コオロギ、再び

こんにちは、ばしです。

 

古靴の趣味に嵌まって7年ほど。
これまで継続してこれたのは、ビンテージ靴が魅力的であることが最大の理由なのですが、思った以上にお金がかからないことも大きな要因のひとつです。

目利きして安く買って、相場価格か少し安いくらいで転がす。そこからメルカリの手数料と送料を差っ引くと、儲かったり、損したり。まあ、収支トントン、プラマイゼロでいろんな靴を履ければ御の字と思っています。

掘り出し物を見つけては、買う。大体いつも相場よりかなり安く買ってるつもりです。そうでないやつは滅多に買いません。とはいえ買ったら何か売らないといけない。靴棚スペースを空けねばならないし、費用面でも買ってばかりだといつまでも小遣いが続かない。

なもんで、売る。売るか売るまいか、悩んだ挙句、売れやすそうなものも結構転がしました。後悔することもしばしば。で、振り返ってみて「あの靴はもう一度手に入れたい」、そんな風に思える靴を自分なりにランキングしてみたり。

(参考記事:いつかまた・出会いたい靴・ベストテン

 

そんな矢先のことです。なんと!
早速にランク上位のペアと再会してしまいました!

いやあ、気持ちって伝わるんですね。ただ、今回はそれほど安くはない。むしろ私には高い価格帯ではありますが、サイズ感も以前のものより良さそう。何より、こんなにも早くに再会できるとは。募る思い。おおっ、これは行かねば。迷うことなくゲットです。

海を越え、ウエルカムバック。

 

 

ジョンマー・コオロギ2号

ジョンストン&マーフィーの上級ラインであるアリストクラフトのペア。
以前持っていたのはこんなのでした。

コオロギ1号。「コオロギ」、というのはモデル名ではなく、私がつけたニックネームです。あ、言わんでも分かりますね。
で、1号はご覧の通り、明るい茶色でした。で、あらためて、アッパーの艶感、素晴らしい。写真からでももっちり感が伝わってきます。サイズ表記は擦れて読めなかったのですが、私には少し大きく、手放すことにしたのでした。

1号のソックシート。「ARISTOCRAFT」の文字のすぐ上に「MADE IN USA」の文字。1970年代末~80年代後半のロゴです。

今回の2号のソックシートにはUSA表記がありません。これは1960s~70sの後半のロゴです。前回よりも古いペアに入れ替わりました。

今回のはサイズ表記もしっかりと読めます。8.5C。8Dもしくは8.5Cがマイサイズです。1号は私には少し大きかった、特に、ウイズが大きかったので、今回のCウイズくらいだとちょうど良いのではないか。期待でワクワクします。

サイズ表記の下の「607」の3桁の数字。3桁目が製造年の下一桁を表す、との説があるようです。「6」ですから、1966年もしくは1976年のいずれか。踵が積み上げヒールで無いなどのことから、なんとなく1976年製ではないかと推察します。まあ、どっちでもいいんですけどね。

さて、久々のルーティンです。届いたペアはその週末にメンテです。

実物を手にするまでは「黒」だとばかり思っていたのですが、焦げ茶、ですかね。もしくは、1号同様茶色だったのが、塗り替えられたのか、黒のワックスばかり入れられたのか。まあ、どっちでもいいんですけどね。

爪先。かなり磨きこまれているようです。いやあ、こういうのって困るんですよね。一度すっぴんにすると、私の磨きの腕ではここまで再度光らせることは困難です。けどまあ、儀式なんで、しょうがない。みすぼらしい仕上がりなら靴の前に腕を磨きましょう。

 

てなことで、いつも通りの手順です。まずは左から。

 

ステインリムーバー

光の加減で黒に見えたり、茶色が見えたり。甲の革質に限って言えば、1号の方が革質が優れていたように思えます。

トゥに傷はなし。よくわからない革質です。ガラスレザー?違う?とにかく、1号の革質とは異なるようです。どういう革なんでしょう。

 

LEXOL

コバ周りだけ、歯ブラシでごしごしと。

きちんと手入れが行き届いていて、大切にしてもらってたように思えます。

 

