた品とのことです。US9.5Bあたりだと長さと幅はちょうどでも甲の高さの足りない彼の足には甲を気にする必要のないチャッカスタイルは安心して履けるスタイルだったのでしょう。
グラマラスなお尻にステッチのアクセント。大変美しいバックシャンです。
アウトソールにも「8」。US8と思われますが、甲が低いゆえブーツだとハーフサイズダウンがちょうどな私にはひょっとしたら少しばかり大きいかも。そのときは息子に履かせよう、と思っておりましたが、折角黒と茶の2種類ゲットできましたのでできれば履きたいな。てなことでメンテであります。
いつも通りまずは左足から。
LEXOL
最近は出番があまりなかったようで少しばかりホコリを被ってましたが汚れやダメージはなし。
zazaさんも私同様にワックスはあまり使用しないとのことでウエスに茶の汚れもつかないのですが、
トゥのこの輝きは何なのだろう。プロがしっかり光らせたのか、はたまたガラスレザーなのか。
RenoMat リムーバー
ひょっとしたら無色のワックスが叩き込まれているかも、てのことで強力リムーバー投入してみましたが、
少しだけマット気味になりましたがほぼ変化なし。ガラスレザー、なのでしょうか?
リッチデリケートオイル
ガラスレザーだと浸透しないかと思ったけど、まったくそういうわけではないみたい。
もちろん爪先には浸透しないのですが、これってどういうレザーなのでしょう。ようわからん。
TAPIR レーダーオイル
このところプロペトばかりだったので久々にタピールで油分補給。
良い艶感です。自然な感じ。
あまり浸透する様子はないですが、オイル入れましたので少しだけ時間を置きます。その間に、
ソールとコバのケア
いつもの手順でアウトソールもケアしといた。
ソールにへたりなし。オリジナルのトップリフトも減りは僅か。アッパーの型崩れもないし、ベリーグッドコンディション。さて、仕上げましょう。
コロニル1909(ムショク)
ワックスはなしで。なんだけれど、
ワックス入れたみたいに綺麗に光ります。ただ、それもトゥだけ。うーむ、何がどうなのかよくわかりませんが、グッジョブ俺!グッジョブリーガル!てなことで、右足も同じ手順で仕上げたらメンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
おお、綺麗です。
【BEFORE】
【AFTER】
整いました!
流れるような茶の流線形にゴールドバックルがとても映えます。美しい。
土踏まず付近、コバには出し縫い糸が見て取れるのですが、
爪先側には縫い目はなし。おそらく縦ドブのヒドゥンで出し縫い糸を隠しているようです。なかなかに手がかかっていて、リーガルさんの本気度が伺えます。おお、これはナイスなペアを頂いたな。履いてみよう。
足入れてみた。
う、うーむ、やはりやや大きいな。
で、おかしいですね。何がって、
ぱっと見には黒とさほど大きさは変わらないんですよね。
ほらね、ほぼ同じです。なのになぜ?
恐らくそれはこのアッパーに秘密が。ご覧の通り、黒のチャッカのアッパーはかなり分厚いんです。おそらく、アッパーとライニングの間に薄手のクッション素材的なモノがサンドイッチされているようなのです。見た目のサイズはおなじなこの2足ですが、アッパーが分厚い分だけ黒の方が小さめの造りになっているみたいです。
ですが、折角色違いで2足ありますので、日替わりでどちらも履きたい。黒は防寒性を高めるためにアッパーを分厚くしたようですので、それがない茶を履く際には厚手の靴下を履けばよい、のかもね。そもそもブーツの活躍する季節は寒い冬場です。足元から冷えます。なので、ソックシート足していつもより厚手の靴下履けば、暖かいしサイズもちょうどだし、てな感じになるのではなかろうか。
きっとそうに違いない。
12月になったら試してみよう。
しばし出番を待て。
(おしまい)


































