こんにちは、ばしです。
ローファーは夏に素足で履くもの。
いつからか、は自分でもわからないのですが、このところずっとそんな風な私。素足なので、紐靴よりもハーフサイズダウンというのがマイルールだったのですが、最近はそんなのばかりでもなくなってきた。
理由は、仕事ではもう何年もスーツを着てなくて、もっぱらジャケパンにネクタイなのですが、そのスタイルであれば仕事でもローファーも履けることが分かってきたから。
ええ、そうなんです、スーツにローファーを合せたことは人生でたぶん一度もありません。ドレス感の強いスタイルのものは別にして、それ以外の一般的なローファーはやはりスーツには似合わないような気がする。
ただ、ジャケパンスタイルであればさほど変でもないように思える。なもんで、このところ仕事でローファーを履くこともたまにある。ただ、その場合は流石に素足という訳にはいきません。登板機会も夏とは限らないので必ず靴下を履きます。
仕事履きのローファーのサイズ感は、いつもの素足でジャストなサイズだと逆に窮屈になってしまう。メイカーにもよるのでしょうが、仕事履きのローファーは紐靴と同様に【US8..0】【UK7.5】サイズで、靴紐での調整ができませんのでハナからやや細身でタイトめなのがちょうど良いように思える。
3月に拾ってきたローファーがまさにそんな感じのやつなのでした。
MARTINIQUE (マルティニーク)
マルティニークというらしい。
マルティニークは、「メルローズ」が手掛けるセレクトショップのことらしく、これはどうやらそのマルティニークのオリジナルの品のようです。
私がマルティニークなるものを初めて見知ったのはたしか半年くらい前。メルカリで見かけたとても綺麗なシングルモンクのペアにこれと同じ刻印が押されていた。
メルカリからスクショ拝借しました。
当時見かけたのはこの個体ではなかったのですが、これと同じモデルの未使用なやつでした。プレーンなシングルモンクスタイルなのですが、なんといいますか、飾りのないの潔い出立ちなのに色気があって、纏うアンニュイな雰囲気が堪らない。
デザイン性のあるこのスタイルは、ジョンロブの「ジャーミン2」というモデルをオマージュしたもののようです。
この手のシングルモンクって、その付け根部分は甲の中央線あたりからサイドへとストラップが伸びるものが多いように思うのですが、これは甲部分をかなり覆ったうえでサイドへ伸びている。
そもそもこれを見知った時点では「ジャーミン2」の存在を知らなかったのですが、ちょっとした違いなのに受ける印象がこんなにも違うのか、デザインの力ってすごいな、と、私にとってはかなり強烈な印象だったのでした。
そんな「MARTINIQUE」の刻印のペアをセカストで見かけた。
今回のはローファーです。
ここの靴の実物を見たのは今回が初めてでしたが、モノは悪くなさそうです。
今回のこのモデルは、ジェイエムウエストンのシグニチャーローファーをオマージュしたような意匠です。
傷などもなく状態も良さそう。
パイピングで覆った履き口の造りもシグニチャーローファーみたい。そして、小窓に手書き文字が。
靴好きの気持ちをくすぐる仕様ですね。
こいつは「Marseille マルセイユ」というモデル名のようです。サイズは7.5E。米国ライクなスタイルでないことから、たぶんUKサイズ表記のように思える。素足でローファーの場合、サイズがUK7.5Eであるなら私にはやや大きいはず。なのですが、靴下を履いた状態で足を入れてみたらちょうど良い塩梅なのでした。
最初に見初めたシングルモンクではりませんが、このローファーにもかなり惹かれる。値段も5千円と安くはないけど高くもない。いや、
レザーソールで、
グラマラスなお尻とテーパードされた積み上げヒール。このディテールでこの状態であれば、5千円はむしろ安いかもしれないと思えた。
なもんで、拾ってきて、メンテもせずに早速に履き下ろしてみたのでした。
いつもなら外羽根のペアを合せるところ、ローファーにしてみたわけですが、どうでしょう?ヘンではないかと。
で、履き心地はというと、
おおー、ジャストマイサイズ!!
素足でも履けそうですが、サイズ感としては薄手の靴下履いてジャストフィットです。
シグニチャーローファーをオマージュしたようなものって結構ありますよね。セカストなんかではジャランのをしばしば見かけますが、アッパーと全体的な作り込みはこちらの方がきめ細かで上質なように思える。
総じて、大変出来の良いペアに思える。
ジャストサイズのこいつとは長い付き合いになりそうです。いつもと順番が逆となりましたが、先週土曜日にメンテいたしました。ビンテージではないし、渇きもダメージもないのでさくっと。
ステインリムーバー
汚れは少々。ワックス等はないみたい。
スタプロのデリケートクリーム
スタプロ=スタンダードプロダクツのクリーム投入。去年の秋に買ったやつですが、このところよく使ってます。
黒さも艶も深まった。
乳化性クリーム
これもスタンダードプロダクツ。有機溶剤のケミカルな匂いが屋内では結構気になったのですが、屋外で使用する分にはあまり気にならない。ロウ分を含むクリームなのでこれだけでも結構光ります。ただ、写真の感じだとやや白っぽく光って見えますね。まあ、比べたらそう思いますが、履いていて黒さに疑問を感じる人はいないでしょう。今回はこのままでオーケー。
(参考「Standard Product のシューケアグッズを使ってみた」)
最後に仕上げ。
最近ゲットした靴磨き用のグローブ。
これもスタンダードプロダクツのやつ。
こいつで仕上げてメンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
おお、白っぽいだなんて言ってすみません。
すっかりしっかりいい感じに黒光りしました。
さて、このローファー。
先程の写真のとおりハーフラバー装着済でその下が見えなにのですが、どういう製法なんですかね。
見えてる部分には縫い目は見えない。
内側に縫い目もない。
セメント製法か?
なのですが、
コバに出し抜い糸は見えている。
フェイクには見えない。
見た目にかなり出来の良いペアですし、セメント製法ということはなさそう。ヒドゥン仕上げ、なのかな。
新品の値段を調べようとしたのですが、見つからない。現行モデルではない、というだけでなく、「マルティニーク」のブランドサイトにメンズの品が掲載されてないんですよね。
マルティニークって、リアルな店舗もあるんですかね。この靴履いていったら自社のものとわかるのでしょうか? ジェイエムウエストンのと見分けつくのでしょうか?
そんなことを思いながら、
折角メンテしたので早速履いてみた。
駅まで徒歩。電車にのって職場までまた徒歩。往復で1万歩ちょっと歩きましたが、靴擦れすることもなく、そもそも違和感を感じることもなく、快適に歩けました。で、当然この日もジャケパンスタイル。
黒い靴のときは黒いジャケットのジャケパンスタイルが多い。無難といえばそうなのですが、どんな色柄のネクタイでもマッチするのが良い。この日は紫と緑の春らしい色目のチェックタイにしてみた。
で、たまたまなのですが、
駅へと向かう途中にも同じ色目が笑。
近所の空き地には名前の知らない紫の花が咲き乱れ、春を告げています。運動不足の解消にもなるし、目にも楽しいし、また徒歩通勤生活を再開しよう。などと思いながらも、
シングルモンクはいつゲットできるだろう。
なんて風に思う、
春本番の爽やかな月曜の朝なのでありました。
(おしまい)