Reno Mat

以前よりも強力さが減ったようなので、アッパーに投入です。

とはいえ、強くはこすらぬよう気を付けながら・・・。写真はありませんが、ボロ布が結構茶色くなりました。だいぶすっぴんになったでしょうか。

 

リッチデリケートクリーム

保湿。ガラスっぽいように思えたのですが、結構吸い込みます。

だいぶ艶感もどりましたが、まだ吸い込みそうです。

際限なさそうなので、強力なやつを投入しよう。

 

ブートブラックリッチモイスチャー

あまり変化ないかな。

次へ。

 

TAPIR レダーオイル

油分補給&保革。

さて、どう仕上がるのか。

 

コロニル1909シュプリームクリームデラックス

いつものムショクのクリームを投入。

いい感じ、いつも通りの仕上がりですが、折角のブラインドブローグです。爪先だけ光らせよう。

 

LINCOLN WAX

今回はサフィールではなく、米軍海兵隊指定ブランドあるリンカーンワックスで。
大統領の足元を飾った靴にはアメリカのワックス。

二度塗り重ねました。繰り返しになりますが、1号とは異なるアッパーの質感です。思ったよりも簡単に光ります。

ソールもソールトニックなど入れて左足完了です。
右も同様の手順でメンテ完了。ビフォーアフター。

 

【BEFORE】

【AFTER】

えーと、ですね。右の甲が・・・。

それほど強く擦りはしなかったのですが、レノマットいれたらこの部分だけ色が明るくなりました。とほほ。まあ、しゃーない。私の靴である目印、ということにしよう。

 

【BEFORE】

【AFTER】

TUNNEL SLIP-ONと呼ばれるシングルモンクっぽいスタイル。いくつかのシューメイカーで見たことのあるスタイルですが、ブラインドブローグはジョンマーでしかみたことがありません。このスタイルが私にとっては唯一無二のカッコよさに思えてならない。

 

【BEFORE】

【AFTER】

爪先も綺麗になりました。
メンテは問題ないでしょう。さて、あとは履き心地です。素足ではありますが、早速足を入れてみました。

おお、いい感じです。1号のときのように追加の中敷きはなしで、このままでサイズは問題なさそうです。右の甲の茶の斑も、遠目だとあまり目立たなさそうです。

あ、いや、太陽の下だと、そりゃあもう大騒ぎです。そういえば、1号にも甲に斑があったな。

買った直後、メンテ前の1号。こちらは明るい茶色のなかに黒いシミが。で、こちらも右の甲です。なんだかこの2足、合わせ鏡のようですね。

2号、近景。

1号は履きこむこともないままに手放しました。今回はもう転がしません。唯一無二のスタイルのジャストマイサイズ。こいつには、黒や茶に紺と、いろんなクリームやワックス入れて育ててみよう。

 

 

1号は現在、拙ブログをお読み頂いる方の足元で活躍中です。
私にとって「また出会い靴」のランキング上位ということで、コメント欄からメッセージを頂戴しました。手放してもうすぐ2年になりますが、古靴で人と繋がって、メッセージも頂けて、近況も知れて。こういうのって凄く嬉しい、ブログやってて良かったと思う瞬間です。

で、その直後。
そういえばコオロギ、転がってないかなあと、ebayを探索してみましたところ、なんと!2号と遭遇しました。なんたる偶然。ですが、あのメッセージが無ければ巡り合えていなかったかも。ムラヨシさん、ありがとうございました。

で、さらにその数日後。
同じくシンクロするようにまた1足、「また出会いたい靴」、に出会ってしまいました。国内の某オークションサイトで、なんと!入札者は私ひとりだけ笑。今月下旬に到着予定です。

以前のは8.0C/Dがやや小さくて手放したものですが、今回はなんと、ハーフサイズアップの8.5D/Eサイズ。今回もドンピシャマイサイズな予感です。さて、どのペアでしょう。よろしければ予想してみてください。すぐばれちゃいそうですが笑。

 

しかしまあ、結構レアなスタイルのペアなのに、それがマイサイズに変化して、それも間を置かずに2足。なんかもう、神懸かってます笑。

 

よし。

こうなったらもう、何でも来いです。
再会、それはきっと神様の思し召しです。
いつでも、どこからでもかかって来なさい。

がっつり受け止めてやる。

 

(おしまい)

  

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