自分でネクタイを幅詰め(3)

こんにちは、ばしです。

 

「古民家再生」というものがあるそうな。

初めてそのワードを耳にしたのはおおよそ二十年くらい前、だったかな。「リノベーション」とか「コンバージョン」などという建築のカタカナ言葉を耳にし始めた頃と同時期であったような気がいたします。

そんな古民家再生、ブームにまでは至らなかったのかな、ですが今も地道に続いていて根付いているみたい。お国柄でしょうかね。「古いものも大切に使う」「もったいない」といった日本的な発想にマッチすることはもちろんですがそれだけではなく、「レトロな雰囲気」や「税金などの経済性」なども魅力なんだそうです。

それにあやかって、

というわけではないのですが、このところ「古ネクタイの再生」がマイブームです。ご承知の通り、リユースショップを巡っては色んなユーズドのネクタイを拾って来ているのですが、中にはとても古そうなんだけど素敵なやつに出くわすこともしばしばです。

そんな古臭いネクタイを拾って来てはリフォームする。まあ、「リフォーム」と言いましても「太い幅を細くする」だけです。なのですが、安いし、もったいないし、古民家再生と似たようなものかな、と。ただ、「レトロな雰囲気」という点ではやや趣が異なる。

確かに、デザイン自体がレトロなものもあるにはありますがそれほど多くなくて、むしろその太さゆえに古臭いものが多い。昔の旧いネクタイは10センチとか11センチとか、今の時代には太い、太過ぎて、それを現代にマッチした幅サイズに縮めるわけですが、「太いからレトロ」なわけであって、それを細くしてしまうと当初のレトロな雰囲気がなくなってしまう、なんてことも。

この点が古民家と古ネクタイの違いではないかな。ただ、色柄が気に入ったわけであって、雰囲気がレトロか否かはどうでもいいんですけどね。あ、すみません。そんな話こそどうでもよかったかもですね。

 

そんなことで、

今回は古靴でも古民家でもなく古ネクタイです。

先月の釣果は2本。おお、なかなか素敵なやつらだな。まあネクタイの好みは人それぞれですから、いつの時代のモノでも気に入ったらそれがその人にとっての良いネクタイなのでしょう。

左は「A-LOOK」。日本製。右は「ALVARO」。イタリア製。たまたまですが、どちらも「AL」で始まります。古いネクタイ・アルアル、ですな。いや、ナイナイ。むしろ、タイタイ。

どちらもどんなメイカーなのかは知りませんが、古くていい感じのを2本ゲットできたかな、と。

で、どっちも百円(笑)。このところの物価高の影響か、最近は中古のネクタイも値上がりして、安いのでも300円程度しますので、百円タイは貴重です。で、どちらも結構太いです。で、太いから古臭いのですが、細くして縮めたら今の時代でも良さげな雰囲気、ではないか。

どんくらい幅広かといいますと、

真ん中のオールド・グッチはやや細身で7.7センチ。両サイドから威圧されて小さくなってるみたい笑。

太い。

ぶ、ぶっとい!!

げっ、11.5センチもあります。

こいつは過去最大に太いかもしれない。ダイエットし甲斐がありそうですね笑。昨年秋から「毎日違うタイクツ」中な私(記事一覧こちら)は、次週から始まる「オールドグッチWEEK」までに登板させるべく、先週土曜日に2本まとめて幅詰めいたしました次第です。

 

 

【1本目】

まずは幅広なやつから。
で、幅広なだけでなく、

皺がひどい。表も裏地もヨレヨレです。
よし、がっつりいきましょう。

まずはほどく。

下から上まで、糸が1本通ってます。
ある程度までほどいたら、

元の糸に針を通して、とりあえずここで縫い留めました。そうしませんと上へ上へと際限なくほどけてしまいそうです。

次いで、中の芯地を抜く。

ヨレヨレです。

スチームアイロンでしっかり伸ばす。

切る。ほんとは型紙作ってきっちり正確に切るべきなのでしょうが、幅詰めは今回で3度目です(過去記事こちら)。もうすっかりベテランです。目分量でテキトーに。

まあ、中の芯地だし、見えないし、問題なし。
ついで、

裏から本体のシルクの皺もアイロンかけて伸ばします。表からかける場合はアイロンなどで当て布するか、少し離した距離からスチームを当てて伸ばす。ちなみに、ウールの折柄のように見えますが、シルクのプリントです。

