Nettleton Black Algonquin(zazaコレクションその1)

こんにちは、ばしです。

 

半月前の日曜日。ビン靴蒐集の先輩であるzazaさんより貴重なペアを譲り受けました。

 

Florsheimの里帰り ~ zazaコレクション(その0)

 

計13足。顔ぶれは上の記事の通りなのですが、自分で履けるモノ、履くには少し大きいモノ、ジャストサイズだけれども貴重過ぎて履くのが憚られるモノなど様々。で、自分で履けるモノは順次履き下ろしつつ、13足について1足ずつご紹介していくものであります。今回は「その1」。昨日履き下ろしました。

こいつ。

 

 

Nettleton Black Algonquin

ネトルトンです。

今回譲り受けたネトルトンは3足。で、黒でないアルゴンキンも含まれるためこのペアは「BLACK」と注釈つけました。思えば、久々のネトルトンです。以前1足持ってました。

こんなやつ。

黒のキャップトゥ。結構お気に入りだったんですが、売っぱらってしまった。なぜそうしたのか、理由は覚えてません。

ソックシートには「職人ロゴ」。

ネトルトンの後期、1970-80年代のペアです。「靴のロースロイス」と呼ばれたこともある伝説のシューメイカー・ネトルトンは、1879年ニューヨーク州シラキュースにて創業。ライト兄弟やセオドア・ルーズベルト大統領も愛用していたとの話もある、アメリカを代表する高級メーカーでしたが、1980年代にブランドは消滅してしまったらしい。

今回のソックシートのロゴ。このデザインは初めて見ました。ググっても出てこないしSUPER8SHOESさん扱いのネトルトンにも同じロゴがない。同社は最近復活したいるらしいのですが、最近のものでもありません。一体いつ頃のものなのでしょう?

まあ、同社が一旦クローズしたのが1980sということですので、それ以前、であることは間違いない。

グッドコンディションなアルゴンキン。

なんせ、ソールがこれです。

確か、zazaさんはデッドもしくはベリーミントなコンディションのこいつを入手されたとおっしゃっていたような。まあ、今この時点でも状態はかなり良好ですので、入手後の登板機会は少なかったのかもしれません。

分厚いダブルソールにはソックシートと同じロゴの刻印。「MADE IN USA」の表記はなし。その横に手書きで「10-22-87」とあります。ひょっとして「1987年10月22日」なのかな

楔型のトップリフト=ダブテイル仕様に釘打ち。

サイズ表記は【10.5A】。で、ネトルトンのライニングの表記で見かける「HEEL」の文字が見当たりません。どんなのかといいますと、

再掲。先ほどの職人ロゴのライニングです。ネトルトンのライニングはこんなのが多いのですが、今回のモノはいつもとは随分と異なります。

ドッグテールに踵の合わせ部分に縫い目はなし。思いますに、ひょっとしたらこいつ、先ほどの手書き文字通り「1987年製」、同社消滅前の最後期のモデル、という可能性もありそう。それはそれで貴重・希少そうで良いな。と思っていたら、ebay見てみたら同じロゴのを見かけました。年代に関する記載はなかったのですが、踵は「OWL EYE CLEAT」仕様だったんですよね。

旧いフローシャイムの踵にある三角形の金属はV-CLEATなわけですが、旧いネトルトンには丸い金属が装着されている。それが「OWL EYE(フクロウの眼)CLEAT」。うーむ、なにがどうなんでしょうね。謎は深まるばかり。このロゴの件は今後も継続して調査です。

一般論としては、

ビンテージ靴の年代は旧いに越したことはないのでしょうが、私はあまりこだわりはありません。それよりも履く上では「ギヤとしてのコンデイション」が最重要です。その点こいつは申し分ない。で、何より、「ネトルトンのアルゴンキン」です。履きたくて、ずっと探していたのですがなかなか出会いがなかった。そんなのが急にやってきてくれましたので、13足中最初に履き下ろすのはこいつと決めていたのでした。

日曜午後にLEXOLとコロニル1909とコバインクで最低限の儀式を済ませ、昨日月曜日に早速履き下ろしました。

 

どんっ。

ぐぅおお、かっこいいです。

サイズは【10.5A】なわけですが、意外や意外、問題なく履けます。爪先は少し余るわけですが長すぎず、何より踵から甲にかけてのフィット感が抜群です。なるほど、これは甲高のzazaさんの足にはウイズがタイト過ぎるかもしれないですね。

そんな10.5Aサイズなわけですが、

ここ最近はマイサイズがハーフサイズアップにしか手を出してなかったのですが、昔はこのくらいのサイズも手を出してました。最近はマイサイズ以外はハナから対象外としてましたが、貴重で希少なペアに関しては、ウイズ小さめのモノも視野に入れてもいいのかもしれません。

この独特なVチップの雰囲気。

とてもとても素晴らしいわけですが、私が普段履く靴よりも全長が長い分、よりスマートに見えるのかもしれない。手持ちのVチップと比べてみよう。

右の茶色はアレンのSENECA。【8.5D】サイズのこいつと比べてみても、極端に大きいようには感じられない。

まあ、当然同じで長さではないわけですが、やはりそれほど極端な差異があるわけではないようです。アレンのSENECAも大のお気に入りのペアなのですが、同じVチップでも雰囲気が異なる。、羽根のステッチの位置やモカの処理が異なるわけですが、思いますに、一番の理由はこれ。

Vの先端から爪先までの長さが随分異なります。

羽根の付け根から爪先までの長さに占める爪先部分の割合がネトルトンの方が大きい。結果、同じVチップでもアレンはよりカジュアルに、ネトルトンはよりドレッシーに感じられる。とはいえ、Vチップです。内羽根のキャップトゥほどにはドレス感が強いわけではない。

なので、

ジャケパンの足元にちょうど良い。

と思う。それはつまりジャケパンメインの私向き、ということかと思う次第です。だからネトルトンのアルゴンキンが欲しかった、と言うわけではないのですが、欲しいと感じるには理由があった、と言うことかと思う。で、

どうせなら茶も欲しいな。まだまだ円安ではありますが、海外は日本以上に革靴離れが進んでるようですので、旧めのビンテージ靴を安く買い叩くには好機なのかもしれません。当面ebayでの獲物は茶のネトルトンとしよう。マイサイズでもでかめでもどちらも可。見つけ次第思い切ったオファー出してみることにしよう。

黒と茶のネトルトン。
早く2足並べて撮影したい。

 

(おしまい)

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