こんにちは、ばしです。
今年も残り2週間ですね。いよいよ押し迫ってきました。
職場の壁の日めくりカレンダーもみるみる薄くなり残りあと僅か。スーパーの食品売り場にも結構以前から正月グッズが並んでいるのですが、なぜだか年末との実感がなかなか湧いてきません。大掃除やら年賀状やら、年越しの準備も計画もまったく手付かずです。
そりゃそうです。
なぜって、先月4足買ったのに、まだ2足しか到着していない。私にとっての「ビン靴の購入」とは、手元に届いただけでは完了しません。手に入れて手を入れて、足を入れて記事を書いて、それでようやくひと段落です。
そんなわけで、今年の汚れは今年のうちに、年内に届いた靴は年内に記事にしてしまいたいのですが、さてさて間に合うだろうか?なんて風に焦ってしまって、気分は年越しどころではない。
ですが、さてさて、この週末か週明けに到着したとしても、もう流石に無理ですね。メンテしては翌週末だし、そのあと記事書いて、アップして、なんてしているうちに新年を迎えてしまいそうです。
ということで、もうあかんねんと観念して、ゆっくりぼちぼち行きましょう。
今年の更新は今回を含めてあと3回となります。次回は12/24(金)、で、2021年最後の更新は12/31(金)、との予定です。今年は後半から週2回の更新ノルマをゆるめたこともあり、年の瀬くらいは大晦日ギリギリまでしっかりとがんばってビシっと締めたいと心に決めた次第です。年越し準備の合間の暇つぶしにお付き合い頂けますと幸いです。
・・・おお、なんか、年末感、出てきましたね(←バカ笑)。
さて、今回は今月届いた1足目です。
いってみましょう。
Laszlo Budapest
「Laszlo(ラズロ)」という東欧靴です。東欧靴で「Laszlo」といえば、ブダペストの名靴職人であるラズロ・ヴァーシュ氏の「VASS(ヴァーシュ)」を連想される方も多いそうですが、これはVASSとは異なるシューメイカーなのです。
なあんて、わかった風なこと書いてますが、「ラズロ」→「ヴァーシュ?」てな風にピンと来ることもなく、このシューメイカーの靴を探していたというわけでもない。そもそも、「VASSでない方のラズロ」というメイカーの存在自体を知りませんでした。
じゃあなんで買ったのかと言いますと、茶色のUチップを1足転がして後悔したので別のを探していたことと、たまたまネットでマイサイズっぽいのを見つけて気に入ったことと、東欧靴をもう1足くらい欲しいと思っていた、という理由です。
初見のシューメイカー・Laszlo Budapest。
ドイツの風光明媚なアルゴイのシュバイガウという村が発祥で、ハンガリーに工房を構え、職人が昔ながらの技法でグッドイヤーの靴を作り続けているシューメイカーだそう。今も現存しておりホームページもあります。
100年以上の歴史を誇るようですがその過程では会社が二つに割れたりしたこともあったようで、分裂前の品の方がハイクオリティだったとかなんとかという話も。そんな歴史あるシューメイカーですが、あまり日本では知られていないらしく、検索してもあまり情報にヒットせず詳しいことはよくわかりません。
今回はこれまで何度か購入しているハンガリーのセラーから購入。彼曰く、1970s頃の品とのことなのですが、実際のところどうなのかは確かめる術もなく、確かなことは良く分かりません。ですが、氏素性の良くわからないペアは嫌いではない。私向けな1足かと思い購入した次第です。
ウエルカム!
ヴァーシュでない方のラズロ!
まずは儀式です。いつも通り、まずは左から。
ステインリムーバー
ワックスは塗り込まれてないようでした。
LEXOL
白い容器の中身はLEXOLです。
デリケートクリームもどき
まあ、いつもどおり。
リッチモイスチャー
まあ、元からそんなぼろいわけでもなく。
TAPIR レダーオイル
特段理由はないが今回はタピール。アップの写真、ないのは何か理由があるわけでなく、単に撮り忘れ。
コロニル1909&コルドヌリアングレーズ
アッパーにコロニル。コバは舌を噛みそうな名前のフランスのワックス(黒)で補色しました。
LINCOLN WAX
トゥに久々にワックスを。同じ八尾在住のビン靴蒐集家 @masutakam さんから頂いたブラシでがっつりブラッシング。
右も同様に仕上げてメンテ完了です。
ぼろい靴紐、新品に交換しよう。元は丸紐でしたが、やはり丸紐?平紐でも大丈夫?
【BEFORE】
【AFTER】
平紐にしました。
【BEFORE】
【AFTER】
うん、まあまあ、いい感じではないでしょうか。
久々にワックス使いましたが、光らせるのは下手くそなままです。一度プロに磨いてもらってお手本を見せてもらおう。
さて、あらためてディテール、確認してきましょう。
かかと。
ドッグテール。グラマラスです。いい雰囲気です。
トゥ。
ボリューミーでかっちりしてますが、Uチップという形状のせいですかね、東欧靴によくありがちな、トゥの先端から垂直に落ちるようなブダペスタースタイルではないです。
ソール。
分厚いダブルソール。で、
出し縫い糸のある当たりに線が走っています。これ、ヒドゥンチャネルなようです。ヒドゥンチャネル=伏せ縫い、には、「縦ドブ」と「横ドブ」の2種類があるらしい。今回のは「縦ドブ」。マイファースト・縦ドブ、どす。
ライナー。
写ってませんが、奥まで革のライニングです。とてもスベスベした手触り。内側にまで質の高い革が使われているように思えます。ソックシートの下にはスポンジ。変わった、独特な形状のスポンジです。なかなかのフィット感です。
全体的にいい雰囲気です。
今週火曜日に早速履き下しました。
サイズ感もおおむねオーケー。トゥ側がぽってりと余裕があり、中で足指が動かせます。履き口や踵周りは程よい。外羽根はくっつくくらい締めれます。薄手の中敷き、あってもいいかも、なくてもいいかも。
化粧釘はないものの、ディンケのそれによく似た東欧靴であることが伺えるソールの面構え。今回は表記サイズはUK7=40.5です。ですが、東欧靴のサイズ感はやはり気持ち大き目な印象です。まあ、それも含め、見立て通りのサイズ感です。今しばらく様子を見よう。
磨きの腕はいまいちですが、靴のクオリティは結構高いように思われます。
Laszlo Budapest 。
いいですね、かなりいい。何がいいって、人と被ることはなさそうです。そういうの、大好きです。ハイクオリティなマイナーなペアを密かに履く喜び。いいですね。なのですが、マイナーメイカーですので、転がしづらいのもまた事実。
そんなやつは我が家でステイです。
ま、そんなやつばっかりなんですけどね笑。
(おしまい)