キレイに皺が取れたら、

芯地を中に戻して、アイロンで新たな折り目をつける。この際も当て布か少し離してスチームか。ぺったんこにならぬよう注意です。

余談ですが、この作業台兼アイロン台は段ボールのお手製です。スチールラックだったか何か、大きめの家具を買ったときに梱包してた長さのある段ボールを折り畳んだだけのものですが、普通のアイロン台より長くて作業性グッドです。

反対側も同様に。

縮めた幅が大きい分だけ重なり部分も大きくなった。で、重ねた上の端がネクタイの中央から右にずれてます。センターになってません。本当は縮めた分だけ表地も裁断して、センターになるよう新しい折り目をつけるべきなのでしょうが、売り物ではない、自分で締める用です。細かいことは気にしない、気にしない。このあと、新たに縫い留めて、タグをつけたら幅詰め完了です。

どうでっしゃろ?

なかなかよろしおま。
グッジョブ、俺。

さて、

 

 

【2本目】

基本的に同じ要領でいきます。

あれ?

1本目とは異なり芯地も一緒に縫い留められていたようです。なかなかの職人技、なのかな? 

で、こちらは裏地なしです。「セッテピエゲ」ではありませんが、切り端がエルメスのスカーフ風にくるりと縫われてます。まあ、そんな上等ではないですが、なんとなく雰囲気あってグッドです。

芯地の幅は9センチ。仕上がりはだいたい8.0~8.5センチくらいが目標です。ええ、おおざっぱです。行き先を決めない旅もいいもんです。

生地は「毛100%」。ウールです。
見た感じ・触った感じは、日焼けしてもろくなったカーテン、といった趣でいとおかし。まあ、もろくはなってません。

芯地テキトーに細く切って、

新たな折り目をつけて、

縫い留める。
縫い方は「ネクタイ」「自作」でググったらいろんな情報&動画が出てきますので適宜参照ください。

重なり具合はこちらも相当な感じですが、まあ、構わんでしょう。

 

完成!

と思ったけど、右にはループがありません。大剣と小剣を重ねて、まとめてタイバーで留めるのなら問題ないのでしょうが、私は「ループに通した小剣のみをタイピンでシャツに留める派」です。

そうそう、こんな感じ。

プラプラしないけど、タイピン・タイバーは大剣に隠れて見えない。どんなデザインのタイピンでもオーケーです。プレゼントでもらったタイバーが気に入らなくてもこれなら見えないし、義理も果たせてオーケー。もしも付け忘れたり無くしたりしたときは、

なんならタイバーの代わりに文具のクリップでもオーケーさ笑。大剣に隠れるから見えない、分からない。私は社会人になって以来30年ずっとこのスタイルです。なぜそのようにしたのか、は、記憶にございません。

 

兎に角、何もなしでは困る。
アイ・ニード・ループです。

以前、ネクタイを自作した際の端切れでループを作ろう。色柄も似てるっぽいしちょうど良いのではないか。

いや、ちょうどよくはなかった。そして、

おお、想像していた以上にすんげーテキトーに仕上がりました。まあ、締めたら見えないし。求められる最低限の機能を有してさえいれば良しとしましょう。気が向いたらその内もう少しちゃんとした感じにやり直しましょう。

あ、しまった。

こいつの存在を忘れておりました。
まあ、特に要らんでしょう。ぽい。

 

てなことで、作業完了。
早速出番です!!

おおっ。

ベルトの上に若干お肉が載っております。

あれですね、ぽっちゃりしたお腹のオヤジには幅広のネクタイはいいかもね。幅の広さに注目させ視線を集中させつつ、幅の広さそのものであまり美しくないお腹を隠す。

最近のネクタイ幅は8センチくらいが標準で、広めでも9センチくらいまでが主流のようです。今回の2本は縮めた結果で8.5センチ&9.0センチくらい。少しだけ太めに仕上がりました。まあ、ちょうどよいのではないかな。

 

さて、ネクタイは良い感じにダイエットできましたので、次は私の番です。気づけば体重は74キロを若干オーバーしてしまいました。そろそろ、トレーニング開始せねば。

 

 



 

 

そんなこんなで、

こう見えて色々と忙しい私ですが、なんといいますか、適度な達成感と充実感があります。セカストでの宝探しは楽しかったし、お気に入りな感じに仕上がったし、安くて得した気分だし、そして何より、地球にやさしい。俺っていい奴です。この週末、貴方も是非。暇つぶしにもサイコー、持ってこいですよ。

 

あ、こう見えて色々と忙しい私です。

 

(おしまい)

 

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