こんにちは、ばしです。
三連休の2日目。
新嘗祭の日の午後、思いがけずまとまった作業時間ができた。どう過ごそうか、と、あれこれ考えた挙句、久しぶりにネクタイと戯れてみることにしてみた。
今回はこの4本。
オールドグッチが2本とピエールカルダンが2本。全てこの半年ほどの間にメルカリで購入したものばかりです。いやほんと困ったことに、旧いネクタイを現物を見ないで購入しますとこんなことがよくあるんですよね。
どんなことかといいますと、
太い、のです。
4本並べた全幅が40センチちょっと。
ということは、1本あたり約10センチとなります。今の時代さすがに少しばかり幅広過ぎて、このままでは身に着けるのに勇気が必要です。ですが、ご安心を。太いネクタイって意外と簡単に細くできます。
一番右の赤いやつが初めて幅詰めしたネクタイです。オールドグッチのネクタイなのですが、そういえばこいつもメルカリで購入した奴でした。で、こいつも10センチほどだったのを8センチ強に幅詰めしたのでした。
(参考記事一覧)ネクタイの修理と幅詰め
この赤いの以外にも色々チクチクやりましたが、幅の目安8~8.5センチ程度。8センチを目標に作業して、完成したら8.5センチに仕上がった、なんてこともあるかな。
けどまあ9センチ以下ならオーケー。
今の時代でも違和感なく締めれるでしょう。ネクタイの幅は時代によって流行があるようで、今の時代は8センチ以下が主流、どちらかといえば細めな傾向にあるみたいです。
ご存知の通り、私は中古のネクタイはセカストでしょっちゅう購入してますが、最近は太いのはよほどのことがない限りスルーしてます。理由は、幅詰めるのが手間で面倒だから。ただ、稀に相当程度に素敵な色柄デザインの太めなやつに遭遇することがあり、その時だけは例外なのですが、まあそんなモノにしょっちゅうお目にかかることはない。
手間で面倒、と言いながら、慣れればそれほど時間がかかるわけでもなく、素敵な奴を自らの手で今の時代に復活させるというのも悪いもんではないです。作業はシンプルですので、やるときはまとめてやっつけようと思っていた次第です。
今回の4本。顔ぶれをさくっとご紹介。
黒ベースのオールドグッチ。タグも黒でオールブラックスなやつです。
緑ベースのオールドグッチ。緑のネクタイは最近のマイブームです。
筆記体ロゴのカルダン。ポリエステル製のカルダンを蒐集中です。
こいつは日本製のカルダンなのですが、色柄が気に入ってぽちってみた。
よし、作業です。すでに述べました通り、やることはシンプルです。とはいえ、僕も作業は1年ぶりと久しぶりです。失敗しても痛手の少ない日本製のカルダンから着手してみた。手順はこんなです。
①タグを外す
②大剣の縫い糸をほどく
③芯地を取り出して細く切る
④芯地を戻してアイロンがけ
⑤ほどいた部分を縫い直す
⑥タグをつけて完成
6ステップありますが古靴のメンテよりも簡単なように思う。試しにセカストで百円のを拾ってきてやってみてください。万一失敗しても百円だし。こんなことやる素人なんてほとんどいないから、何度かやれば貴方もそれでベテランの経験者の仲間入りです、きっと。
早速やってみましょう。
①タグを外す
大体四隅だけ縫われてます。本体を切らぬよう気を付けながら外します。
②大剣の縫い糸をほどく
一番下を切ったらこんな風にほどきやすい。そうでないものもあるのですが、解ける場合は下から上に向けて切らずにほどいていく。
半分弱まで解けた。
これ以上解けぬようほどいた糸で縫い留めておいた。
③芯地を取り出して細く切る
取り出したところです。このネクタイは大剣の先まで芯地が入ってましたが、そうでないものもあったりします。
事前に作成しておいた型紙で切り取る部分に線を引く。
今回は先ほどの幅詰め済みのオールドグッチで型をとり、線の少し内側にハサミを入れてみた。おおむね8センチ弱にしました。
ハサミで切った。断面はきれいでなくとも問題ない。見えないですからね。
④芯地を戻してアイロンがけ
補足した心を中に戻す。
当初の折り目との差異分だけ細くなる、見込み。で、縫い留める前に新しい折り目部分を癖付けです。アイロンをかけるのですが、その上では、
先程登場した型紙(厚紙)を定規替わりに折り目を決めて、
スチームアイロンをかける。温度等は適当です。今回は「中」で、あまり強く押さえつけないよう注意しながらアイロンをかけてみた。
おお、細くなった、はず。
重ね合った上側は本来は中央にくるはずが、重なりが大きくなって右寄りになってます。センターラインに新しい折り目を付けるのもありですが、まあ、締めたら見えんし、手間だし、このままで。
⑤ほどいた部分を縫い直す
縫い留める。詳しい縫い方は「自分でネクタイを幅詰め(1)」を参照ください。まあ、我流なんですけどね。それでかまわん。ネクタイ職人を目指してるわけでもない。このままでは出番のないやつを蘇らせるための術です。締めれたらそれで良いのだ。
けれども、一応気を使って、糸の色はネクタイの色目に近いベージュにしてみた。これも締めたら見えないので何色でも構わんと言えば構わんわけですが、この先何度も締めることになるかもしれない。どうせならすっきりきれいに整えておいてあげたい。
⑥タグをつけて完成。
四隅だけ縫い留めた。タグは面倒なんで一つだけにしといた。構わんよね。糸は黒にしといた。これでも気ぃ遣ってるつもり笑。
【BEFORE】
【AFTER】
「P」のロゴマークが当初より端に寄っているので細くなったことが分かりやすい。
【BEFORE】
【AFTER】
左上がりのストライプっぽいデザインが気に入ったんですよね。実は、ベージュ部分に薄汚れがあったのですが、幅詰めして裏側に回ったのでほとんど分からなくなりました。
同じ手順で他の3本も縮めてみる。
【BEFORE】
【AFTER】
わ、わかります?同じ幅の写真ですが「P」が大きくなっている。
【BEFORE】
【AFTER】
しゃ、写真撮影って難しいね💦。
こいつは縫い閉じる前にアイロンあてて皺もしっかり伸ばしといた。
【BEFORE】
【AFTER】
こいつもしっかりアイロンかけしました。
【BEFORE】
【AFTER】
パキっとしました。
【BEFORE】
【AFTER】
おお、これは分かりやすい。
【BEFORE】
【AFTER】
図柄より明らかに細くなっていることが分かる。
【BEFORE】
【AFTER】
タグの位置が変なことになっちゃいましたが、まあ、問題はなかろう。
【BEFORE】
【AFTER】
4本並べて40センチが34センチになった。
1本あたりマイナス1.5センチ。
平均幅8.5センチです。
所要時間約2時間。
写真では分かりづらいかもしれませんが、どれも程よい幅に縮まったように思う。折しも、週末に祝日がありました関係で今週は4営業日です。おお、ちょうど良い。今週4日間はこの4本を登板させようと思う。
久々の出番でこいつらも喜んでくれていたら嬉しいな。ダイエットして生まれ変わった雰囲気も、実際に締めてみれば実感できると思う。靴は履いてなんぼ。ネクタイもまたしかりです。
どの順番にしようかな。
何にどう合わせよう。
まずは靴から考えよう。
(おしまい)














































